続・「検討の場」のホンネ/設楽ダム「検討の場」第2回 |
2月15日、愛知県では150万票以上(得票率50%超)の大村秀章知事が就任した。この日に、「第2回 設楽ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」が開催された。
パブリックコメントを募集するそうだ。
「設楽ダム建設事業に関する意見募集の実施」について
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/dam_kentou/bosyu_shitara.htm
傍聴した人の感想・・「再『検証』ではなく、(作るという方向での)再『確認』の場になってしまっている」。
2月16日の朝日新聞朝刊(愛知県版)
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設楽ダム検討会 代替案に失望の声も
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001102160003

【写真】設楽ダムの代替案が説明された検討の場=豊橋市
●中部地方整備局提出 堤防抜本強化 対象外
豊橋市で15日開かれた設楽ダムの検討の場で国土交通省中部地方整備局から膨大なダム代替案が示されたが、コスト、工期とも現行のダム案に勝る案は一つもなかった。本省が例示した「決壊しない堤防」など堤防の抜本強化案は「調査研究段階であり、効果を見込むのが困難」と対象外。傍聴のダム反対の市民グループから失望の声が漏れた。整備局は資料を公開し、3月18日までパブリックコメントを募集する。
現行計画の治水案は、ダムと河道掘削、樹木伐採、堤防が切れていて洪水を農地などに逃がす霞堤(かすみてい)4カ所のうち三つを残すもの。コストは1200億円、工期は約20年。
代替案は河道掘削を強化したり、遊水池をもうけたり、堤防を移動させたり、水田で一時的に洪水を貯留したり、といった方法を組み合わせる。現行と同じ69年の洪水に耐える安全度が目標だ。24案中4案で1200億円台の可能性を示したが、ほかは数百億円から1千億円以上高い。
工期は不確定か、約30年。ダムも、反対グループがトラスト運動などをしているが、整備局は「地元と補償基準を妥結しており、20年以内の完成が見込める」とした。
ダムのもう一つの目的である利水と流水の正常な機能の維持についての代替案は、宇連ダムや大島ダムのかさ上げ、海水淡水化、ため池設置などの方法を組み合わせた。
出席した委員から「遊水池といっても優良農地をつぶすことに地権者の了解は得にくい」(豊川市)などと難点を示す意見が次々に出された。
傍聴していた設楽ダムの建設中止を求める会の市野和夫代表は「ダムや河道掘削では、想定以上の洪水がきたら住民を守れない。壊れにくい堤防に強化するのがもっと安上がりで安全度も上がる。基本的な治水の議論をせず、形だけの比較をしても意味がない」と話した。(伊藤智章)
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この第2回設楽ダム「検討の場」の開催のタイミング、発表のしかたに検討主体=事業主体の姿勢が現れていると感じる。
発表したのは連休直前の2月10日。連休直後、それも新知事就任の日に開催。
国土交通省中部地方整備局 新着報道発表2月10日
平成23年2月15日「第2回 設楽ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場」の開催について
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2011/1415.html
規定方針(=ダム建設)を寸部も変えない、という意思表明みたいなものだ。
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同じ日、大阪府は、「本体着工済み」とされていた槇尾川ダムの中止方針を明らかにした。
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★朝日新聞2011年2月15日
本体着工後の槙尾川ダム中止へ 橋下知事が方針固めるhttp://www.asahi.com/national/update/0215/OSK201102150064.html
★毎日新聞 2011年2月16日 東京朝刊
大阪・槙尾川ダム:本体着工のダム中止 河川改修に転換--橋下知事
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110216ddm012010008000c.html
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国交省が設定した「再検討」ではない枠組みのほうが実効性があるようだ。
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