徳山ダム導水路本体工事費概算要求は笑止千万 |
徳山ダム導水路本体工事費概算要求は笑止千万
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抗 議 声 明
徳山ダム導水路本体工事費概算要求は笑止千万
2009年9月1日
徳山ダム建設中止を求める会(代表 上田武夫)
8月31日、水資源機構は、徳山ダム導水路(木曽川水系連絡導水路)事業費18億円を概算要求に盛り込んだ旨を発表した。本体工事着工を前提にした概算要求額である。
住民へも国会へも説明責任を果たさないまま、常に”前のめり”で確保されてきたこの事業の予算を多くは執行できまま「貯まって」いる。岐阜県知事が示した環境への懸念を晴らすという条件もクリアできないからである。「環境レポート」なるものを作成することで岐阜県知事の「条件(ハードル)」を超えようとしたらしいが、今はもっと大きく高いハードルが立ちふさがってしまった。名古屋市長の「導水路事業からの撤退の意向表明」である。
本体工事着手どころか、そもそも事業が成立するのか否かが不明であり、根本的に問い直さねばならない、このようなときに本体着工を前提にした概算要求を行う … 水資源機構の言い分は「事業実施計画に従って粛々と事業を進めていくだけ」ということであろう。独立行政法人水資源機構とは、まさにそういう組織でなのである。
徳山ダム導水路事業について、なんら説明責任を果たさないまま、水資源機構に事業承継させた国交省(河川局-中部地整河川部)にこそ一義的責任がある。この総選挙で、国交省(政府)がこれまで行ってきたことが「民意」とは異なることが明らかになった。住民・市民の支持なき「事業実施計画」は、宙に浮くしかない。にもかかわらず本体工事前提の概算要求をしていく水資源機構、それを操る国交省の姿勢は笑止千万としか言いようがない。
この期に及んでなお「異常渇水のときの備えとして導水路は必要だ。」と宣う人々は、事業費の65.5%を占める「異常渇水時の緊急水補給」の緊急水は水道水として使える水ではないことを知らないか、わざと無視しているのか?たとえ徳山ダム導水路が完成したとしても、現行のダム運用ルールでは「異常渇水時の都市用水の断水を防ぐこと」には役立たない。いずれにしても「新しいルールづくり」が必要なのだ。
「木曽川水系の水利用の新しいルールづくり」の必要性は、1994年の「平六渇水」のときから、行政も含めて多くの口から語られていた。だが、国はそれを15年間も放置したまま、長良川河口堰運用開始-徳山ダム建設と、巨額で河川環境に悪影響を及ぼす土木施設建設を優先させてきたのである。三県1市も、これらの事業の推進役を果たしてきてしまった。
今、「政権交代」である。この悪循環(これまでやってきたことを「正しい」と言い張るためにさらにツケを積み上げる)を断ち切るべきときがきた。
過去の誤りを誤りと認め、「河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、流水の正常な機能が維持され、及び河川環境の整備と保全がされるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もつて公共の安全を保持し、かつ、公共の福祉を増進すること」(河川法第一条)という本来の河川管理者としての責務を全うする国交省河川局に生まれ変わることを期待する。 以上
文責: 徳山ダム建設中止を求める会 事務局長 近藤ゆり子
連絡先:大垣市田町1-20-1 TEL/FAX 0584-78-4119
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