11月25日 第6回「徳山ダムモニタリング部会」 |
-やっぱり生態系がどんどん崩されていっている-
内ヶ谷ダムの「検討の場」と同時並行で第6回「徳山ダムモニタリング部会」が開催されたていた。藤田裕一郎・岐阜大教授は、こちらのほうに出ていて、「第1回 内ヶ谷ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」は欠席した。藤田教授の専門は「環境」ではない、まして生き物ではない。直接専門の河川工学に関係する「内ヶ谷ダム 検討の場」のほうを優先したほうが良かったのでは? ・・・いてもいなくてもあまり関係ないのだ、と言われると妙に納得してしまうが。
水資源機構中部支社
2010.11.18 第6回「徳山ダムモニタリング部会」の開催について
http://www.water.go.jp/chubu/chubu/101125tokuyamamonitaringu.pdf
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中日新聞 2010年11月26日

徳山ダムにカワウ急増 エサの魚増える?生態系への影響懸念http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20101126/CK2010112602000111.html
揖斐川町の徳山ダムで、これまで繁殖期の6月に数羽しか確認されていなかったカワウが、今年は149羽も見つかり、繁殖地になっていることが分かった。食害が問題となるカワウだけに、今後の生態系への影響が懸念されている。
2006年に試験湛水(たんすい)を始めたダムで、湛水による環境の変化を調べるため水資源機構中部支社が水鳥を調査。カワウはダムに水がたまって1年目の07年はゼロ、2年目の08年も6羽だったが、今年6月には149羽が確認された。
機構は24日、名古屋市で開いたダムによる環境変化を調べるフォローアップ委員会「徳山ダムモニタリング部会」で有識者の委員に急増を報告。委員からは「エサとなる魚がダム湖で急増しているといった変化があるのではないか。生態系全体がどう変わっていくか、きっちり見ていく必要がある」との指摘が出た。
機構は「繁殖地状態が続くか継続調査が必要」として水鳥の調査を継続するとともに、2014年に予定していたダム湖の魚類調査の前倒しを検討することを決めた。
カワウは全国的に食害が問題となっており、別の委員からは「カワウ対策も早めに検討すべきではないか」との意見も出た。 (中崎裕)
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第6回「徳山ダムモニタリング部会」資料は、催促をして、ようやく30日に載った。
水資源機構中部支社 > 徳山ダム管理所 >
トップページ > 情報資料館 > 見守っていこう大作戦(徳山ダムモニタリング部会等) > 徳山ダムモニタリング部会
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/siryo_kan/04_02monita.htmlのページをずずっと下にスクロールすると「第6回モニタリング部会」資料が出てくる。
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/siryo_kan/pdf/monita221125/monita221125memo.pdf
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/siryo_kan/pdf/monita221125/monita221125siryo1.pdf
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/siryo_kan/pdf/monita221125/monita221125siryo2.pdf
http://www.water.go.jp/chubu/tokuyama/siryo_kan/pdf/monita221125/monita221125siryo3.pdf
この資料を見る限り「審議メモ」にもカワウのことは一言も触れられていない。
「マズイことは文書に残さない」という、このモニタリング部会の一貫した姿勢がここでも堅持されているわけだ。
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情報としては旧聞だが、岐阜新聞にこんな記事が載っていた。
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岐阜新聞 2010年11月23日
フロリダバス、県内で初確認 生態系への悪影響を懸念
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20101123/201011230931_12233.shtml

【写真】美濃加茂市の太郎洞池で駆除された外来魚。中央の最大の魚がフロリダバスと確認された(木曽三川フォーラム提供)
美濃加茂市蜂屋町の農業用ため池「太郎洞池」で行われた外来魚駆除で、琵琶湖など限られた地域でしか見つかっていないブラックバスの亜種「フロリダバス」が向井貴彦岐阜大学地域科学部准教授の遺伝子調査で22日までに確認された。県内初で、従来とは異なるタイプの生態系への影響が懸念されている。
向井准教授によると今月7日に同池で環境市民団体「木曽三川フォーラム」が行った駆除作業で捕獲されたブラックバス320匹のうち大型の5匹についてミトコンドリアDNAを調べたところ、体長45センチの最大個体がフロリダバス、ほかは県内でも広く分布するオオクチバス(ノーザンバス)と分かった。
フロリダバスは、滋賀県の琵琶湖で10年ほど前から大繁殖。それ以前にはバス釣り名所として知られる奈良県下北山村の池原貯水池などで確認され、オオクチバスとの雑種化も進んでいる。ブラックバスより大型で、体長70センチにもなるという。
向井准教授は「4年前に三重県桑名市の揖斐川河口で1匹を確認し、木曽三川水系のどこかにいると思っていた。太郎洞池では数年前から釣り人の姿が見られるようになったといい、そのころに持ち込まれたのでは。遺伝子から琵琶湖からの移入と思われる。中部地方はほかに確認したのは長野県の野尻湖の一個体だけ。分布拡大により、これまで以上の生態系への悪影響が懸念される」と話す。外来生物法により、2005(平成17)年以降はオオクチバス、フロリダバスの持ち運びは禁止されている。
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どちらも生態系撹乱に人為が入っている。
フロリダバスのほうは、直接的には「マナーの悪い釣り人の所為」だとしても、それを取り締まれない政府・行政は「生物多様性COP10開催地(当面は議長国)」として恥ずかしいし、責任追及から逃れられないはずだ。
そして税金を注ぎ込んで(岐阜県財政を「起債許可団体」という破綻状態に追い込んで)作られた徳山ダム、及び周辺環境の惨状。
河川管理者自ら河川法第一条の「河川環境の整備保全」に違背した、と言えるだろう。
1996年、当会が最初に取り組んだのは徳山ダム建設中止を求める」署名集め。
ここで中止を求める理由として挙げた3つのうちの1つは「自然環境の大改変(は行うべきでない)」であった。
河川管理者(建設省)と水公団の御用を務める「専門家」は影響は軽微だと言った??
長良川河口堰だって、長良川への影響は軽微だと言ったのと一緒じゃない!!!
徳山ダムみたいなものを作ればあの地域の生態系が大きく攪乱されることは、「専門家」のご託宣の有無に拘わらず明白であった。
生態系を攪乱してまで得るべき「ご利益」はあるのか?
「ご利益」を発現させるために(=「徳山ダムができちゃったから」)、さらに890億円を使って徳山ダムの水を長良川・木曽川に流す導水路を作るだって?
11月28日の中日新聞「視座」に、哲学者の内山節氏の「変化に対応する時間量」という稿が載った。人間社会の変化とその時間量に重きをおいた文だが、前提として「自然・生態系の変化」に触れている。この分野では「変化のスピードが速ければ速いだけ良いことだ」という論を展開する「識者」はまず存在しないからだろう。
「~このことは自然に対しても言える。自然や生態系も少しずつ変化している。だから自然の変化自体は悪ではない。ところが人間が一方的な開発などをすすめると、自然はその変化に対応できずに崩壊していく。自然が変化に対応していける時間量を保障しないで変動を与えることは、自然の破壊を招くのである。」
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まして川に壊滅的な破壊をもたらすと予見できる「(徳山ダムから長良川・木曽川への)異常渇水時の緊急水の補給」!!!
「河川環境の改善」と称する戯けた話はもうさっさとやめてほしい。
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