内ヶ谷ダムに係るパブコメ提出 -岐阜県の意見募集に応じて- |
- 岐阜県の意見募集に応じて -
11月25日に内ヶ谷ダムについても例の「検討の場」があって、すぐ翌日から岐阜県河川課は「ご意見募集」を始めました。
どんな意見を募集したいのか、11月25日の会議でだってはっきりしなかったのに、「11月26日から12月24日まで」で意見を出せ、というような話。
内ヶ谷ダム建設事業の検証に係るご意見の募集について
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/dam-jigyo/1kai-kensyo-iken.html ◇ ◇
まずは今本博健先生のご意見をお許しを得てPDFファイル化してアップします。
☆ 101224内ケ谷ダム建設事業の検証に係る意見:書式形式(今本博健)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota4/uchigatani101224imamoto.pdf
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以上、要するに、比較的軽微な河川改修を行うことによって、計画規模の洪水は安全に流下させることができますが、河川改修を行わなければ、たとえダムをつくっても洪水位を計画高水位以下にすることはできませんので、長良川という日本を代表する清流の環境を保全するためにも内ケ谷ダムは少なくともいまはつくるべきではないと思います。
国交省が示した検証手法では、コストに重点を置いていますので、残事業費のみで比較されるダム案が優位になりがちですが、ダムでは真の安全が得られず、たとえダムがつくられても県民は安心して暮らせません。
岐阜県におかれましては、治水の使命を果たすという原点に立って、内ケ谷ダムを中止するという英断をくだされますことを期待しています。
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また、他県の二級河川の河川整備計画策定に市民側からかかわった方も意見を寄せられた旨ご連絡を頂きました。
☆ 内ヶ谷ダム建設事業の検証に係る意見
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota4/uchigatanimukoiken.pdf
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限られた予算と人員の中で、極めて大きな予算を使いながらも想定規模降雨に対してなら治水効果を発現するダムという選択肢が果たして本当に最優先されるべき選択肢なのか、ダムよりも先に優先して実施すべき対策が他にあるのではないのか、何が真に流域住民・県民・納税者のためになる治水対策なのか、治水対策の選択の論理を再度真摯に検討して下さい。
治水対策の選択論理とは、公僕たる河川技術公務員の「河川観」の反映でもあるのです。
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私はこの「意見募集の前提に異議あり」から初めて、長ぁ-い大演説(13ページ)を書いてしまいました。図表入りです。文章中に図表を組み込むのは、半年ほど前にやっと覚えた技術。
内ヶ谷ダムに関する意見(近藤)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota4/uchigatani101223iken.pdf
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内ヶ谷ダム建設事業の検証に係る意見
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.内ヶ谷ダムの「効果」-1
Ⅲ.内ヶ谷ダムの「効果」-2
Ⅳ.募集されている意見に関して??
Ⅴ.岐阜県の財政状態と治水のあり方
Ⅵ.この「検討の場」及び意見募集のあり方への疑問と意見
Ⅶ.結びに代えて
(岐阜県河川課への提出版はこの前に1枚の「意見シート」をつけています。頭が「別紙」となっているのは、「意見シート」に「別紙の通り」と書いたからです)
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書き始めると、この15年の岐阜県の河川行政への怨念というか・・・・モロモロ噴き出してしまって止まらなくなってしまいました。
徳山ダムの運動こと、出会った徳山村の人達のこと、私たちの先達としての長良川河口堰運動を担った人達のこと、荒崎水害の被害者などのことが、次々と頭に浮かんでしまいました。
極めて涙腺の緩い私は、ハンカチを濡らしながら・・・・・
(物理的・生理的に「緩い」。これは幼児のときから。でもおよそ”弱虫”ではなかったし、今も特別”心優しい”というわけでもない … よね? 「鬼の目にも涙、かぁ?」とときどきからかわれる)
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1995年、建設省は「徳山ダム建設事業審議委員会」を設置した。建設省がたとえ口先だけでも「中止も含めて見直す」とした徳山ダム建設を私たちは止められなかった。揖斐川流域住民の一人として一種の責任を感じている、我が非力を恥じる。
徳山ダムは「人の暮らしを根こそぎ奪うという酷なことをし、さらにそれを理由にして巨額な公金を無駄に投じ、貴重な自然生態系を破壊した。未来世代に大変な負の遺産を残した」と私は考えている。
徳山ダムに投じられた公金の負担者は岐阜県民だけではない。そういう意味では、岐阜県民として他の都道府県の納税者に対しても、「申し訳ない」という気持ちがある。
これ以上、長良川沿川住民にとって役にも立たないダム事業に公金を費消するのは「申し訳ない」。自然を壊した上に、財政的にも重い負担を未来世代に残すようなことは、もう繰り返してはならないのだ。
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この後に、私は1976年の建設省中部地方建設局木曽川上流河川事務所の「台風6号報告書」から引用して、結語に代えています。
35年前にこれを書いた人(多分若いキャリアさんだと思う)は、今はどこで何をしているのだろう? どんな考えをもっているのだろう? この当時(そして今も?)別に「ダム反対」というわけではないでしょう・・・ダムがどうこうとは少しも書いてはいない(ただし、ちょうどこの頃に事業化された徳山ダムには一言もふれていない-「徳山ダムが出来れば役立つ」などとは書いていない-ことは注目すべきかも)。
いずれにせよ、私のような人間に引用される「つもり」は全く無かったことでしょう。
当時は、情報公開なんて意識は全く存在せず、役所の文書が外に出ることは(議員が手を回すとかでないと)なかった時代でした。
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内ヶ谷ダムの「取り付け道路」は、異なる谷から尾根を超えて、上流方向から亀尾島川・内ヶ谷地点に向かって作られている(土砂などを亀尾島川に落とし込み、これだけでもかなり亀尾島川・内ヶ谷にダメージを与えている)
亀尾島川~長良川~直轄区間との境までの写真を並べてみる。
↑ 古津よりほんの少し下流、長良川本川右岸の木立から川面と対岸をみる。
このあたりが県管理区間と直轄区間の境。