補追:「ご利益」も「要望」も後出しジャンケン ~ 内ヶ谷ダム ~ |
内ヶ谷ダムの集水面積は39.9km2である。
これが、「ご利益」を受ける地点の流域面積のどれくらいにあたるのかは大いに関心がある … が、なかなか数字を教えて貰えなかった。

何度も言うが、「隠された」「誤魔化された」という感触はもってはいない。
「担当責任者さえもその数字の在処を知らない」… 担当者がサボっている、とかではない。
「その場その時の自分の担当以外のことは、口出しはもちろん御法度、関心もつこともさえ疎まれる」というのが、『組織というもの』らしい。
ゆえに、異動があると、まさに「いきなり(まっさらゼロから)」なのだ。HPに載っている程度のこともよく知らないままに「担当責任者」になってしまうらしい。(それはコワイだろうと思うのだが…少なくとも私なら、「コワイ」と感じる)。
そうした「いきなり担当者」が、「検討の場」の事務局として資料を作る責任者になるのだから、県民の側としても相当にコワイ。
6日の深夜にメールで回答を受け取った(まさに深夜。つまりサボっているどころではない、カローシしそうなくらいお仕事に励んでいる)
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前稿で、私は地点に符号をつけた。
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① 亀尾島川合流後(105.1km) 「効果」=約74cm
② 郡上市美並町下田付近(92.3km) 「効果」=約30cm
③ 美濃市新美濃橋付近(75.31km) 「効果」=約13cm
④ 関市千疋大橋付近(64.58km) 「効果」=約10cm
⑤ 岐阜市千鳥橋付近(57.8km) 「効果」=約5cm
⑥ 直轄区間との境(56.2km) 「効果」=0cm
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①と③付近、と⑥についての流域面積。カッコ内は内ヶ谷ダムの集水面積の比率。
★ 亀尾島川合流点(105.1km-①)
合流前 525.5km2
合流後 645.9km2 (6.17%)
★ 板取川合流点(77.2km-③付近)
合流前 760.5km2
合流後 1,074.0km2 (3.72%)
★ 直轄区間と指定区間の境(56.2km)
長良川県管理区間全体 1,588.7km2 (2.51%)
なお、直轄区間の基準地点「忠節」(50.24km)での流域面積は1607km2 。
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「内ヶ谷治水ダム」パンフのカラー版を、実に郡上まで行って貰ってきた。
この1泊2日「長良川調査行」の顛末は別稿で。
「内ヶ谷治水ダム」パンフPDFファイル版
この「内ヶ谷治水ダム」パンフの最終ページによれば「氾濫防止区域」は上記の③~⑤の間である。
つまり「氾濫防止区域」にあたりでは、ダム集水面積は、流域面積比で3%程度しかない。 「そんなのありか?」 と感じる。
ところが、聞くところによれば、ダム集水面積が流域面積比で5%程度しかないダム計画はいくらでもあるそうだ。「1つのダムは5%でも、10基つくれば50%になる」という発想が横たわっているらしい。「ダムは確実に洪水を貯留できるから、最も確実な洪水防御になる」というダム信奉者からいえば、「1つで足りなければ、もっともっと作れば良い」ということなるらしい。
もちろん、長良川流域で他のダム計画はないし、今後新たなダム計画がもちあがるはずがない。
つまり「内ヶ谷ダム」という治水計画は、小さな(不確実な)効果に対して大きなお金を要する、「愚策」そのものである。
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ところで、内ヶ谷ダムは1/100の降雨での洪水を想定して、内ヶ谷ダム地点で880m3/sの基本高水流量があるところを、690m3/sの洪水調節をするのだそうだ。

☆ 第1回内ヶ谷ダム検討の場の資料について
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/dam-jigyo/uchigatani-kento.html
【参考資料】県施工ダムの評価軸のあり方(377kb) 2-5 より
河川管理者が設定るする計画降雨と、それを土台にしたか基本高水なるものを、私は信用していないので、その算出の仕方を議論する気にもならないのだが、ハナから妙ではある…39.9km2の集水面積で「2日雨量」を採るかぁ?
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