木曽川水系連絡導水路「新年度に着工・工程表」の二枚舌 |
23日に「岐阜県議会水資源対策議員連盟」の総会なるものが開催され、そこで「新年度着工」を盛り込んだ「工程表」を示したとのこと。
090324「工程表」中日記事
徳山ダム、新年度に導水路着工 水資源機構が工程案
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「岐阜県議会水資源対策議員連盟」というのは、きっと徳山ダムを強力に推進した議員連盟なのだろうから、(皮肉を込めて)こういう場では「やります!早く着工します!」と言うわね、そりゃ・・・しかし許し難い。
090324抗議声明
「新年度に着工/工程表」の二枚舌
市民への説明は後回し? 岐阜県知事の意向もそっちのけ?
2009年3月24日
徳山ダム建設中止を求める会(代表 上田武夫)
報道によれば、3月23日に、国土交通省中部地方整備局河川部(以下、「中部地整」という)」と水資源機構中部支社は、岐阜県議会水資源対策議員連盟の総会において、木曽川水系連絡導水路を「新年度には着工する」として”工程表”を提示したという。
何ということであろうか! 強く抗議の意思を表明する。
「着工」時期については、十分な環境調査の上、岐阜県知事と協議して決める、と約束している。「それはタテマエにすぎない。着工時期も含めて工程は、自分らが決めるのだ(=岐阜県知事には、その”工程”を無理にでも承認させることに決めている)」、ということなのであろうか?
1月13日には、中部地整は、市民団体に対して「岐阜県知事の厳しいご意見もありますし、(市民の皆様への)説明抜きに、私どもが勝手に事業を進める、ということはありません」と言っている。
県議会議員連盟には、工程表まで示して「新年度に着工する」と言い、岐阜県(知事部局)には、「十分な環境調査の上、協議させて頂きます。それまでは着工しません」と言い、そして市民団体には「市民の皆様への説明は絶対条件です。それ抜きに着工はしません」と言う。
つまるところ、中部地整は、二枚舌、三枚舌を使って、導水路建設に否定的言意見をもつ人々のみならず、推進する人々にも、岐阜県(知事)にも、ウソをつき続けているのである。
国土交通省(建設省)・水資源機構(水資源開発公団)には、「勘違いを誘導説明」「約束の反故」「騙し」数限りない過去がある … 『徳山ダム建設事業』一つをとっても、「勘違いを誘導説明」「約束の反故」「騙し」例の宝庫になってしまっている。
中部地整の二枚舌・三枚舌の何を信用せよ、というのであろうか?
中部地整は、昨年6月29日の岐阜市での「意見交換会」が、中途半端なままになっていること、つまり「木曽川水系連絡導水路事業の必要性」の河川管理者側の説明すら真っ当になされていないことを、事実上認めている。にも拘わらず、「環境検討会の意見を踏まえた環境レポートの取り纏めの目途がつくまでは、市民への説明会は開けない」として逃げている。
「木曽川水系連絡導水路事業の必要性」の説明責任を果たして、その上ではじめて「環境検討会(=木曽川水系連絡導水路事業を前提として設置)/環境レポート」の話も存在する … 後先が完全に逆転している。しかもくだんの「環境レポート」(天下り法人である(財)ダム水源地環境整備センターに事実上の随意契約により、H19年度=4500万円、H20年度=1600万円を払って作らせたもの)に200項目もの間違いがあったから作業が遅れている、いつになったら取り纏めができるか、まだ分からない、というのである。身内の不始末を理由に市民への説明は後回しとし、他方で「新年度着工への工程表」を作成・公開して強行着工への道筋を作る。このようなやり方は到底許せない。
中部地整は、木曽川水系連絡導水路に関する一切の事業をいったん止めて、広く市民に対して誠実な説明を行い、虚心坦懐に意見を聴くべきであると指摘する。同時に、国土交通省全体として、住民・納税者・主権者不在の河川行政の姿勢を一刻も早く改めることを強く求める。
以上
文責&連絡先:事務局・近藤ゆり子
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きょうのウチの庭
満開を過ぎはじめた木蓮、新芽の勢いが目立つ馬酔木。