茫然としつつ、呟き |
3月11日14:46の大地震。被災された方には、心からお見舞い申し上げたい。
私はバスに乗っていて、地震の揺れに気づかなかった。他の人の話では大垣でもかなり揺れたらしい。

15時半頃に帰宅して、大地震があったこと、大津波警報が出ていることを知った。
16時頃の宮城県名取川河口付近の津波のヘリからの「実況中継」をみてしまった。一瞬「スマトラ沖地震」のときにTVに流れた映像を、「今度は上から見ている」ような錯覚に襲われた。
名取川の川の中を遡る津波と、海岸から平地を伝ってきた津波が合流して堤防が決壊していた。2004年豪雨のときの堤防決壊の映像を見たことがあるが、いろいろな意味で「規模が違う」。
その後、そのあたり(仙台市若林区荒浜)では多くの遺体が見つかったとか。心が痛む。
大津波の映像が次々とTVで流れる。その圧倒的な「力」に言葉もない。
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地震によるダム決壊。かなり前から多くの人が心配をしていたことだ。
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★ 河北新報
ダム決壊 8人が行方不明 須賀川・藤沼ルポhttp://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110312t63012.htm
須賀川市の藤沼ダム(高さ18・5メートル)が11日、決壊した。150万立方メートルの泥水が一気に流出。多数の家屋を押し流し、8人が行方不明となった。12日、現場に入った。
須賀川市長沼地区。ダムに向かう道路や田畑は、泥とスギの流木で覆われていた。コンクリート橋は崩落し、倒木が林道を遮る。
地元の無職男性(48)の案内で、道なき道の草木をかき分けて歩く。約40分。土を盛り、コンクリートで一部補強したダムは、過去最大級の地震エネルギーであっけなく崩れ落ちていた。
男性は「地震の揺れが収まったら、ズドズドズドと、ものすごいごう音がした」と振り返った。
後片付けに精を出す人がいる。川をぼんやり眺め、泥まみれの家の前で立ちすくむ姿も。
「窓ガラスはすべて割れ、台所は全滅。手の施しようがない」。アルバイト女性(37)は、無残なマイホームを見詰めるしかなかった。
市役所によると、午前9時ごろまでに、周辺で2人の遺体が見つかった。自衛隊や地元消防団約300人による懸命の捜索が続く。(片桐大介)
★ 朝日新聞 2011年3月12日12時3分
福島・須賀川でダム決壊 2人の遺体発見、他にも不明者http://www.asahi.com/national/update/0312/TKY201103120338.html?ref=rss
★ 産経新聞 3月12日(土)3時40分
藤沼ダム決壊、下流の8人が行方不明 福島
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110312-00000524-san-soci
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1995年の阪神淡路大震災のとき「ダムに損傷はなかった」と建設省(当時)はやたらに宣伝していた。きっと「藤沼ダムは特別だ」というような説を作ることだろう。
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大規模地震が起きる度に問題を起こしている原子力発電所。
とうとう一般の人が被曝した。
★ TBSニュース (12日22:53)
福島原発の爆発、一般人3人が被ばく
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4671881.html
福島第一原発の爆発後、被ばく量のチェックを受けた双葉厚生病院の入院患者と職員3人全員が、除染の必要がある量の被曝をしていたことがわかりました。
福島県によりますと、双葉厚生病院の入院患者60人と職員30人が避難をするために、双葉高校のグラウンドで自衛隊の救助ヘリコプターを待っていた間に福島第一原発の一号炉が爆発。念のためにチェックを受けた3人のうち1人から、「毎分10万カウント」の被曝量が検出されました。また、もう2人からは毎分3万から4万カウントの被ばく量を検出したということです。専門家によりますと、これは、除染の必要のある被ばく量だということです。
チェックを受けた3人全員が除染の必要がある被ばくをしていたということで、90人全員が被ばくをしていた可能性があります。
被曝をした双葉高校は、福島第一原発からはおよそ3.5キロの場所にあります。
★ 毎日新聞 2011年3月12日
東日本大震災:福島第1の炉心溶融 原発安全神話崩れる http://mainichi.jp/select/science/news/20110313k0000m040065000c.html

東日本大震災の影響で東京電力福島第1原発1号機の原子燃料が溶解し、大量の放射性物質が漏れたことは、経済産業省や東電など電力会社が強調してきた日本の原発の「安全神話」を崩壊させる事態だ。政府は「温暖化防止対策」などを看板に、国内の発電電力量に対する原発の比率を大幅に高める政策を推進してきたが、今回の事故で原発に対する国民の不信が再燃するのは必至で、国のエネルギー政策は抜本的な見直しを迫られそうだ。
原発は日本の電力の約3割を賄う「基幹電源」。政府は昨年6月に策定したエネルギー基本計画で14機以上の原発の新増設を掲げ、原発の比率を4割程度に高める計画を掲げてきた。東電は現在17機の原発を保有し、09年度の原発の発電比率は28%だが、19年度には新増設や稼働率の改善などで48%に高める計画を示している。
世界では79年の米スリーマイル島原発事故や86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故後に原発の安全性への不安が広がった。そんな中、日本が原子力政策を推進し続けて来られたのは日本の電力事業者が「厳しい安全管理をしており、深刻な事故は起こらない」と説明してきたからだ。
91年の関西電力・美浜原発2号機の蒸気発生器細管破断事故や95年の「もんじゅ事故」、99年の茨城県東海村の臨界事故では、原発への不信感が高まったが、原発事業者はいずれのケースでも、部品の施工ミスや設計ミスなど「想定外の事象が原因」と強調。07年の新潟県中越沖地震で東電・柏崎刈羽原発が全機停止した時も「原因は変圧器の火災。原発の設計構造そのものに問題はない」などと安全神話を守ることに必死だった。
しかし、今回の事故は、地震後の津波で原子炉冷却用の電源が損傷したもので、原発の安全設計の根幹自身が疑われるもの。「原発は(いくつもの安全装置で原子炉を守る)多重防護の考え方を徹底している」としてきた東電の説明は破綻したと言える。12日夜に東電本店で会見した小森明生常務が「まずは冷却水の維持に取り組んでいる」と述べただけで、原発の問題点に触れなかった姿は、安全神話を守りたいあまりに地元住民らの不安に十分応えていないように見えた。
福島第1原発は71年に運転を開始した老朽炉で、原子炉圧力容器や建屋に劣化が生じていなかったかなど、東電の原発管理体制が厳しく問われそうだ。95年の阪神大震災を契機に原発の耐震性が問い直され、国や電力会社は耐震性能を高める措置を取った。しかし、今回のような津波による電源喪失という事態は想定されず、地震国ニッポンの原発の安全性は根幹から問い直されることになった。
80年代以降の原発への逆風を耐え抜き、政府や電力会社が原発推進に大きくかじを切ったのは、新興国の急成長でエネルギー需要の急増が見込まれる上、「温室効果ガスを出さない原発は温暖化対策の切り札」(幹部)という名目があるためだ。政府は原発の海外展開をインフラ輸出の中核に据え、ベトナムやトルコへの売り込みも本格化していたが、経産省幹部は「この事故で、エネルギー政策の抜本的な見直しを求める声が強まるだろう」としている。
東電は当面、火力発電などで代替する考えだが、原油高騰や温室効果ガス削減の観点から、原油や石炭発電の使用には限界がある。太陽光発電など再生可能エネルギーの本格普及策も緒に就いたばかりで、日本のエネルギー政策は袋小路に追い込まれる可能性がある。【山本明彦、立山清也】
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12日夜、原子力情報室による記者会見(記者レク)があり、Ustで中継していた。
「すでに段階で想定していたことを超えている異常事態であることは確実」
「情報がほとんど無い(すでにセンサーがとらえる数値を超えているのか隠しているのか)ことが大問題」
NHKは昨日から「(危険というわけではないが)念のため」を繰り返していた。「落ち着いて、冷静に」ばかり。
放射能には色も匂いもない。人間の五感で危険をキャッチすることは不可能だ。「情報がなくて何も分からない」状態で、どうやって身を守れというのか?
原発/被曝に関しては自然災害ではない。「安全だ」として情報を出さないまま原発政策を進めてきた政府と電力会社による人災だ。
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まずは絶対に止めようがない地震と津波から引き起こされたこの圧倒的な災害。
「ダム再検証のパブコメ」。
ありそうもない新規水需要のための水源開発、既往最大規模でも河川環境に甚大被害などない異常渇水対策、集水面積が流域面積の3%とかしかない洪水対策。こんなもののために何百億円、何千億円かけてダムを作るの、ダムを作らないなら代替案がどうの・・・。
馬鹿馬鹿しくなって書く気がなくなる。
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ところで、このパブコメの前提として、国交省河川計画課河川計画調整室に何度か問い合わせ電話をかけているが、「担当者不在」ばかり。Eメールで質問を送っておいて「週末だから今日中(11日中)に」と思って外出から急いで帰宅したのだが、さすがに大地震の直後に「答えてよ」と電話をかけるのは気が引けて、遠慮した。
そんなこともあって、国土交通省のトップページをみていたが、ちょっと驚いた。「14:46に国交省本省は非常体制に入った」と称しているのに、トップページにこの地震及び非常体制に関して何らかの意味で載ったのは17時30分以降だった。
もっと前からyahooの画面に赤い字で目立つように気象庁との直接リンクが貼られていたのに????
「緊急事態」とか「非常体制」とかをトップページに目立つように出来るだけ早く表示する(気象庁にとか、その他災害発表を行う部署にリンクを貼るとか)という発想がないのかな?
地震や津波の責任官庁だろ-・・・
東北地整はテンヤワンヤであったかもしれないが、霞が関のホームページの担当者が現場を駆け回っていてできなかった、ということであるはずはない。
何かというと「ホームページに載せています」で広報・情報周知の責任を果たしているかのように言う昨今だが、こんなところで、実は「国民の皆様へ情報をお届けする」ことには優先的事項とは考えていない霞が関のお役人の意識がばれた、と感じるのはこちらのひがみか。
ちなみに中部地整は16時台に「非常体制」であることをトップページに載せていた。
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