続・内ヶ谷にはイヌワシがいる?!?! |
本日(2011年2月3日)の中日新聞。愛知県配布版では「黒塗り」の写真も載ったそうです。

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きょうの知事会見で、この関連の質問があったそうな。
古田知事は「担当課に聞いたところ『長良川圏域河川整備計画』は、長良川圏域(指定区間)全体について述べているから(内ヶ谷ダムについて言及したものとは違う)」とか言ったとか。
私が「長良川圏域河川整備計画(本文)」にアクセスしたとき(昨日)も、「ここでは長良川圏域全体について、ベタの文章で、貴重種の種名くらいは載せているだろう(種名程度は岐阜県の文書で公表している、と言いたい)」という意味で見ました。
そしたらp12には、「圏域上流の山地には、天然記念物であるイヌワシが・・・確認され」と記述し、P13では「内ヶ谷ダム周辺現地調査報告」と場所を特定している。
このページの現物をみたら、こんなすっとぼけた回答はできないはずです。
担当課(河川課)の誰がこんなフザケタことを知事に吹き込むのだろう?(ちなみに課長の堂園俊多さんは東京出張中。それでも知事が「担当課から聞いた」と言われたら、担当課の責任者としての責任は問われる、お気の毒に)。
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イヌワシ!!・・・結局は内ヶ谷での生息は確認できなかた、というけど:
ここで大いなる疑問。
「イヌワシは飛ぶ姿が目撃された」(上記記事中)は下のどちらなのでしょう?
① 目撃情報は伝聞で、調査では目撃されなかった
② 調査において目撃された
①であるとしても、「目撃されなかった」ことの評価はをきちんとしなければなりません。伝聞情報は全くの見間違いだったということなのか?
黒塗り開示文書に、「結局はいなかった」ことに言及する部分があるのだろうか(「黒塗り」の下になければならないはず)?
② であるとしたら、「営巣は確認されなかった」ではすみません。
イヌワシの行動圏は広い。尾根をまたがって行動圏が存在するのはごく普通です。もし内ヶ谷がイヌワシの行動圏に含まれるとしたら「イヌワシは生息している」のです。
「確かにイヌワシは行動しているが、域内での営巣が確認されなかったから、『イヌワシはいない』と評価する」なんてありえない。
少なくともH18年9月国交大臣認可の「長良川圏域河川整備計画」P12では「イヌワシが確認された」としており、P13で場所を特定しています。「内ヶ谷にイヌワシはいる」と受け取られて当然の記述です。少なくともイヌワシの棲息を念頭において環境調査を行う意向だと明言したも同然です。
「長良川圏域河川整備計画」策定にあたっては「専門家の先生方の指導・助言」を得ているはずです。この時点で岐阜県から委嘱されていた”専門家の先生”がどなたなのかは知りませんが、この記述を見ているとすれば「イヌワシはいる、という推定で継続的に調査の必要がある」と考えたはずです。
担当者が異動することで話が見えなくなってしまったのでしょうか?
・・・・イヌワシの生息に対応する調査の予算がとれないので、担当者が異動するときに引き継がない形でネグレクトした???
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黒塗り開示文書の中でも「これに従って調査を行っています」となっている、いわば大型猛禽類調査バイブル本。
1997年 環境庁自然保護局野生生物課編。
これが出た頃、「徳山ダム建設中止を求める会」として東京まで行って、「環境庁はいかに弱小官庁なのか」を思い知らされた記憶が蘇る。

(「~保護の進め方」ではなく、「~調査の進め方」というべき内容です。これで調査した後に「保護の進め方」の検討がありうる)