岐阜新聞連載企画「ぎふ海流」のまとめ的座談会 |
6月16日の岐阜新聞に結構大きく載ったらしい。
岐阜新聞「ぎふ 海流」
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/2010/gifu_kairyu/ 「ぎふ海流」を終えて
この座談会のコーディネーターの富樫幸一岐阜大教授からURLを教えられて知った。
多分、私がごちゃごちゃコメントをしないほうが良いだろう。
URLを教えてくれた富樫さんからのメールに「なぜかアラサーが,70代以上の話ばかり聞いていたんで,どうしてかな?と話題になってました.川と人の繋がりがちょうど,変わったところで
いったん,途切れてしまったんでしょうかね.」とあった。60代の私は「途切れ(させ)た世代」そのものである-ちょっと「痛い」。
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写真=地域と環境について語る(右から)北村隆幸さん、蒲勇介さん、杉山貴紀さん、水野馨生里さん、小森胤樹さんと、コーディネーターの富樫幸一岐阜大教授=岐阜市長良
流域の魅力を再確認 住民の手で未来築く
「ぎふ海流」を終えて 流域の若者たち長良川河畔座談会
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/feature_article/sp20100616_1.shtml
座談会出席者
コーディネーター 富樫 幸一さん(岐阜市・岐阜大学教授)
小森 胤樹さん(郡上市・林業従事者)
北村 隆幸さん(関市・せき・まちづくりNPOぶうめらん代表理事)
杉山 貴紀さん(岐阜市・旅館役員)
蒲 勇介さん(岐阜市・ORGANデザイン室主宰)
水野馨生里さん(岐阜市・石徹白地区地域づくり協議会)
☆ 北村さん 暮らしに根付く川
きたむら・たかゆきさん NPO法人「せき・まちづくりNPOぶうめらん」代表理事。名古屋大学大学院国際開発研究科修了。名古屋市のNPO支援センター勤務を経て07年同NPO法人設立。フリーマガジン「ぶうめらん」を市民ボランティアスタッフ約40人とともに隔月発行するなどまちづくり活動。市民活動センター運営受託も。30歳。関市出身、在住。
☆ 本能的に鵜飼の子 杉山さん
すぎやま・たかのりさん 旅館「鵜匠の家すぎ山」専務。中学時代まで岐阜市で育ち、米・ネバダ大学ラスベガス校高校、大学に進学。祖母の死で、家業を継ぐため02年に大学中退、帰国、家業の旅館に入社。03年に常務、05年から現職。鵜匠の家系の旅館を経営する傍ら長良川の伝統漁である鵜飼の継承に取り組み、船頭見習いに挑む。31歳。岐阜市出身、在住。
☆ 小森さん 山村をどう守るのか
こもり・つぐきさん 林業従事者。関西大学大学院卒。試薬メーカー勤務を経て、02年に林業を志し、郡上市八幡町へ移住、大原林産(郡上市)へ転職。林業現場で技術を学ぶ一方、日本の森林の現状と山村の存続を憂いて、地元材割りばしの地域での流通や多少の収入になる“ちょこっと林業”などを模索し、情報発信している。39歳。大阪府吹田市出身。郡上市在住。
☆ 蒲さん 普通の人が集う場を
かば・ゆうすけさん デザイナー。国立九州芸術工科大学卒。地方がおとしめられ、ファストフード化していくことに危機感を感じて帰郷し、03年から岐阜市のNPO法人G―net副代表理事。05年退職、ORGANデザイン室主宰。仲間とともに地域づくりに取り組む。日本山村会議美濃郡上事務局、和良おこし会議事務局などを担当。30歳。郡上市出身、岐阜市在住。
☆ 消費社会、幸せなのか 水野さん
みずの・かおりさん NPO法人「石徹白地区地域づくり協議会」。慶応大学総合政策学部卒。自転車で50分かけて高校に通った長良川沿いが原風景で、伝統工芸の水うちわ復活に職人やまちづくり団体と尽力。自然に寄り添う暮らしが残る郡上市白鳥町石徹白へ移住準備中。著書に「水うちわをめぐる旅」「ほんがら松明復活」。28歳。岐阜市出身、在住。
★ 富樫幸一(とがし・こういち)さん 岐阜大学地域科学部教授(地理学)。東京大学大学院理学系研究科博士課程単位取得退学。岐阜市金華地区などのまちづくりや長良川市民学習会にもかかわる。共著に「人口減少時代の地方都市再生」(古今書院)、「古今金華」(ぎふまちづくりセンター)など。長良川を越えて自転車通勤。53歳。山形県酒田市出身。岐阜市在住。
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流域再生、次代が担う山も川も海も、厳しい現状 「自然と暮らす」価値見直す
http://www.gifu-np.co.jp/tokusyu/2010/gifu_kairyu/11/gifu_kairyu11_1.shtml
写真=長良川の河原で川への思いを巡らす(右から)蒲勇介さん、北村隆幸さん、水野馨生里さん、杉山貴紀さん、小森胤樹さん=岐阜市長良
第30回の節目となる全国豊かな海づくり大会は今年、史上初めて海なし県の長良川という河川会場で開催。漁業振興だけでなく環境保全の大切さを全国に発信した。本紙ではこれを、閉塞感が漂う旧来の社会から新たな価値観に基づく新しい時代への潮目ととらえ、山、川、海がつながる豊かな環境の保全と、それを担う地域再生の動きを流域に追った本連載企画を約半年間にわたり掲載してきた。
取材を進めると、山も川も海も、現状は予想以上に深刻だった。しかし、流域のそこここで疲弊した地域を再生しようという新しい動きを見た。豊かな環境を取り戻すことと、流域の各地域が今後も存続し、人々が豊かに暮らしていけることとは切り離せない。その主体は、流域に住む私たち自身と知った。
取材に協力していただいた方、情報や意見をいただいた方、読者に感謝しながら、岐阜市の長良川河畔で先日行った流域の若者たちの座談会「流域への思い、まちの未来」をもって締めくくりとしたい。
以下は、コーディネーターの富樫幸一岐阜大地域科学部教授の寄稿「座談会を振り返って」。
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長良川の流域には、河口堰(ぜき)の運動などをきっかけに郡上に住み着いた人もいる。和紙や水うちわ、林業など伝統的な産業の再生にかかわったり、エコツーリズムの受け入れに携わっているNPOもある。地域の資源の見直しや発掘を、フリーペーパーやブログなどのメディアを通じて行っている人たちもいる。地元の人たちとのつながりをつくりながら、新しい担い手が現れているのは心強い。
しかし、林業でも鵜飼などの観光でも、仕事や生活を維持していく難しさに向き合わなければならないことも、率直に語られた。第30回全国豊かな海づくり大会に先立って岐阜市で開催された市民による海づくり大会でも、この流域がかつて誇っていた林業、漁業や釣り、食品業にも、長良川の状況の変化が影を落としていることが語られた。河口堰の問題だけではなく、上流域での開発や山林の変化が、中下流域だけではなく、伊勢湾にまで影響を及ぼしている。
(以下略)
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