報告書学習会と国交大臣・環境大臣宛要請-1 |
長良川下流域生物相調査団(最終)報告書と学習会
http://tokuyamad.exblog.jp/14112906/
「長良川河口堰 -失われた生態系と回復へのシナリオ 報告とシンポジウム」にご参加を
http://tokuyamad.exblog.jp/14225442/
の続きみたいなものです。
7月26日の
運用満15年 長良川河口堰
-失われた生態系と回復へのシナリオ
報告とシンポジウム
は、約100名の参加者で、盛況のうちに終えることができました。
7月23日には事前告知記事がありました。
☆岐阜新聞 2010年07月23日
「長良川調査団」解散へ 河口堰による環境変化予測20年
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20100723/201007230910_11235.shtml
1990(平成2)年から長良川河口堰(ぜき)の建設、運用による自然環境の変化を予測、調査してきた長良川下流域生物相調査団(団長・山内克典岐阜大学名誉教授)は26日午後6時30分から、調査報告会と解散式を岐阜市橋本町のハートフルスクエアーGで開き、20年にわたる活動に幕を下ろす。
調査報告会は、長良川河口堰のゲート開放を求めている岐阜、愛知両県の市民団体などが主催する。
長良川下流域生物相調査団は、90年に大学教授、獣医師、建築士ら51人で結成。呼び掛け人は、元高校教諭の伊東祐朔さん(71)=恵那市飯地町=。伊東さんは「建設前に、国に環境アセスメント(環境影響評価)の作成を要望したら拒否されたので、自分たちで調査を始めたのが結成のきっかけ」と振り返る。
河口堰建設をめぐる環境論争は公共事業の進め方を見直すきっかけとなり、運用開始から15年で調査団の予測はほとんどが的中したという。環境アセスメントの実施は現在、法律で義務付けられている。
調査報告会では、運用後15年間に調査した予測結果15項目をまとめた報告書を配布する。報告書はA4判、143ページで、内容は▽ヨシ原の死滅▽回遊魚(鮎、サツキマス)の現況▽シジミ類の生息への影響▽河口堰下流のヘドロのたい積と底生動物の変化―など。
調査団解散の理由について山内名誉教授は「河口堰による影響が出尽くし、ある程度満足できる調査結果を得られたため。一方で、長良川の自然が破壊されたことは残念でならない」と話し、伊東さんは「より多くの人に長良川に関心を持ってもらいたい」と報告会への来場を呼び掛けている。
調査報告会の問い合わせは長良川市民学習会武藤仁さん、電話090(1284)1288。報告書についての問い合わせは岐阜大学向井貴彦准教授研究室、電話058(293)3027。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
この記事で気づいて下さった方がいます。
なお、残部に限りがある「長良川下流域生物相調査報告書2010」は、「PDFが下記ページでダウンロードできます」と実質の事務局担当をしている向井貴彦さんからURLを頂いています。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
長良川下流域生物相調査報告書2010
については,PDFが下記ページでダウンロードできます.
http://homepage2.nifty.com/PhD-mukai/nagara/
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
URLは送料も梱包の手間もかかりません。
是非広げて下さい。
27日付の紙面
★岐阜新聞
★朝日新聞岐阜県版(2010年07月29日)
「河口堰、環境に悪影響」調査団が結論
http://mytown.asahi.com/gifu/news.php?k_id=22000001007290004
長良川河口堰(か・こう・ぜき)が生物や環境に与える影響を調査してきた「長良川下流域生物相調査団」は、1995年の河口堰運用開始から現在までの調査結果をまとめ、最終報告書として発表した。ヨシの激減や生息する魚の種類の変化など、堰が長良川の動植物に悪影響を与えていると結論づけている。今回の報告書の発表をもって調査団は解散した。(久土地亮)
調査団は90年、岐阜大学の山内克典・現名誉教授を団長に、51人の科学者らが集まり発足した。魚類や昆虫、植物など7分野で班ごとに調査を重ね、堰の運用が始まる直前の94年、最初の調査報告書を発表。運用が始まった後も観察を継続していた。
「河口堰運用15年後の長良川」と題された最終報告書は、14編の報告で構成されている。
ヨシについての報告によると、2005年の現地調査や空中写真の分析から、運用開始後から7年間で水につかる区域のヨシは約9割が消失し、現在も減りつつある。
原因としては、堰の建設で、ヨシの根もとに巣穴を作っていたカニ類などがいなくなったため、巣穴を通じた酸素の供給がなくなり、「根腐れ」を起こした可能性を指摘している。
国などは、ヨシを復活させるため、各所で植栽をした。しかし、調査団が現地を調べたところ、ヨシを植えたはずの中州は、セイタカアワダチソウやオギにおおわれていたという。
さらに、堰の建設で、淡水と海水が混じり合う汽水域がなくなったことにより、生息する魚類の種類が大幅に変わったことや、すでに報告されているヤマトシジミに加え、マシジミも大きく数を減らしていることなどを指摘している。
26日、報告書の発表に合わせて岐阜市でシンポジウムも開かれ、河口堰ゲートの試験開放の必要性や、開放した場合に起こると国土交通省が主張している塩害の程度について検証。粕谷志郎・岐阜大教授は「河口堰が『百害あって一利なし』の施設であることが、今回の報告書で科学的に実証された」と話した。
調査団は活動を終えたが、調査に携わった科学者や自然保護団体などは、引き続き国に試験開放を求めていく方針だ。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
この項続く。
◇ ◇