続・続・ 今川 2010.11.21「小さな命」救出作戦 |
岐阜県河川課の職員も家族連れで参加した、ということは前に述べた。
100人も集まったのだから(TVニュースにもなったのだから)「岐阜県はこんなに自然環境に配慮しています」という宣伝にもなった。参加した子ども達が口を揃えて「楽しかった」と言っていたし、専門家がしっかりと「何とう名の生き物か」を教えてくれた。「環境教育」の場としても、大変良かった。
岐阜県がやったこととしては「最小費用・最大効果」に挙げられる一つであろう。
「物申す/異議申し立てする」ことと、行政と協力・協働することは背反しない。川を良くしようという立場で、それぞれがその地域、その情勢に合わせて努力することに変わりはない。
◇ ◇
NPOギンブナの会
http://www.ginbuna.org/の須田事務局長からメーリングリストに報告があった。
「水たまりで救出された魚たちの名前」は、後藤宮子先生の研究と比較しながらまとめてあって興味深い。
当日の写真もHPに載せてURLの形で送って下さった。
一部をJPGファイルで貼り付け、同時にリンクをはる形で紹介したい。
・・・・転載開始・・・・・

100人力と言うか、勇気100倍と言うか、さすが100人も寄ると興奮しますね。
つい興奮してしまい、お恥ずかしいところをお見せして恐縮です。m(_ _)m
子ども達が続々とやってくる様にはホント興奮しました。(*^_^*)
前日まではこんなにも多くの方にきていただけるとは思ってもおらず、
(目標は1,000人でバケツリレーをやるつもりだったのですが<笑い>、当日の成り行きでバケツリレーが出来なくなっちゃいました。そのつもりで来てくれた方には申し訳ないです。)
誰も来てくれなければ、一生懸命にやっていただいている市民会議の皆様には申し訳ないなと思っていました。
今回の件は11月1日の会議から11月21日の救出作戦まで、わずか3週間の出来事でしたが、Mさん、Kさんの迅速なご対応により、最大限の結果を得ることが出来ました。深く感謝申し上げます。
Special Thanks to
Mさん、Kさん、市民会議の皆様
岐阜新聞さん、東海TVさん、他報道機関の皆様
金竜小学校の皆様、小金田中学校の皆様
地元漁協の皆様、環境ネットせきの皆様、岐阜美濃生態系研究会の皆様、関ホタルの会の皆様、
関市生活環境課Gさん
千藤さん、向井さん、新村さんら魚の専門家の皆様
名古屋からは、藤前干潟のKや長良川市民学習会仲間のMiさんも
地元保戸島、白金の皆様 ・・・・・・・・・・
ホントに、ホントに ありがとうございました。

当日の様子は近藤さんのブログに詳しくあります。
http://tokuyamad.exblog.jp/15023132/
> 想像力が培われるには小さなものであっても
> 何らかの体験の土台が要る。今の日本社会
> では大人が「自然体験」という機会を作らねば
> ならないようだ … いやこの子ども達の親の
> 子ども時代に、体験の機会を奪ったのかもしれ
> ない、他ならぬ私たちの世代が。
同じ思いがギンブナの会の設立趣旨なのです。
黄色いジャンバーを着て見えたのが美濃土木の副所長さんでしょうか。
(興奮して喋っていて誰かも確認しませんでした。)
川に対する認識がが少しでも良い方に変化するよう祈るばかりです。

無造作にポンプで吸い上げら
スクリューで切り刻まれるヨシノボリなどの小型種は
この川の代表的な漁法である登り落漁で採れ、
うるるの佃煮として大変珍重されているものです。
また、あれほどいたアジメドジョウが確認出来無かったことは非常にショックです。
無造作にポンプで吸い上げられ死んで行く小さな魚たちを見、
また、30年間、家庭を犠牲にしてまで研究を重ねた後藤先生やご家族の苦労を知っているだけに怒りがこみ上げてきました。
戦後米軍が座敷に革靴で上がり込んでくるのはこんな感じなのでしょうか?
Mさんから依頼がありましたデータを以下のリンク先に置いておきます。
水たまりで救出された魚たちの名前↓
登り落漁により捕獲した長良川中流域の魚種と個体数及び今川救出作戦で確認出来た魚種(エクセルファイル)
http://www.ginbuna.org/dl/2010_11_21_data.zip

他、
スッポン
スジエビ
モズクガニ
が確認できました。
また、当地区でも貝類の激減が心配です。
自然と折り合いを付けて暮らす(昔の日本人が持っていた知恵)
そうすれば災害も減らせるだろうし、(遊水池)
自然からの恵み(水産資源等)を享受することも可能だろうに、、、。
当日の写真↓
http://www.ginbuna.org/dl/2010_11_21_photos.zip
須田
・・・・・転載終わり・・・・
◇ ◇
長良川の現状を憂い、長良川を少しでも良くしたい、と願っている団体が、24日に県知事宛に要請書を出し、ギンブナの会の須田さんも含め、10名の市民が、岐阜県河川課長らと話し合ったことは前日のブログに書いた。
岐阜県への共同緊急要請と内ヶ谷・今川 [2010-11-24]
http://tokuyamad.exblog.jp/15042845/
今川については、資料も準備して、「未成熟な情報」も出してくれた・・・それで良い。「計画が決まってからお示しします」では上手くいかないことの反省から、1997年の河川法改正もあったはずだが、残念ながら「まだ決まっていないから(言わない、出さない)」でいて、ある日突如として何ごとかが発表され、「もう決まったから、計画は変えられない」とくる・・・まだそんな体質が残っている(※)
※ 木曽川水系連絡導水路「上流分割案」なるものはまさにそれ。行政間協議の資料を出させるのにまる1年かかった。
不透明すぎる!木曽川水系連絡導水路-上流分割案-の「合意」 [2008-11-25]
http://tokuyamad.exblog.jp/9751449/
続・不透明すぎる!木曽川水系連絡導水路-上流分割案-の「合意」 [2008-11-25 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/9756112/
◇ ◇
そういう体質は少しずつ変化してきているとは言え、まだ残っている。
そして、この交渉に臨んだ市民の半分くらいは、岐阜県にとっていわば「札付きのお尋ね者」であるともいえる(岐阜県(知事)を相手に公金支出差止訴訟などをやってきた)。
同時に同じくらいの人数(重なる人も重ならない人も)が11月21日の<「小さな命」救出作戦>で岐阜県と「協働」した。気づかなかったが河川課長さんも「私的に」参加されたのだそうだ。「一緒にやった」のだ。
少なくとも15年前は、私(たち)は「岐阜県の敵」として扱われたのだから、確かに変化してきている。
まず貰った資料。
(1)今川の「問題になっている場所」の位置図。


(2)11月9日から工期に入っている(来年4月20日までに完成予定)今川導流堤復旧工事の図、3枚。
今川導流堤の復旧方策(壊れた元のものより-砂州が失われた-左岸側に延長し根固め工を行う、深掘れしている所を埋め戻す、など)、被災直後(現状)、被災前。
PDFファイル版
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河川課長が口頭で言ったこと:
① 今川の水涸れは大分前からあり、さまざまな施策(導流堤設置など)を行ってきた。
② 長良川全体で(平水時の)水位低下が見られる。原因は特定できていない。
③ 現在、この地点で、長良川(本川)と今川の河床高の差は3.3mある。
④ 今川の河床を掘り下げるということの検討も行っている。これには、河床掘削に伴う一般的な環境への影響の問題の他に ア.保戸島用水jの取水堰の改築が必要となる(費用負担も含めてどうするのか?) イ.橋梁の橋脚(ピア)の基礎部分の補強画筆洋になるが、技術的課題も含めて検討しきれていない などの問題がある。
* *
「今川の河床を掘り下げ」は現行の「一級河川木曽川水系 長良川圏域河川整備計画(H18年9月)」には盛り込まれていない(つまり今のままでは20年以上先延ばしになる)。
あの場所では、洪水時には、長良川が今川に分派することによる「ピーク低減」効果が見込めるあるはずだ。
実は、もろに「内ヶ谷ダムが必要かどうか」「代替案はないか」の問題とリンクすることがよく分かった。「一級河川木曽川水系 長良川圏域河川整備計画(H18年9月)」は今川のことも含めて、変更されるべきだ。
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川のことは川に聞け。川が口をきいてくれない、というなら流域で川と馴染んで暮らす人に聞け。
どこぞのコンサルの「不等流計算」結果よりはよほど当てになる、と感じる。
岐阜県河川課HP
第1回内ヶ谷ダム検討の場の資料について
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/dam-jigyo/uchigatani-kento.html
『【資料1】内ヶ谷ダムの検証について』
このp10,p11に内ヶ谷ダム「ご利益」が書いてある(きょうまでいくら聞いても教えてくれなかった。隠していた、というより「岐阜県河川課自身が、資料を確認するのにきょうまでかかった」というのが精確なところだろう、と感じていいる)。
p11の数字が出てきた「不等流計算結果」だけを細かい字で記載したものが開示文書の中にあった。
「亀尾島(きびしま)川が長良川に合流した直下で74cmの水位低減効果がある。信ぜよ」「はい、信じます」となるかぁ?
そして岐阜市の千鳥橋付近では「5cmの水位低減効果」という「ご利益」なのだそうだ。「5cm」など大きな洪水では測定誤差の範疇だ。
あえて「環境問題」を黙殺したとしても、ダムという選択が愚策であることは巨大ダム・徳山ダムの「恩恵」に与っているはずの大垣市民の一人として断言する。
「ダムにお金を使うから、他の所は何の手も打てず、危険なまま放置されるない」・・・「財政的制約」がかかりすぎるのだ。
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