11月9日 涸れた今川を見る会-2 |
(承前)
川が涸れてしまうことは、それ自体が問題であるには違いありません。
が、どんなときでも川に水がないのはケシカラン、という立場ではありません。
それぞれの川の、それぞれの特性あるダイナミズムの範囲内で、涸れるときもある(涸れないのもある)。
それが、単なる用水路ではない「川」というものでしょう。

今般、私たちが、ある意味「大騒ぎ」をするのは、後藤宮子先生の貴重な研究の「あの場所」だからです。
1967年から1996年まで、30年間、今川のあの場所で、登り落ち漁(仕掛けはお連れ合いが作られた)で採れた魚類を分類し、数を数え、記録し、標本を作り・・・。
手書きの記録1枚1枚が貴重です。
例えば右の写真のようなものです。(文字などが読めないくらいに小さくしています・・・勝手に公開するものではないので。)
NPO法人ギンブナの会
http://www.ginbuna.org/
の須田事務局長が「事務局で保管している資料の一部です」と送って下さったURLをリンクします。
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◆ 後藤宮子先生のお家を少し紹介させてください。
↓
http://www.ginbuna.org/old/2006_12_03/2006_12_03.wmv
これは関市環境フェアの為に作ったビデオ(動画)です。
◆ 今川及び千疋大橋周辺の写真です。
↓
http://www.ginbuna.org/kareru_imagawa/imagawa_today.htm
◆ 分流堤(導流堤)
↓
http://www.ginbuna.org/kareru_imagawa/bunryutei.htm
◆《資料》
登り落漁から見た長良川の回遊魚
↓
http://www.ginbuna.org/datas/kaiyu.pdf
「今川」はアジメドジョウの宝庫?
↓
http://www.ginbuna.org/datas/ajime.pdf
「今川」には47種以上の魚類がいた。
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http://www.ginbuna.org/datas/47.pdf
長良川の原風景
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http://www.ginbuna.org/kareru_imagawa/gen_fukei.htm
当時の漁獲量が伺える写真(約10M)
↓
http://www.ginbuna.org/kareru_imagawa/Photograph.pdf
■干上がった登り落ちの仕掛け
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http://www.ginbuna.org/dl/mizunasi.zip
■水がある時の登り落ちの仕掛け
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http://www.ginbuna.org/dl/mizuari.zip
■豊かな生態系を誇る今川で採取した標本
↓
http://www.ginbuna.org/dl/hyohon.zip
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貴重な標本などを保管するために、後藤宮子先生は「白銀登落荘」という保管庫(蔵)を建てました。
後藤宮子先生が、お歳を召され、この資料の保管先を捜されました。しかしどうやら岐阜県内では見つけられなかったようです。
今、ここの収蔵品の多くは、琵琶湖博物館におさめられています。

「貴重な文化財の県外流出だ」と私は感じています。
岐阜県の公的機関は、後藤宮子先生の全国にも知られた研究(業績)を、あまり評価しなかったのでしょうかね・・・「ときの知事のとって都合の悪い」研究だからか?
(文化財とか史料とか調査研究結果とかは、「時の為政者のもの」ではないはずですけど)
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11月9日、貴重な研究の「登り落ち漁」仕掛け跡には全く水が流れていません。
周囲に比べて少し黒っぽいところが登り落ち漁仕掛け跡です。
(今川右岸から撮影)



水のあるときはこんなふうでした。(今川左岸から撮影)



そして「30年間の記録(1967年~1996年)」を確認したところ、11月にこの場所に水がなかったときは1回も無かったそうです。
異変がおきています。
◇ ◇
2010年11月9日の今川。登り落ち漁仕掛け跡をさらに1枚。

続く