『無』識者会議? 中間とりまとめ案了承 |
7月13日の第11回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」で”中間とりまとめ案”を了承したそうである。
「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」サイト
http://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/tisuinoarikata/index.html
出すことになった”中間とりまとめ-判断基準案”の中身はほぼ「配付資料」通りだそうで、つまりは「事務方=官僚の作文」を了承した、ということだ。つまりは昔から問題になっっている「審議会等」(=委員はイスに座って頭は居眠りか休憩の状態。それでも結構な謝礼が払われる)そのもので、民主党の国交大臣がわざわざ「非公開」のこの手のものを設置したことそのものが鼻白む。
第11回「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」配布資料
http://www6.river.go.jp/riverhp_viewer/entry/y2010eca85086f44bd575ce95065a80dde5a9f0236b785.html
7月14日中日新聞朝刊

非公開の会議だが、会議後の記者会見はある。そこに出ていたフリージャーナリストの話などによると、 上の中日新聞の見出し(「コスト重視し治水対策」)とか
コスト最重視で治水代替策/国交省、来夏にもダム是非判断(四国新聞)
ダムに代わる治水、コストで判断 国交省が基準案(秋田魁新報)
が内容に合っているようである。
毎日新聞の
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20100714ddm002010061000c.html
国交省有識者会議:「脱ダム」強く求める 治水検証手順案を了承
という見出しや
朝日新聞の
http://www.asahi.com/national/update/0713/TKY201007130509.html
ダム頼みの治水見直し、流域で対策を 有識者会議が提言
という見出しは、読者をミスリードするように感じる。
朝日新聞は少なくとも名古屋本社版では、この全体見出しのイメージを修正する関連記事を載せている。
「ダム検証 実効性 疑問の声」
ここに私のコメントもとられている。
ひと続きで知り合いのコメントも載っているので抜き出すと
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しかし、すでに完成した揖斐川の徳山ダムの水を長良川、木曽川に引く導水路事業の場合、ほかの方法は考えにくい。事業に反対してきた市民グループ「長良川市民学習会」の近藤ゆり子さんは 「これでは事業をずるずる続けるための検証になってしまう」と話す。
設楽ダムの建設に反対し、立ち木トラストなどを展開する愛知県設楽町の元教員、伊奈紘さんも「前原国交相はダムをやめる気がいまもあるのか。最初は期待していたが、事業者がきちんと検証できるはずがない」と疑問視する。
ダム事業に詳しい在間正史弁護士(愛知県弁護士会)は「治水のあり方を検討する有識者会議が、利水などほかの目的もあるダムの検証方法を提案したこと自体、おかしい」と話す。過大さが指摘されている水需要予測や河川環境維持に必要な流量の検証の指示が、今回の提言では不十分だと指摘する。
(中略)
従来と変わりない
今本博健・京大名誉教授(河川工学)の話
従来の枠組みから進歩があるとはみえない。ダム建設では、河川の拡幅などダム以外の治水対策と比較したうえで、建設を決めてきている。これまでのダム以外の治水対策は単に形式を整えるためだけのものが大半だが、今回、その反省があるのかといえばそうでもない。ダムかダム以外の対策を選ぶための検証も、ダム推進派の多い首長が中心に進めるとなれば、変化がないだろう。
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実は、私はこのコメント取り電話には、まずは「こんなものにコメントしたくもない、他の人にあたって下さい」と言った。ただ生来のお喋りゆえ、この「有識者会議/中間とりまとめ」なるものについてコメントしたくない理由をババっと喋った・・・・「有識者会議が作られた経緯(非公開であることも含め)は最低。会議の中身は無さ過ぎる(「『無』識者会議」だろ、あれでは)。事務方が用意した資料は1990年代半ばの域を一歩も出てない。こんなものにコメントもしたくない、無視」。これを喋っている中に「前原国交相が、本来この『有識者会議』の議論対象にならないはずの木曽川水系連絡導水路事業まで対象にしたために、本当はいちはやく正式中止となるべき導水路『事業をずるずる続けるための検証になってしま』っている」と。
さて「コスト重視」で検証するとなればどうなるか?
「コスト」を算出するのは、行政(それぞれの事業者)である。市民側が、堤防の脆弱さとその補強費用などというものまで積み上げられるはずがない。
つまりは「コスト」は行政の「お手盛り」で算出される…要するに「ダムをどうするか」は「事業者(行政)の胸先三寸」ということである。
今本氏がおっしゃっている通り「従来と変わりない」。
ダムについても「大山鳴動、グルッと回って元(自公政権時代)に戻る」なのか?
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7月15日、通り道に咲いていたムクゲの花。
私は、「木槿」という文字より「無窮花」という文字を充てる方が好きだ。
