6月13日、金生山の化石約300個を、化石館に寄贈 |
大垣市の北西、旧赤坂町(古くは中山道・赤坂宿)にある金生山(赤坂山)は、化石の名所です。化石がある、ということは石灰岩がある、ということ。明治以降に殖産興業のときから石灰岩の採掘が進みました。今では石灰岩の多くを採掘し尽くし(山そのものが痩せ細り)、あまり化石も出ないようになってしまった、と聞きます。

亡夫(近藤正尚)は、赤坂山の麓で幼少期を過ごし、化石拾いを遊びにしていました。1980年代から90年代前半、石灰石採掘作業の休みとなる日曜日とか、作業前の早朝とかに車で出かけて、「一人で運べる手頃な大きさ」のものを家に持ち帰っていました。
亡夫は、「特に良い物、珍しい物」を見つけたときは、金生山化石館にもっていっていました。「大したものとはいえない普通の化石」大小約300個がウチの庭の雑草の中に埋もれていました。
この3月、赤坂に亡夫のお墓を訪れ、帰りに赤坂港館に立ち寄りました。
参考:赤坂湊(港)&若干のセンチメンタルジャーニー
赤坂港館に展示(?)されている化石が、家にあるもに比べて、量も大きさも貧弱だったのに驚きました。
私の死後、これらの化石が「ただの石ころ」として破砕されて捨てられるとしたら余りにもモッタイナイ。「大したものでない」なら、小中学生が教材として「割ってみる」体験をすることにも意味があるように思います。

そこで大垣市教育委員会文化振興課に連絡をし、金生山化石館に運んで頂くことになりました。
財団法人 大垣市 金生山化石館
6月13日(土)に金生山化石館館長さんとボランティアの方数名がいらしてウチの化石をトラック2台で運んでいかれました。
朝日新聞6月14日
「化石の山」から300個、施設に寄贈
PDFファイル版
中日新聞6月17日
亡き夫のイシ役立てて 金生山化石館 近藤さん(大垣)が寄贈
PDFファイル版

金生山の化石は、化石に関心をもつ人の間では有名です。しかし地元大垣市の中では、必ずしも知られていません。少し残念に思います。
化石は、地球が「水の惑星」であること、その上で生きる生物の長い歴史(悠久の命の繋がり)に気づかせてくれます。
人も「水の惑星」に生かされている一つの生命体です。 水を、命を粗末にしては人類の未来はありません。

あまりにも「人間の科学技術の進歩」に信を置きすぎた20世紀でした。そのツケが、既にしっかりと顕在化してきています。危ない!「人」はもう少し謙虚に、もう少し分をわきまえて、この惑星の上で生きさせて貰うことを考えねばならないでしょう。
平均余命でいえば、そろそろ四分の三を生きてしまいました。自分自身の命の先が、来し方より短いことは確実です。 自分の命の尽きた後にも、人類が今しばらく、この惑星の上に、生きさせて貰いたいと念じます。
