市民による「豊かな海づくり大会」-5 |
お断り:この記事(市民による「豊かな海づくり大会」)5~8までの写真は、ほとんどMakiさん撮影のものです。ブログに使用させて頂くことを許して下さったMakiさんに感謝!
水辺観察会(1)
私自身が参加したのは「水辺観察会」でした。
川の中(岸辺)にどんな生き物がいるのか、タモで採取して調べます。
足で感じたこと・・・水面と水底では水温が違う、ほんの少し場所が離れれば水温が違う。そんなに敏感とも思えない私の足の感覚でしっかり感じるのだから、生き物にとって3℃水温差(導水路計画の取水口・西平ダム地点と放流口・古津地点での確実な水温差)は大きな影響があるだろう、とリアルに実感。すぐに死ぬとかでなくても、本来の挙動とは異ってしまう(ex.繁殖をしなくなる)は、大いにありうると感じました。
岸辺近くはヌルヌルとして滑りやすい(尻餅をつきました)。30年前にこの数十m上流(長良橋直上流)の遊泳場で泳いだときは、こんな感じではなかったよなぁ・・・と記憶をたぐりました。私は、岐阜で生まれ育った方の思い出の「昔の長良川」は知りませんが、ここ30年にも大きな変化があっったことは実感します。

はじめに、この日の観察会の指導にあったた名古屋市水辺研究会の國村さんが、「何をするのか」と注意事項の説明をして下さいました。

まず岸辺の石をとってひっくり返したり、タモで泳いでいる生き物を掬ったり。
石の下には水棲昆虫がいたり、魚の卵があったりしました。泳ぐ生き物をタモで掬うのはなかなか難しい。
夢中で生き物採取をした子ども達もいれば、私のように途中でフラフラと出かけてしまった不真面目なのも(言い訳:のぼり落ち漁の仕掛けがあることに気づいてしまったので)。

1時間超採取したところで「まとめ」。

まとめで確認できた生き物 ↓

いくつかの言葉や生き物についての注釈:
☆ 水質階級 指標種
環境省トップ>>水環境>>水生生物調査>>川の生き物を調べよう
http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/mizu/suisei/chosa/ikimono/files/slide0001.htm
国交省のHPでは以下
http://www.mlit.go.jp/river/press_blog/past_press/press/9907_12/990714c.html
きれいな水(水質階級Ⅰ)/少しきたない水(水質階級ⅡI)/
きたない水(水質階級ⅢI)/大変きたない水(水質階級IV)
「Ⅱ 少しきたない水」というのは「結構きれいな水」ということでもあり、人が暮らしている場所の水辺としては”きれいなほうだ”と言っても良いでしょう。
カワゲラ【Ⅰ】 ヒラタカゲロウ【Ⅰ】
コガタシマトビゲラ【Ⅱ】 ヒラタドロムシ【Ⅱ】 カワニナ【Ⅱ】 コオニヤンマ【Ⅱ】
(カワニナ=軟体動物門腹足綱カワニナ科の巻き貝。ホタルの餌となる)
「長良川はもはや清流とはいえない」と嘆く人も多いのですが、いつも名古屋の川を調べている國村さんからすれば「長良川(岐阜市内)は随分きれいだ、と感じる」そうです。
他方、「Ⅳ 大変きたない水」に棲むエラミミズも採取できました。
さまざまな要因が重なれば、他都市に住民に「きれいだ」と言って貰える長良川が「大変きたない水」の川に変わってしまうかもしれません。
生態系を攪乱し、長良川を危機にさらす木曽川水系連絡導水路。
長良川に徳山ダムの水は要らない!
ちなみに「水質階級 指標種」は、1980年代に建設省(当時)と環境庁(当時)が共同して定めたもので、何度かの改訂を経て、今HPに上がっているもの(子ども用の下敷きになっているもの)は2005年に改訂されたものです。専門家からはいろいろ言われているそうで、そう遠くないうちにまた改訂されるでしょう。
徳山ダムの水を導水路を通して長良川に流すことで河川環境を改善する、という大きなお世話をしてくれる国土交通省。「木曽川水系連絡導水路・上流分割案」について説明責任を果たさねばならない中部地整河川部河川環境課の導水路事業者は、この言葉すらもご存じない(繰り返しますが、国交省と環境省が共同で「水質階級 指標種」を決めているのです)。
この項続く