キャンプ下見と徳山ダム堤体内部見学-1 |
8月21-22日に行う「恒例:徳山村キャンプ」の下見に8月3日を設定した。
昨年から「是非見学したい」と願っていたので、「堤体内部見学(案内)をお願いできませんか?」と水資源機構徳山ダム管理所及び水資源機構中部支社に頼んだところ、引き受けて下さった。
「元の趣旨はキャンプの下見ですけど、徳山堤体内部の見学ができます。ご希望の方は・・・」とメーリングリストなどで案内したところ、実に13名もの参加となった。
(エレベーターに一度に乗れる人数が20名だそうだから、「ちょうどいい」数)
今は、中部電力(株)による「徳山水力発電所新設工事」中だ(工期2009年10月 ~ 2014年6月)。
徳山発電所は最大出力15万3000kW…2004年の工事実施計画変更で、最大出力42万2400kWの揚水発電計画が消え、2007年にはもともとの事業者であるJパワー(電源開発(株))の権利のすべてを、中部電力(株)が取得した。
これに関して「言いたいこと」がヤマとあるが、別の機会に。
工事現場と徳山ダムの位置関係などは、こんなところ。
上の写真の遠景に見えるのが、このときの「約9.5m3/S」放流。この量でも随分迫力がある。一度、約40m3/Sの放流をこのときと同じ位置から見たが、凄い勢いで水が飛び出てた。限度いっぱいの100m3/Sの放流だったらどんなものなのだろう…。
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<徳山水力発電所とダムの関係/概要 (10.08.10 中電・徳山水力建設所より聴き取り)>
・ 発電機は2つ。地下に作る。堤体の下部をゼロメートルとすると、1号機はマイナス70m、2号機はマイナス40mに設置する。
・ 常時運転するのは2号機で、最大出力2万2400kW。このときに使用する水は18m3/S。
電力消費のピーク時には1号機も使う。最大出力13万1000kWで、このとき使用する水は82m3/S。
・ 2号機の水は、現在、放流口から流れているより上流側で放流する。これが(ダム直下)の維持流量を確保する水にもなる。
1号機の放流口は、横山ダムに流す。横山ダム堤体位置から8.5km上流に放流口を作る。
・ 選択取水口から水を取る(後の徳山ダム管理所の説明と符合。「利水主管設備」を通す、ということ)。選択取水によって(夏場は)水面から数m下がる(落差が小さくなる)が、やむをえない。
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哀しいことに、5月、このトンネル工事の労災事故で一人が亡くなった。トンネルを掘っているこの地山の地盤が非常に脆いことは、仮排水路トンネル(現在放流設備として使用)工事のときに、十分分かっていたはず。「防げた人災ではないか」という思いは消えない。
この発電所建設工事の工事車両が頻繁に通るため、徒歩で堤体「散歩」は禁止されている。「堤体内部見学」を予約しておいて良かったぁ…でないとダムの手前しか見られないところだった。
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左写真の右手の建物が堤体内部に降りるエレベーターのある建物。この建物内のエレベーターで約130m降りる(約1分半)。
堤体の下から約30mのところの「監査廊」を歩くわけだ。
内部の温度は一年中15℃~17℃(大垣の地下水も一年中このくらいの温度)。 この日は17℃だった(温度計があった)。
外部は30℃を越している。
1日に何度も案内をする日は、案内する職員の方の身体の調子がおかしくなるそうな。ちょっと可哀想。
こうした案内版を見ながら自分の位置を確かめようとするのだが、なかなか「分からない」。
「監査廊」を歩いているところ。
何枚か撮ったけど、何とか写っているのはこれだけ。
私のケイタイカメラでは薄暗いところでは上手く獲れない。
堤体内部のこの通路=「監査廊」は、もともと”見学用通路”ではなく、堤体内部のさまざまな機器のメンテナンスなどの通路だ。
堤体盛り立て中に、ざまさまな機器を埋め込んでいるところ(その先っぽとか)を見ているので「ああ、なるほどあれか」とか感慨も含めて思うところがあるが、案内している職員の方のほうは「そう聞いています」でしかないようだ。
「こちらは『徳山ダム』について、15年のキャリアがある」????
(この項続く)