内ヶ谷ダムの「ご利益」は『無い』??? |
寝た子がムクムク起きあがって.11月25日(木)に、
「内ヶ谷ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」
が開催されるそうです。
岐阜県河川課トップ > 新着情報
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/
内ヶ谷ダムの検証に係る検討について
http://www.pref.gifu.lg.jp/kensei-unei/kocho-koho/event-calendar/gyoji/kasen/uchigatani-kensyo.html
平成22年11月25日(木)
開催時間 13:30から15:00まで
開催場所 岐阜県庁4階特別会議室
主催 県土整備部河川課
「内ヶ谷ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」
<メンバー>
岐阜県知事/郡上市長/美濃市長/関市長/岐阜市副市長
安田孝志(岐阜大教授)/藤田裕一郎(岐阜大教授)
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これまで「内ヶ谷ダムは要る」と(理由は住民にきちんと説明されてはいないけど)言い続けた人達がよってたかって、「検討の場」で何をどう検討するのでしょうね?
主催する岐阜県土整備部河川課の担当者が、まさにHPに上げてあるくらいのことしかご存じないのを、22日に確認したばかりだし・・・。
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岐阜県情報公開条例によれば、本当は11日に開示決定のはずの
<内ヶ谷ダムの治水(洪水対策)効果に関する資料>
の開示決定が1週間延長されました・・・「郡上・美濃・岐阜土木事務所それぞれにある可能性があることに気づいたのですが、気づくのが遅くなってしまって・・・。待って下さい」。(「待たない」といえばひっくり返るわけでもないので「YESとこちらからは言わないけど」で流しました)
11月22日に県庁に行った(※)ので、前からの積み残しとともにブツを受け取りました。
※「平成22年度 長良川河口堰県民調査団」=主催 岐阜県河川課
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/mizushigen/h22chosadan.html
に参加しました。これはこれで面白かったので、また別稿にて。
22日朝に情報公開室に行き、お金を払って、河川課に連絡を入れて貰いました。
「『長良川河口堰県民調査団』から帰ったときに、どこに何の資料があるのか、ざっと説明して下さい」と。
結果として「長良川河口堰県民調査団」のバスの帰着が遅くなり、バッテリーの切れそうなケイタイから「バスが遅れているので、情報公開室に預けておいた開示文書を河川課に引き取っておいて下さいませんか?」と、”業務指示”を出す羽目になり、結果として「業務時間外」の対応をして貰いました。これは私の所為ではありません。「文句があるなら、途中で長-い”待ち時間”を作ってしまった河川課の同僚に言ってくださいませ」です。(この『長-い”待ち時間”』後に長良川河口堰管理所にいた河川課長さん、バスより先に帰って河川課の席にお座りだった。ご機嫌が斜めな雰囲気でした-スケジュールが押してしまったからでしょう)
◇ ◇
10個の文書が開示されました。
内ヶ谷関係開示決定通知書PDFファイル版
まず率直な感想は「何もない」。
若干でも関係ありそうなところは、360数枚のうち、ほんの20枚分くらいです。
『無い』ことを確認するために多額のコピー代を払う羽目になった・・・「何だか損した気分」というところ。よくある話でありすぎて文句を言う気力もありませんけど(隠されるよりはコピー代を余計とられるほうがマシ)。
(1) 内ヶ谷ダムの「目的」に「~水害を防除する」とあることに関しては、”H16年3月”として アイ・エヌ・エーというコンサル(全国的に河川に関するコンサル業務を請け負っている。今年夏、社名を「株式会社クレアリア」へと変更)の報告書にそのまま 「岐阜県長良川上流河川開発工事事務所」の名前くっつけたものがあるだけ。
「水害防除という『ご利益』」らしきものを捜すと、「最大湛水深 ダムなし/ダムあり」というカラーA3のものが出てきます。このPDFファイル化は工夫しないとできないので少々お待ちを。(河川縦断図にも若干それらしきものがありますが、A3カラーですので、PDFファイル化がすぐにできないのは同じ)
計算方法についてはp44-45 「氾濫湛水深の設定方法」のPDFファイル版を。
(私には「だから何だ?」しか分かりません)。
そもそも「長良川のこの辺りで湛水なんてするの?どういう洪水で?」という最低限の条件(想定)がよく分からないので、岐阜県がどういう「ご利益」を内ヶ谷ダムに見出したかが分かりません。
そして(一緒に話を聞いておられたMさんも感じられたでしょうが)、今の「担当者=Ya 氏」も分かっていない。冗談抜きに私が情報公開請求をしたので、彼の手元に「それらしき資料があちこちに事務所の倉庫から出てきた」状態です。
明日、「計算条件は?」と聞いてもYa氏は答えられないのは分かっていて溜息(しらばっくれる以前。本当に「知らない、分からない」)。
資料を捜し出してあげた(※)こちらが「情報公開請求代」を貰いたいくらい。
※ 情報公開請求をすると「仕事」として(期限までに)資料を捜し出すことになります。永遠に地方土木事務所の倉庫で眠ってしまうものが沢山あることを知りました。ウチに寝ている資料じゃあるまいし、です。(牧田川圏域では「・・・一切」と開示請求を4回かけて、その度に新たに古い資料が出てきたりしました。「前にはなぜ出さなかった?」と突っ込むと「隠す」ほうに行きそうなので、たんびたんびにニコニコとコピー代を払いました・・・市民オンブズマンの評価だと、岐阜県は情報公開の程度が高いのだそうな。)
この状態で「内ヶ谷ダムを最優先で検証する」「11月25日に『検討の場』を設定する」って一体どうなっているのでしょう?
(2)「住民への説明」では、②から⑩までのうち、⑨に「内ヶ谷治水ダム」というパンフレットがついており、これで「ご利益」説明をしたらしい痕跡はあります。しかし記載されているのは「河道対応には限界があるからダムを作る」というのみ。
漠然としているという意味では岐阜県河川課HPに載っている「一級河川木曽川水系 長良川圏域河川整備計画(H18年9月)」と同様です。
他に「内ヶ谷ダム」という言葉が出てくるのは、⑧の河川法16条の2第3・4項を意識した(☆)郡上での「地域検討会」(住民代表という「委員」が12名)の説明資料のパワポ4枚分だけ(今、県のHPに載っているのと同じようなもの)。
議事次第には「意見交換」とあるが、意見交換らしき資料は残っていません。
ここにも「ご利益」資料はありません。
☆ 「基づいた」とは言いたくない。河川法16条の2第3・4項の趣旨は、河川管理者が勝手に”地区代表”みたいな人を幾人か集めて意見交換会なるものをやることではない。
つまり、関係住民だか地域『有識者』だかに、「内ヶ谷ダムの有り難い『ご利益』」を説明した痕跡が『無い』ことだけが分かりました。
また他の地域での「意見交換会」等の参加者意見も含め、「水害が心配だ、早く何とかしてくれ」という発言記録は『無い』(もう一度ゆっくり捜しますけど)。
2004年洪水の被災地域(保戸島とか)では、水害対策の「意見交換」が見られますが、話は河道対応(河道掘削)に終始しています。「早くダムを作ってほしい」とか、(河川管理者側の)「内ヶ谷ダムを作れば・・」という発言記録もありません。
牧田川圏域大谷川流域の荒崎地区で組織的に「徳山ダム早期完成要望」を創り出していたのとは大違いです。
やっぱりホンネは「寝かしておきたかった子」なのではないか、と感じた次第です。
寝た子を起こしてダム建設に拍車?~「ダム見直し」の怪~
http://tokuyamad.exblog.jp/14744873/
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長良川河口堰では「治水上の『ご利益』」が喧伝されました。その中味は捏造というかウソ八百というか・・・なのは、皆様もご承知の通りですが、とにかく「浚渫による(洪水の)河道流下能力の向上/塩害防除」という「ご利益」が住民に「説明」されました。
しかし内ヶ谷ダムについては、それすら『無い』のです。
この状態で「最優先で見直す」なら、岐阜県には「中止」以外の選択はないように思うのですけど。
この「見直し」で「内ヶ谷ダム建設GO/本体着工/補助金満額」などということになるのであれば、「コンクリートから人へ」というフレーズを掲げて昨年の総選挙に大勝した民主党の責任は大きい・・・大きすぎる。
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