長良川河口堰直下流に関する疑問 |

長良川河口堰も「ダム等管理フォローアップ」の対象となっています。
直近ではH19年度に中部地方ダム等管理フォローアップ委員会に「管理状況報告」という分厚い資料が出されています。
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/dam_followup/index.htm
(このための調査及び資料づくりはしっかりと管理費から支出されています。岐阜県もその分の「直轄負担金」を払っています)
でも中部地整及び水資源機構のHPには載っていません(※)。情報公開室で閲覧できるけどコピー機がない(中部地整も水資源機構中部支社も)。
「デジカメで撮る」ことを期待(?)されているらしいですが、私のケイタイのデジカメでは文字を判読することはできません。
※ 岐阜県の「長良川河口堰調査検討会」
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11652/kakouzeki/kakouind.htm
平成19年度長良川河口堰調査検討会(第14回 平成20年2月14日開催)
の資料中に
2:平成21年度中部地方ダム等管理フォローアップ委員会年次報告(平成20年次)について
http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s11652/kakouzeki/pdf-h21/h21jigyousya-2nenjihoukoku.pdf
というのがあって、一部は見られます。
今回、長良川河口堰の直下流に関心をもって閲覧したのですが、以下疑問2つ。
1.長良川河口堰下の河床高

音響測深というやり方で河床の経年変化を調べてグラフ化しています。
上の写真は20箇所くらいある測定地点のうちの一部のもの。
このグラフの他に堰直下流(河口から3.0km、4.0km5.0km/長良川河口堰は河口から5.4kmに位置します)の横断面図(経年変化)もあります。
H10年に比べてH18年では50cm~100cm位上昇しています。木曽川下流河川事務所に電話で訊くと「20cm程度の上昇」というのだけど上記の岐阜県「長良川河口堰調査検討会」資料でも5.0km、4.0kmでははっきりと河床高の上昇が見られます。
堰上流についても1kmピッチで横断面図(経年変化)が載っていますが、堰上流ではあまり大きな上昇は見られません。
堰直下流の河床高上昇の理由・原因は何でしょうか?
偶然か必然か、この辺りにヘドロが堆積しています。
2.底層の塩化物イオン濃度
「シラベール・イーナちゃん」「シラベール・ジョーくん」(この命名!報告書には外見写真もありましたがHPでは見あたらず)のデータによると堰下流部の底層の塩化物イオン濃度は、大体10000~15000(mg/L)です。
長良川河口堰直下流には(幸か不幸か!)、ヤマトシジミはいなくなってしまっています。長良川河口堰建設前の漁協との補償交渉で、堰上流は淡水化するから消滅補償するが、下流部は浚渫場所だけ影響を受けるから、という一部補償でした。でも実際は河口堰下流の「好漁場」であった場所のヤマトシジミは壊滅。全く生息していません。だから「塩化物イオン濃度が高くても、別にぃ・・・」ということになるのでしょうかしら。
「11600(mg/L)を越えるとヤマトシジミが危ない-大量斃死する-」というのが木曽川水系連絡導水路によって異常渇水時に緊急水補給をしなくてはならない重要な「理由」になっています。
でも長良川河口堰直下流(シラベール・ジョーくん/揖斐川-0.5kmも含め)では、ほとんど常に11600(mg/L)を越えている・・・とすると、長良川河口堰から下流に向かってもっと淡水の補給量を増やすべき、ということになりませんかね、消滅補償はしなかったヤマトシジミの生息を維持するために。
参考1:中部地方整備局河川部HP
【「長良川の魚類の生息及び木曽川のヤマトシジミに関する公開質問状」のご質問に対する回答について】
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/090807shitsumonkaitou.pdf
→【公開質問状の内容はこちら】
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/090515shitsumon.pdf
参考2:中部地整木曽川下流河川事務所HPより
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisokaryu/gakusyu/kankyou.html
木曽三川の環境
(ヨシ原の再生と人工干潟についての宣伝。ダムや河口堰で壊しておいて人工的に「再生」する・・・・これぞ永続的に公共事業を生み出す素晴らしい仕組み!)
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