「あふれさせる治水」(?)/ 総合治水・流域治水の施策と実績 |
これは、5月7日に本省治水課の担当補佐から貰ったものです・・・がよく見えなかったので、そう言ったら、改めてPDFファイルで送ってくれました(親切!)
これは以下の説明文書についていたものです。
【土地利用一体型水防災事業の経緯】
この説明文書は、某議員事務所に依頼して、「総合治水・流域治水」に関するこれまでの施策とそのの実績につき資料請求をした資料
【「流域治水」等の事業実施の実績について】(8枚)
この補充なのですが、まだまだ「よく分からないことだらけ」なので、再度質問しています。質問の仕方が悪いのか?治水課に蓄積がないのか?
担当補佐は一生懸命やって下さっているのですが・・・・
こんな資料をしつこく請求している問題意識には、徳山ダム-揖斐川の治水と地元の荒崎水害の関係(無関係)が大きいのですが、本省治水課に断続的に問い合わせをかけるようになったのは、06年8月13日付けの朝日新聞一面トップ記事の所為です。
「あふれさせる治水 堤防・ダムだけを転換 公共事業費減で国交省 住宅地周囲に堤」
その記事では国交省は「洪水氾濫域減災対策制度」(仮称)を来年度から創設、次の通常国会で関連新法の制定をめざすとの内容でした。
んでもって06年の秋の間ずっと本省治水課に波状的に問い合わせをかけていました。
結局これは06年暮れに「H19年度の予算制度」として下のものが入っただけ(竜頭蛇尾)に終わりました。
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『洪水氾濫域減災対策事業の創設(総合流域防災事業の拡充)』
1.目的
土地利用状況に応じ、治水安全度が低い地域において、従来の「洪水を川から氾濫させない対策」に加え、市町村が輪中堤や二線堤などの洪水氾濫拡大防止施設を整備し、氾濫した場合でも被害を最小化させることを目的とする。
2.内容
一級河川又は二級河川において、洪水氾濫が想定される地域の輪中堤や二線堤などの洪水氾濫拡大防止施設の整備を市町村が実施。
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しかしそれにしても、上の【「流域治水」等の事業実施の実績について】(8枚)資料には、この制度の名称も「ない」。
そして昨日貰った【土地利用一体型水防災事業の経緯】には都市河川における流域対策について触れられていません。
情報が”あっちの断片、こっちの断片”で、なかなかまとめて貰えません(「断片」としてはすでに知っているものが多い)。
でもってもう一度「『山間狭隘地区の治水対策』の流れでは、話が半分、あるいはそれ以下ではないでしょうか?有名な鳴瀬川(吉田川)二線堤の施策も位置付かないように思いますが?)」と再質問をかけているところです。
今年の、1月10日付け朝日新聞 オピニオン「ダムやめて 治水どうする」という記事中で、高橋裕・東京大学名誉教授は「ダムの効果が及ばない特定の都市の中小河川に限定されていました」「総合治水という考え方は孤立しています」と詠嘆しておいででした。
私も「流域治水の先進例」として1990年代に鶴見川のことをしつこく聞かされているので、これが位置付かない「整理」では、何とも中途半端で落ち着きません。
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」ではダムに頼らない治水対策を幅広く検討するはず。「第8回」の配付資料にも「流域治水」とあるから、この観点(河道からあふれることも想定した施策)について、すでに網羅的な資料も作成していると思ったのだけど????