市民による「豊かな海づくり大会」-1 |
6月5日の第一日目につき、岐阜新聞・中日新聞・毎日新聞・読売新聞・朝日新聞に載りました。とりあえず、報道のみをアップします。

岐阜新聞 2010年06月06日09:10
河口堰による環境変化訴え 市民グループがシンポ
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100606/201006060910_10854.shtml
長良川河口堰(ぜき)が河川環境に与える影響を考える「市民による『豊かな海づくり大会』」が5日から2日間の日程で、岐阜市長良福光の長良川国際会議場一帯で始まった。この日は講演とシンポジウムがあり、約180人が出席。荒廃した山や川の現状、河口堰が及ぼしている環境変化が紹介され、河口堰の開放を求める菅直人新首相あての要請文を採択した。
大会は、環境保全活動などに取り組む岐阜、愛知両県の市民グループが実行委員会を組織して主催。シンポジウムは「豊かな川から豊かな海へ」をテーマとし、粕谷志郎岐阜大学教授がコーディネーターを務めた。
パネリストとして登壇した林業者の小森胤樹さん(郡上市)は「山の現状に目を向けて。林業がなりわいとして成り立つ政策を望みたい」と山の窮状を語った。
郷土文化の保存活動に取り組む平田勝高さん(関市)は鵜の生態を説明。釣り師の松山覚さん(郡上市)と川魚つくだ煮製造販売の野田卓志さん(関市)が「長良川河口堰が運用されて魚が捕れなくなった」と環境変化を指摘し、羽島市の川漁師大橋亮一さんはビデオ出演で「河口堰を開放し、豊かな長良川を取り戻して」と訴えた。
伊勢・三河湾流域ネットワーク共同代表の高山進さんは「行政の縦割りを解消し、流域ごとに意見を吸い上げる仕組みが必要」と上下流連携の必要性を強調した。
6日は同市の長良川で川下りや魚釣り、水辺観察会などが行われる。

中日新聞(岐阜) 2010年6月6日

水環境考える討論 市民による「豊かな海づくり」
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20100606/CK2010060602000015.html
【写真】「市民による『豊かな海づくり大会』」のパネル討論=岐阜市の長良川国際会議場で
全国豊かな海づくり大会(12、13日)を前に、水環境を考える「市民による『豊かな海づくり大会』」が5日、岐阜市の長良川国際会議場で始まった。
東海3県で環境保全などに取り組む市民団体が企画。2日間の日程で初日は向井貴彦岐阜大准教授と山内克典岐阜大名誉教授による講演と、釣り師や森林、川の保全活動をしている人らによるパネル討論があった。
向井准教授は「川と海を分断する長良川河口堰(ぜき)は、汽水域を消滅させてシラウオなどの生息場所をなくし、スズキやマハゼの育つ場所も奪っている」などと指摘。山内名誉教授も「河口堰は自然の多様性を低下させた。ゲートを開ければ、長良川の豊かな自然は再生する」と訴えた。
シンポジウムでも、現状を憂う声が相次いだ。郡上市で生まれ育った釣り師の松山覚さんは「子どものころ手づかみしていたアマゴも姿を消した。昔の風景を次世代に残してあげたい」。市民団体「伊勢・三河湾流域ネットワーク」共同代表の高山進さんは「日本の政策は川と森、農地が関係を持たず縦割りだった。ボトムアップ型の政策が大切」と話した。
最後に菅直人新首相あてで、長良川河口堰の即時試験開放を求める要請アピールを採択した。
6日は午前9時半から、同市の長良川公園で魚釣りや水辺観察会などを予定している。 (中崎裕)
毎日新聞(岐阜) 6月6日
市民大会:豊かな海へ議論 岐阜で180人 /岐阜
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20100606ddlk21040010000c.html
第30回全国豊かな海づくり大会(12、13日)を前に、長良川河口堰(かこうぜき)のゲート開放を求める市民グループ主催の「市民による『豊かな海づくり大会』」が5日、岐阜市の長良川国際会議場で開かれた。約180人が参加し、長良川流域の環境問題などについて意見を交わした。
午前中は岐阜大の魚類生態学者と動物生態学者の2人が講演。午後からは「豊かな川から豊かな海へ」をテーマにしたシンポジウムがあり、粕谷志郎・岐阜大地域科学部教授がコーディネーター、長良川流域の住民ら5人がパネリストを務めた。
パネリストの一人の林業、小森胤樹さん(39)は、大阪府吹田市から郡上市へ移住して8年目。「日本の林業を守るには、山間部に住む林業従事者が山を守っていく仕組みを作ることが大事。都市圏のNPOに間伐してもらっても100年、200年と続かない。国は林業に補助金をつけるより、日本の材木が世界で評価される施策を考えてほしい」と持論を語った。
また、釣りが趣味の郡上市の松山覚さん(57)は「私たちが幼いころはテレビゲームはなく、ヘビや魚を捕まえて遊んだ。今は魚を触れない子どもが増えている。もっと親も子どもたちも自然に興味を持って川に親しんでほしい」などと現代の社会生活の見直しを求めた。
会場では、羽島市小熊町の漁師、大橋亮一さん(75)の近況もビデオで映写された。「河口堰ができてからだんだん漁ができんようになった。魚の遡上(そじょう)は変わらんようだけど、川床が汚れているから魚が成長しない。やっぱり自然が一番ええ」などと素朴な語り口に、参加者たちから大きな拍手が起きた。
6日はラフティングによる長良川下りや長良川の歴史と文化を訪ねるまち巡り、長良橋近くで「親と子の水辺観察会」などをして、長良川の恩恵を改めて考える。【立松勝】
読売新聞 2010年6月6日
長良川河口堰「開放を」市民ら大会 新首相にアピール文
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20100605-OYT8T00750.htm
長良川河口堰(ぜき)の開放を求める「市民による『豊かな海づくり』大会」が5日、岐阜市の長良川国際会議場で開かれ、市民ら約150人が参加した。
岐阜大学の向井貴彦准教授(魚類生態学)が講演し、県内に生息する在来種の魚81種のうち、31種が絶滅の恐れがあることを説明。向井准教授は、生物の多様性について、「山々が育む豊かな清流、河川の水とわき水に支えられた水田地帯、潮の満ち引きによって生じる汽水域の三つが重要」と指摘した。
山内克典・同大名誉教授(動物生態学)は、河口堰運用後、8年間で約90%のヨシ原が死滅、下流部川床のヘドロ化の原因となったことを報告した。
その後、大会呼びかけ人の粕谷志郎・同大教授(生物学)がコーディネーターを務め、林業家や釣り師らによるシンポジウムを開いた。また、菅新首相に送る「速やかに長良川河口堰の試験開放を求める」というアピール文をまとめた。
6日は同市内の長良川で川下りや、親と子の水辺観察会などのイベントを開く。