稚アユ臨時放流-遡上不良で |
5月29日の中日新聞岐阜県版

http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20100529/CK2010052902000015.html
稚アユ1600キロ臨時放流 長良川中央漁協

6月1日の解禁を前に長良川中央漁協(美濃市曽代)は28日、天然アユの遡上(そじょう)状況が思わしくないため、釣り人の不安を取り除こうと美濃、関両市内の長良川と板取川、武儀川、津保川で、稚アユ1600キロを臨時に放流した。遡上不良による放流は初めてという。
美濃市笠神の長良川では組合員5人ほどが作業。30グラム程度の稚アユをパイプで流し入れた。
岐阜市中央卸売市場によると、天然アユの入荷は現在も例年より少ない状況が続いている。
独立行政法人水資源機構・長良川河口堰(ぜき)管理所のデータでは、2月16日~5月27日の遡上数は40万9894匹。
丹羽賢一環境課長は「4月までは少なかったが、5月以降は増えている。遡上数は年により7万~270万と幅が大きく、比較は難しい」と話した。 (柴田久美子)
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いくつかの感想や疑問をもった。
① こうせざるを得なかったのは「遡上不良」だ、ということであり、コメントも長良川河口堰管理所の環境課長から出ている。
つまり、どういう立場からみても長良川河口堰の存在が『問題』なのだ、ということではないか?
これについては、「遡上数をカウントしているのが長良川河口堰管理所だから」という答えが返ってくるのだろう。
<参照>
長良川河口堰管理所HP 「遡上速報」
http://www.gix.or.jp/~naga02/nagara/japanese/indexj.htm
② 「天然アユの遡上(そじょう)状況が思わしくない」から追加放流する・・・まさに「とりあえずの対策」なのだろうが、こういうことで良いのだろうか?
傷を負った患者を前に、その傷の原因も状態も確かめずに「とりあえずの緊急対応」でバンソウコウで傷口にフタをする類ではないか? 下手をするとかえって傷が悪化するかもしれない。
③ 「釣り人の不安を取り除こうと」
実際に元気なアユが増えるかどうか、ではなく、遊漁券の売り上げの減少という「不安を取り除く」ということだろうか?
それとも「豊かな海づくり大会」のときだけ、(実は貧しい長良川になってしまったのに)、それを糊塗するための小手先の対応か?
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やはり、長良川河口堰の『問題』をしっかり検証するためにも、速やかに試験開放に向けて行政は動き出すべきだ。