11月9日 涸れた今川を見る会-1 |
11月1日、関市の
NPO法人ギンブナの会 http://www.ginbuna.org/
の須田事務局長が、悲痛な訴えをされました。
「後藤宮子先生が、30年間、毎日毎日記録を続け、研究を続けられた、今川の、あの登り落ち漁の場所に、このところずっと水が一滴も流れていないんです!」
長良川市民学習会 http://dousui.org/
として、11月9日午後に「涸れた長良川(今川)を見る会」を設定しました。
「涸れた長良川(今川)を見る会」告知PDFファイル
長良川市民学習会の武藤事務局長は11月3日、早速現場に行って、写真を撮ってくれました。
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11月7日付けの岐阜新聞に大きな記事が出ました。
☆ 岐阜新聞 2010年11月07日
今川、干上がる 関・長良川の分流
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20101107/201011071600_12093.shtml
◆農業、漁業に大打撃
【写真】=完全に枯れ川となった今川=関市の今川橋から下流の保戸島橋方面を望む
関市千疋で長良川から分流、岐阜市芥見で津保川と合流する今川が今夏以来、枯れ川状態が続き、河川環境への影響はもちろん、用水や川漁にも大打撃。地元の魚類研究家が30年間、調査を続けた現場も干からびた。長良川の出水で導流堤が壊れたためとみられ、県は9日から復旧工事にかかるが、「以前から水枯れ傾向」「ここ数年で悪化した」などと地元では周辺で進む治水事業との関連を問う声もある。
県河川課によると、8月9~14日の大雨で長さ230メートル、幅3・5メートルの導流堤の中間部分68メートルが流失。その後は本川に流れが偏り、今川は幅約100メートル、延長約3キロのほぼ全川が枯れた。このため長良川と今川に囲まれた保戸島地区の農地約600ヘクタールを潤す保戸島用水は取水不能となり、同用水組合ではホースが届く所まで水路を掘削、8月22日から10月8日までポンプ揚水を強いられる、過去に例のない事態となった。
同用水の篠田権三組合長は「10年以上前から渇水期はポンプに頼る時があったが、今回は完全に川が枯れた。昔から自然の流れで取水できたのに、なぜ今はできないのか。何とか復活してもらわないと」と、苦渋の表情。
また、長良川中央漁協(美濃市)は「今川は登り落ち漁と瀬張り網漁、友釣りの漁場だが、枯れ川ではどうにもならない」と話す。
同市下白金の後藤宮子さん(85)は保戸島橋下流で1967(昭和42)年から30年間、登り落ち漁で捕えた魚類を記録。長良川中流の生物や生態系の変遷を知る貴重な資料となっているがその現場の水も消えた。
同所の男性(59)は「今年は雨が多かったが、洪水の心配は無かった反面、あちこちの改修で川の流れが変わり、ここ数年間で今川の河川環境はより悪化した」と言う。
県は台風23号豪雨災害(2004年)に対応するため、床上浸水対策特別緊急事業に06年度から着手。中流域では関市の鮎の瀬橋上流から岐阜市の藍川橋下流までの12キロ間で、河道掘削などの河川改修事業を進めている。
導流堤はコンクリートブロック製。90年代に今川の水量を確保するため当初、延長約110メートルが建設された。05年に約80メートル、昨年さらに約40メートルがいずれも下流側に延伸された。
【今川】 木曽川水系の一級河川。1566(永禄9)年の洪水で小瀬・小簗両村(関市)付近から南下する河道ができ、1782(天明2)年の洪水で現在のような河道に(「岐阜県の地名」)。
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☆岐阜新聞 2010年11月10日10:05
枯れた今川、惨状実感 市民団体が見る会
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20101110/201011101005_12116.shtml
【写真】=今川との分流点にある導流堤の決壊状況を視察する参加者=9日午後、関
市戸田地先の長良川
関市千疋で長良川から分流する今川が枯れた現状を憂える市民団体・長良川市民学習会(代表・粕谷志郎岐阜大学教授)が9日、枯れた今川を見る会を開き、10人が参加した。
今川の惨状を学習会メンバーに知らせた同市のNPO法人ギンブナの会の須田道康事務局長が案内人となり、枯れた今川や周辺の長良川で県が進める床上浸水対策特別緊急事業の現場を視察。長良川との川中島に位置する保戸島地区の農地を潤す保戸島用水の取水ぜきが干上がっている状態や、今川が枯れた直接原因とみられる長良川の導流堤決壊現場では、歩いて河川環境の変化を確かめた。
須田さんは「県の工事で長良川の水位が下がって、本流より河床の高い今川に水がいかなくなった」と説明した。
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☆ 2010年11月10日中日新聞記事
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この件については「続き」でアップしていきます。
ただ、これだけは今言いたい。
「異常渇水時に水が少ないと生き物が可哀想だから緊急水を補給する」というのが木曽川水系連絡導水路建設の大きな「理由」(目的)です。
今川は涸れても構わないのでしょうか?
「異常渇水時にヤマトシジミを斃死させたはならない」というのが木曽川水系連絡導水路建設の大きな「理由」(目的)です。
長良川河口堰で長良川河口部のヤマトシジミは壊滅しました。
長良川のヤマトシジミは壊滅しても構わないが、木曽川のヤマトシジミは大金をかけて助けねばならない、という、その「差」は一体何なのですか?
(すでに何度も述べているように「異常渇水時にも木曽川大堰(馬飼頭首工)で40m3/Sの流量を確保する」ことと、ヤマトシジミの生息には何の科学的関係性もない。生き物は”所轄外”である国土交通省河川局の「独自の見解」にすぎない)
私の頭は大混乱です。
河川管理者は、せめて整合性のある説明をして下さい。
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