10月19日「長良川河口堰で失われた生態を見る会」-1 |
COP10のイベントに相応しい国際的なものとなりました。
・・・というのは、18日、「ポスターセッション No66」を掲示しに行った武藤さんに、韓国からのグループが 関心を示してくれて、韓国からの3名が急遽参加してくれたからです。
マイクロバスは補助イスも使ってほぼ満杯。
粕谷志郎さん、山内克典さんは、「道具」をもって船つき場現地に直行。
結局、「1隻10名」で3隻という船の定員きっちり、スゴイ。
要点的な写真と、ヘドロの数値などは、長良川市民学習のサイトにアップされているので、私は気ままに、主観的な感想を綴ることにします。
長良川市民学習会
http://dousui.org/
* 長良川河口堰で失われた生態を見る会を行いました。
http://dousui.org/blog/index.php?mode=res_view&no=38
◇ ◇
この河川横断構造物は、みればみるほど長大な「人工的河川破壊構造物」だと実感します。景観として「存在そのものが良くない」。デザインに丸みを持たせるなんていう小細工を考えたのはいったい誰だろう(「魚道」という小細工よりはマシか)?
この日はいつになく見学者が多かったのはなぜだろう?
見るからにやかましそうなこの一団が私たち。
のぞき込んでいるのは真下。
珍しく水が「勢いいよく落ちている」から。
河口堰にある表示板で確認。
10:00AM
長良川河口堰での水位
上流側 +0.92m
下流側 -0.56m
(このときは上げ潮で、乗船するときには潮位が上昇しています)
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揖斐川右岸の長良川河口堰の見える場所で、参加者一同が、「このイベントの最初の申込者」だった姫野雅義さんに黙祷を捧げました。
吉野川にも長良川河口堰のようなものを作ろうとしていた・・・それを姫野さんら徳島の人は止めました。まだまだ吉野川の「問題」はなくなったわけではありません、「これから」がたくさんありました。でも姫野さんは逝ってしまわれました。
「河川を住民に取り戻す/「川」問題を通して行う民主主義の実践/体験することを通じて次世代に「川」を手渡す」
私たちがまだできないでいること、これからやらねばならないことの先達でした。
私たちの「これから」の実践こそが、姫野さんへの本当の追悼なのでしょう。
弊ブログ
姫野雅義さんを悼む-まだ混乱しています- [2010-10-08]
http://tokuyamad.exblog.jp/14756735/
姫野雅義さんを悼む-大垣にいらしたときのこと- [2010-10-12]
http://tokuyamad.exblog.jp/14774518/
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乗船前に集合写真。「後からだと必ず忘れる」。そういうことだけは覚えました。
右。いつもの船着き場とは違う、本堤の内側の船溜まりから、いよいよ船に乗り込みます。
左。まずは背割り堤の揖斐川側を航行。雨も降らず、風もなく、快適。
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河口から4.5kmの揖斐川で、川底の砂泥を採取する粕谷志郎代表。
ここの底質は、褐色の砂。生きたヤマトシジミもいます。臭いません。
同じ河口から4.5kmでも、長良川(中央部)となると、底質の様相が全く異なります。
長良川側(背割り堤の東側)で、川底の砂泥を採取すると「一見明白」にヘドロ。
写真は粕谷志郎代表が、指にネバネバとくっついているヘドロの様子を取材に来た報道関係者に示しているところです。この臭いは一度や二度石鹸で手を洗っても落ちません。
酸化還元電位の測定場面。「-402mV(=還元状態。酸素が「ない」、他から酸素を奪う状態)」という数値には、驚きました。
ところが・・・驚いているほうがアホでした。
今年9月1日に、国交省中部地整と水資源機構中部支社がHP上に公開した
《 中部地方ダム等管理フォローアップ委員会【定期報告書(案)「概要版」】
・長良川河口堰 》(PDF 10.80MB)http://www.water.go.jp/chubu/chubu/h22followupnagara.pdf
の63-64頁にちゃんと公表されています。
63頁には、長良川5km地点では、酸化還元電位がマイナス400mVを締めることは珍しくないことが、公開されているのです。
逃げも隠れもせずに堂々と。「透明性・公開性」が高いですねぇ・・・・。
64頁には「底質の細粒分・強熱減量・酸化還元電位の関係」というデータ処理グラフも作って下さっています。
長良川河口堰直下流の川底のヘドロ化は、こうして、国・水機構の資料でも明らかです。
ただ、お役人は「ヘドロ」とは呼んでいません(前原・前国交大臣は「ヘドロ」と言いました)し、「中部地方ダム等管理フォローアップ委員会の委員の先生方」もとりわけ問題にしません。
「委員の先生方」は、事務方(=お役人)が問題にしたこと以外は(思いつきを口にすることはあっても)、特に何も言わないことにしているようです。 いえ彼らが「国交省に操縦されている御用学者だ」なんて言いたいのではありません。
事前に資料を読み込む、という「委員の先生=有識者」なら当たり前のことをなさらない、事務方の説明すらもうわの空(私流の言い方をすると「目は開いているけど、頭は居眠りをして、ただ椅子を暖めているだけ」。「最近の学生は、出欠をとられるから講義には出るには出るが、まるで聞いていない」というのを「先生方」御自身がそのままやっているのですねぇ。私語がないだけマシか?)。
これでは、事務方=お役人に「ここを問題にして下さい」と言われたこと以外は問題にもならないわけです。
大臣は「ヘドロ」と呼ぶけど、お役人は呼ばない・・・多分、「国土交通省河川局ラインの用語集に、その用語が存在しない」「用語集に定義されていない言葉を使うわけにはいかない」ということなのでしょう。
底質採取は
① 揖斐川4.5km ② 長良川4.5km(中央部)
③ 長良川4.5km右岸背割り堤傍 ④ 長良川河口堰上流(長良川6kmくらい)
で行いました。
データなどは上記長良川市民学習会サイト内にアップされています。
(ページURL再掲))
長良川河口堰で失われた生態を見る会を行いました。
http://dousui.org/blog/index.php?mode=res_view&no=38
COP10生物多様性交流フェア フェスティバルゾーンの 生命流域作業部会の共同出展ブースにこの「新鮮な」ヘドロを、ヨシとともにおいています。
どうぞご覧になって下さい。
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10月20日の岐阜新聞記事。
続く