前提事実が変化したけど「公表しない」?!・・・・① |
木曽川水系連絡導水路(徳山ダム導水路)事業は、現在「凍結」されていますが-そして来年度には少なくとも「本体着工前提」予算はつかないと思いますが-、「中止」になったわけではありません。
「木曽川水系連絡導水路事業に関する事業実施計画」(H20.8.22認可)は活きています。
この「木曽川水系連絡導水路事業実施計画」を廃止しない限り、事業は「冷凍保存されている状態だ(保存の仕方が上手なら、いつでも解凍して使える)」ということです。
この「木曽川水系連絡導水路事業に関する事業実施計画」は、木曽川水系における水資源開発基本計画(フルプラン)のH20.6.3の一部変更を根拠にしています。
さらにこの事業の事業費の65.5%にのぼる「特定施設分-異常渇水時の緊急水補給」の根拠は、木曽川水系河川整備計画(H19.3.28策定)を根拠としています。
木曽川水系河川整備計画策定にあたっては、木曽川水系流域委員会が設置されました。
このヘンテコリンな導水路計画も、この「木曽川水系流域委員会の委員の先生方にご議論頂き」承認されて、河川整備計画に位置づけられたことになっています。
このときに流域委員会に出された資料と現状とで、数値の違ってきたものがあれば、それを(「軽微な変化であって河川整備計画を変えるほどのものではない」と言いたいなら、その説明も併せた)公表して当然ではないでしょうか?
ところが、中部地整河川部は「公表する予定はない」と言いはなちました(09.11.13)。
市民への(地方議会へも国会へも)事業説明も碌に行わず、「木曽川水系流域委員会の委員の先生方のご議論頂いた」ことが錦の御旗でした。
今、「お上に楯突くのが趣味の一部の不逞の輩だけが反対している」とは言えなくなったこの木曽川水系連絡導水路(徳山ダム導水路)事業。予算執行も凍結されています。
仕切直しの議論をすべきときに、以前に示した数値とは異なってきたものについて「公表する予定がない」とは呆れ果てたモノイイです。
当時と現在では「何が違っている」のかを示します。
岐阜県が「落合」(中津川市落合)で取水している上水(水道水)の水利権利量に注目して下さい。
当blog記事
徳山ダム導水路の目的は異常渇水時の断水防止?
の中の
3.木曽川水系連絡導水路(徳山ダム導水路)の「利水安全度向上」のご利益とは
(1)ダム乗り水源と取水の1対1対応の法令上の根拠について
に載せた写真「水源と供給先」の表を拡大します。

第7回木曽川水系流域委員会 資料-5 p20 からとったものです。
この資料のもとのページ(上記blog あるいは 流域委員会資料)をご覧になれば分かるように、わざわざ「木曽川の水源開発においては、水源のダム毎に供給先が異なっており、それぞれのダム毎に運用され、渇水の状況や頻度も異なる」と書かれています。(上の表のように複数のダムでの開発水を取水するときは、先行開発分から取水すると「水利使用規則」で決めていた)。
直接の言及はないものの、「導水路を建設しなければ、この『窮屈』から脱することはできず、渇水時に柔軟な融通ができない」かのように読み取れる資料になっています。
ところが、今年4月3日に、中部地整は岐阜県の上水・落合取水分について、「水利使用規則」を変えました。

取水できる水量は、1.900 m3/Sから1.642m3/Sへと、0.258m3/S少なくなっています。需要が減っている(予定のようには伸びなかった)からです。
つまり岐阜県が「開発」した上水はますます余ってしまっているのです。
~ この稿続く~
◇ ◇
熟してきたぞ、ウチの蜜柑
