「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の怪 |
・ 「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」設置 メンバー発表
・ 12月3日に非公開で第1回会合をもつ
前原国交大臣にとっても、国交省河川局にとっても重大事項なのに、なぜか「報道発表資料」では、未だみかけていない。
プレス用の紙媒体のものを見て手入力して下さったがいる。
それによれば以下:
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平成21年11月20日
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」について
1.趣旨
「できるだけダムに頼らない治水」への政策転換を勧めるとの考えに基づき、今後の治水対策についての検討を行う際に必要となる、幅広い治水対策案の立案手法、新たな評価軸及び総合的な評価の考え方等を検討すると共に、更にこれらを踏まえて今後の治水理念を構築し、提言する。
2.主な検討課題
(1)幅広い治水対策の立案手法
(2)新たな評価軸の検討
(3)総合的な評価の考え方の整理
(4)今後の治水理念の構築
3.委員
別紙の通り。なお、座長は、必要があると認めるときは、委員以外のものに対し、会議に出席してその件を述べる又は説明を行うことを求めることができる。
4.第1回会議
日 時 12月3日〔木〕 18:00~20:00 (予定)
場 所 中央合同庁舎3号館10階共用B会議室
その他 ○会議については傍聴不可、カメラ撮りは冒頭のみとします。
○会議後、会議の模様を説明します(会見)
○議事要旨を、後日、ホームページ上で公開します。
5.スケジュール
平成21年秋 有識者会議発足
平成22年夏頃 有識者会議中間取りまとめ(上記2.(1)~(3))
引き続き、有識者会議で討議
平成23年夏頃 有識者会議提言
<問い合わせ>
河川局 河川計画課 河川計画調整室長 泊(とまり) 宏
代表 03(5253)8111 内線 35361
直通 03(5253)8445
(別紙)
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」委員
宇野 尚雄 岐阜大学名誉教授
三本木 健治 明海大学名誉教授
鈴木 雅一 東京大学大学院農学生命科学研究所教授
田中 淳 東京大学大学院情報学環
総合防災情報研究センター長・教授
辻本哲郎 名古屋大学大学院工学研究科教授
◎ 中川 博次 京都大学名誉教授
道上 正規 鳥取大学名誉教授
森田 朗 東京大学公共政策大学院教授
山田 正 中央大学理工学部教授
◎:座長(予定)
(敬称略、五十音順)
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☆ 朝日新聞 2009年11月21日
脱ダムの治水基準見直し、有識者会議の9人選任 国交相
全国のダム事業の見直しを掲げる前原誠司国土交通相は20日、ダムに頼らない新たな治水基準を検討する有識者会議の委員9人を明らかにした。前原国交相は来年度の予算編成にあたり、所管する56のダム事業について再検証するものと継続するものに分けた上、有識者会議が示す基準をもとに中止する事業を決める方針だ。
委員9人の専門分野は、河川工学のほか森林科学、災害心理学、行政法など。座長には、旧建設省ダム水理研究室長で京大工学部長を務めた中川博次・京大名誉教授(水工学)が就く。前原国交相は「できるだけニュートラル(中立)な方を選ばせていただいた」と述べた。
有識者会議は個別のダム事業を再検証するための評価基準やダムに代わる治水対策の立案手法を来夏までに提示。八ツ場(やんば)ダム(群馬県)を含め、再検証の対象とされた個別のダム事業にあてはめ、最終的に中止するか、継続するかを決める。
地元の知事の判断を尊重するとしてきた87カ所の道府県が進める補助ダムについて、前原国交相は「新しい考え方が定まれば、ぜひこの考え方を検討、採用してもらいたい」とし、来夏以降、見直しを求める可能性に触れた。
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「できるだけニュートラル(中立)な方を選ばせていただいた」・・・・はあああ・・・ニュートラル(中立)とはなんぞや?
10月9日の前原大臣コメントには歓迎表明を出した。
blog 09年10月9日-ダム事業原則凍結-前原大臣コメント
しかし、この「有識者会議」は全く歓迎できない。
人選もさることながら(メンバーについて、いろいろな情報-ほとんどネガティブ情報-は貰った。しかし「人」の評価はいろいろありえるので「○○派が何人」というふうに括る気にはならない)、非公開(傍聴許さず)というのがひどい。
かの(近藤徹氏が仕切っていた)河川整備基本方針検討小委員会でさえ、傍聴はできた。(ただし、まさに「傍聴」だけで発言機会は与えらなかったが)。
皮肉っぽくいえば、国交省河川局は(ラインとしての地整河川部も)、「傍聴くらいはさせても、それ自体はどうってことない」という自信をつけてきていた。今や「非公開の有識者会議」なんて、「いつの時代の遺物だ?」という感じ。
かくも大昔(私が直接知らないほどの昔、1995年河川審答申より前)に「先祖返り」を起こしたのはなぜか? 相当に根深い「何か」を感じる。
ちなみにこの有識者会議に関する「問い合わせ」先になっているのが泊宏氏・・・ううむむむ。
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<問い合わせ> 河川局 河川計画課 河川計画調整室長 泊(とまり) 宏
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1995年暮れに設置された徳山ダム建設事業審議委員会で、「説明役」をほぼ全部こなした人。この徳山ダム審で、私はダム・河川問題の基本知識を得たから、泊氏はいわば私の「恩師」(?!)というわけだ。ダムの是非とかの内容はともかく、河川行政を「公開性・透明性を高め、説明責任を果たしていく」という方向にもっていこうと努力していることに嘘偽りはなかった、と今でも思っている。(※)
その泊宏氏が責任者で、密室会議を行い、結局は今の「143事業」の大部分を進めてしまう意見-答申-になってしまう ・・・・ どういう因果か、どんな力が働いているのか。
(このまま推移すれば、総論はそこそこに結構ながら、「これまでに河川行政を基本的に追認する」ことで、各論ではいくらでもダム事業が進められてしまうような意見-答申-になるだろう)
※ 淀川水系流域委員会「一般からのご意見」1180に載せて貰った上総周平・近畿地整局長への「手紙」もそういう文脈の中にある。
私は、意外にも(?!)河川官僚さん達に一種の「期待」をし続けてきているようだ。
裏切られても、裏切られてもなお・・・・(未練たらしい?)
「負けたというまでは負けていない」「私は諦めない」
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11月下旬になって咲く茄子の花。これも「諦めない」意地だけのクチか。