丹生ダム 4知事視察に思う-1 |
8月24日付けで滋賀県のHPに、「四府県知事による琵琶湖淀川水源地域および丹生ダム事業地視察について」が載っています。
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/de01/20100824.html
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
四府県知事による琵琶湖淀川水源地域および丹生ダム事業地視察について
このたび、京都府知事、大阪府知事、兵庫県知事および滋賀県知事による琵琶湖淀川水源地域および丹生ダム事業地視察を下記のとおり実施しますので、お知らせします。
★日時:平成22年8月29日(日)9時30分から12時30分
★参加者:山田啓二 京都府知事/橋下徹 大阪府知事/井戸敏三 兵庫県知事/嘉田由紀子滋賀県知事
★ 視察内容
水源地域等の概要/茶わん祭の館/妙理谷7号橋/丹生ダムサイト予定地
知事共同記者会見
★ 公開
報道関係以外の方は、会場の都合上、お入りいただけません。
★問合先
滋賀県琵琶湖環境部 水政課
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
現時点では記者会見の詳報などがないが、詳報を聞く前に言っておきたいことを今日中に。
まず「丹生ダムって?」
水資源開発促進法→水資源機構法に基づく「水源開発施設」であることを、しっかり念頭においてほしいと思います。
淀川水系流域委員会でも、ここが曖昧なまま議論が進んでいました。(河川管理者が、淀川水系流域委員会に、「撤退ルール」を特ダム法施行令で説明してしまったことを発見。「それが明確に記録に残っちゃマズイでしょ(河川管理者が淀川委にまともな説明をしおなかった、ということになってしまう)」とレスキューに入りました。記録文書には長ぁ-い注釈をついて「河川管理者が間違った説明をした」ことが煙幕に隠れています。内容的には「河川管理者が間違った説明をした」ことは重要部分ではないので、ここを論うのはここまでにしておきます)。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
丹生ダム 建設所HPhttp://www.water.go.jp/kansai/niu/index.html
プルフィール:現計画の概要
丹生ダム建設事業に関する事業実施計画(H14.2)に基づく
http://www.water.go.jp/kansai/niu/html/hajime/pro03.html
●洪水調節
姉川・高時川の洪水調節
●流水の正常な機能の維持
高時川の既得用水の補給等流水の正常な機能の維持と増進及び異常渇水時の緊急水の補給
●水道
京都府、大阪府、阪神水道企業団の新たな水道用水 3.23m3/sの開発
●総事業費
約1,100億円(昭和63年度価格)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
アロケーション
水道分= 452/1000 治水分= 548/1000
<水道> 452/1000
① 京都府営水道 0.2m3/S アロケ= 28/1000
(独立行政法人水資源機構法13条・25条 同施行令3条等 による「同意」者は京都府知事)
② 大阪府営水道 2.474m3/S アロケ= 346/1000
(「同意」者は大阪府営水道企業管理者)
③ 阪神水道企業団 0.556m3/S アロケ= 78/1000
(「同意」者は阪神水道企業団企業長)
<治水> 548/1000
各県直轄負担分(治水分の30%)配分
・滋賀県 53.30% (洪水調節 不特定補給)
・大阪府 35.43% (異常渇水対策)
・兵庫県 9.20% (異常渇水対策)
・京都府 2.07% (異常渇水対策)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
丹生ダム事業実施計画(2002.2月認可)がHPに載っていないので、添付ファイルで受け取りました(それだけのことに2~3日要したが)「できるだけ情報を出さない」水資源機構の体質がこういうところにも現れています)。
丹生ダム建設事業に関する事業実施計画(02.02.07認可)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota/nyudamkeikaku.pdf
<高時川の既得用水の補給不特定補給>がなされるという高時川頭首工(2007.5.4)
4府県知事視察事前報道。
☆事前報道-1
京都新聞【 2010年08月24日 23時24分 】
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20100824000187
流域4知事が29日、丹生ダム予定地訪問へ
滋賀、京都、大阪、兵庫の4府県知事が、29日に長浜市の丹生(にう)ダム建設予定地を訪問する。琵琶湖・淀川水系でつながる4府県の連携強化を目指し、嘉田由紀子滋賀県知事が呼び掛けた。京阪神の水源の琵琶湖を維持する森林保全の仕組みづくりについても、費用負担を含めた今後の協力関係をトップ会談で模索したい考えだ。
嘉田知事は24日の定例会見で、「近畿の水源地域の保全は流域一体でないとできない。とくに重要な森林保全には、投資が必要だ」と、4府県の連携による将来的な保全の分担に期待を込めた。負担の具体的な仕組みなどについては「いま言える段階でなく、まず現場を見てもらう」とした。
4知事の訪問では、建設予定地のほか、国のダム事業見直し検討のため建設を中断した付け替え県道を回る。事業主体の水資源機構による事業説明のほか、集団移転した住民代表の話も聞く。
同ダムは、国が昨年策定した河川整備計画でダム形式を調査検討するとされ、今秋から始まる国のダム事業検証の対象に含まれた。4知事は現地を視察することで、すでに利水目的がなくなった同ダム事業の必要性や予算規模などについて情報共有を図り、今後の議論のきっかけにする。
琵琶湖・淀川水系をめぐっては昨年10月、滋賀と京都、大阪の3府県が前原誠司国土交通相に、流域府県などが国に頼らず治水、利水を決める「流域自治会議」(仮称)の設置構想を提案したが、いまだ具体化していない。森林保全を進める場合でも費用負担などで利害が絡みあう。
嘉田知事は24日の会見で「水源地の保全は、流域自治で詰めていく重要なテーマだ」と、4府県知事が理解を深めあうことが重要との考えを強調した。
☆ 事前報道-2
産経新聞【2010.8.28 01:53】
http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/shiga/100828/shg1008280153001-n1.htm
建設の是非言及せず 嘉田知事らあす丹生ダム視察 滋賀
嘉田由紀子知事は29日、大阪、京都、兵庫の3府県知事とともに、長浜市余呉町で国が計画しているものの着工の見通しが立っていない丹生(にう)ダム建設予定地を視察する。嘉田知事自身は平成18年の初当選以来、ダム建設の凍結・見直しの姿勢を示しているが、「現状把握の一環。(3知事に)予断を持たずに見てもらう」としており、視察後の共同記者会見でも、ダム建設の是非については言及しないという。
丹生ダムは長浜市の高時川上流に建設が予定され、昭和55年に実施計画調査が開始。独立行政法人「水資源機構」(旧・水資源開発公団)が事業主体となって水没予定地域の住民移転などが進められたが、国土交通省近畿地方整備局の諮問機関「淀川水系流域委員会」が平成17年に「建設中止が妥当」と答申。昨年10月には前原誠司国土交通相が建設凍結を表明し、本体部分は着工されていない。
視察には嘉田知事のほか、大阪府の橋下徹、京都府の山田啓二、兵庫県の井戸敏三の各知事が参加する予定。琵琶湖・淀川水系の上下流の自治体が、現状を把握するのが目的。4知事はダム建設予定地のほか、水没する県道の代替ルートとして建設が計画されたものの工事が中断している妙理谷7号橋なども訪れる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この項続く