前原誠司・国土交通大臣と徳山ダム~2000.7.27の徳山ダム視察~ |
前原誠司・国土交通大臣は、就任早々から歯切れも良い、元気も良い。この調子でトンデモ河川事業(ダム等)が「見直し→中止」へと舵を切ることを期待する。
とはいえ一部の人々の「国交大臣の鶴の一声で事業を中止にできる」かのような言動には「?」である。官僚の抵抗云々ではなく、(私からいえば徳山ダム導水路については、本当にケシカランやり方ではあったが)河川整備計画に位置づけられ、フルプランに位置づけられ、事業実施計画が存在する事業を正式に「中止」にするには、法制度上の手続きを要する。(この諸手続を「政治主導」の名でスルーするなれば、「政治主導=法治国家としての瓦解」になってしまう。私には到底受け入れられない)。
木曽川水系連絡導水路事業実施計画の廃止、木曽川水系フルプラン変更、木曽川水系河川整備計画変更 … すべて関係省庁、関係知事との協議を要する。3県関係知事は、現行の木曽川水系連絡導水路事業実施計画の内容で合意したことになっているから(温度差はそれぞれ違うが)、それぞれの議会との関係もあって「はい、国の政権が代わったから、やめることにしましょう」とは言いにくい … 各県議会の意向も踏まえながら「柔軟な姿勢で協議に応じる」とするくらいのところであろう。本質的にダムが「好き」なのか、と思ってしまう三重県の野呂知事が最も「柔軟(中止の方向で良い、とにじませる)」なのは、三重県議会の大勢が「木曽川水系連絡導水路(徳山ダム導水路)は要らない」と考えていることの反映であろう。
三重県は、徳山ダムには利水者としては参加していない。三重県にとって木曽川水系連絡導水路(徳山ダム導水路)は、ひたすら「異常渇水時に河口部わずかな部分の環境改善になる、ならない(ホントは全く環境改善にはならない)」の世界であって、こんなものにお付き合い料(直轄負担金として13億円余)を負担させられることのほうがよほど「問題」なのだ。
本題に戻る。

前原誠司氏は、2000年7月27日、民主党「ネクストキャビネット社会資本整備担当大臣」として、本体工事が始まって間もない徳山ダム現地を訪れ、その後、同年8月10日に「民主党ネクストキャビネットとしては、中止に向けた凍結という方針」を取り纏めた。
当時の新聞記事を PDFファイル としてリンクする。(1ページ目が、2000年7月27日の様子を伝える2000.7.28の岐阜新聞と中日新聞の記事、2ページ目が、民主党NCの方針への県連の「戸惑い」を伝える2000.8.11の岐阜新聞の記事)
この「視察」には、当会(徳山ダム建設中止を求める会)も同行した。岐阜新聞が伝える写真には、藤橋村助役の助役が写り、キャプションもその名しか出ていないが、手前に頭だけ写っているのが私たちであった。
私たちは、利水・治水・環境につき、河川政策の問題として、きっちりと意見を述べた-故・村瀬惣一さんが「村瀬節」で熱弁をふるったことが思い出される。
この時に、前原氏は「ダム反対の市民団体というから、もっと情緒的なものが出てくると思っていたけど、科学的なんですね」感想を言っていた。
徳山ダム導水路はいらない、それは徳山ダムで確保された利水容量、渇水対策容量が「要らない」ことと直接関係している。ここが理解できている国交大臣の存在は心強い。
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滅多に見られない白い彼岸花
・・・どういう事情でウチの庭にあるのか、すでに忘却の彼方で分からない。
毎年ちゃんと彼岸頃に咲く。
