導水路事業「業務取扱費」 ~ 2億2200万円 ~ |
4月1日付けの国土交通省発表の今年度ダム事業予算。
水資源機構事業 木曽川水系連絡導水路 は、財務省原案通り、350(百万円) である。
国交省ホーム >> 政策・仕事 >> 予算・決算・税制等 >> 平成23年度予算
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_000119.html
事業実施箇所(当初配分)
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_000119.html
「岐阜県」(河川局)
http://www.mlit.go.jp/common/000140220.pdf
よくみると「業務取扱費を除く 128(百万円)」となっている。
「業務取扱費」は、これまでもイロイロ出てきた用語。
かつて河川事務所や国道事務所のマッサージ機まで、この「業務取扱費」に紛れ込ませていて、直轄負担金見直し問題にも繋がった。
そんなわけで、「およそ国交省のお役人なら定義を知っている用語だろう」と思い、15日にそれだけ聞きに中部地方整備局の情報公開室に寄って総務課のM補佐に聞いたが「知らない」と言う。情報公開室のパソコン(中部地整とそのリンク先しか閲覧できない)で検索するのを手伝って貰った。
「業務取扱費:事業を実施するために必要となる現場事務所等の人件費、事務費等」
つまり役所が役所として存在するため、ということらしい。
木曽川水系連絡導水路建設所の職員の人件費、事務所借り賃(岐阜県庁近くで建物1棟をまるまる借りている)や通信費・水道光熱費など・・・・「何にもしなくても毎年2億2200万円はかかる(かける)」ということらしい。
「利水者総撤退」で水資源機構事業として成立し得ない事業(※)になっている淀川水系丹生ダムの予算。
340(百万円)、 業務取扱費を除く 68(百万円)
事業実施箇所(当初配分)「滋賀県」(河川局)
http://www.mlit.go.jp/common/000140224.pdf
丹生ダム建設所を生き残らせるためだけに2億7200万円。木曽川水系連絡導水路のほうがマシ???
※ 水資源機構事業として予算執行する法令根拠を欠いている。
淀川水系フルプラン(H21年全部変更)に
「なお、丹生ダム建設事業の見直しに係る諸調査は、当面の間は、独立行政法人水資源機構が引き続き行うものとする」
と書き込むことで、この脱法行為を正当化している。
裁判所も「行政裁量」をどこどこまでも延伸するのだから、行政自身はこんなことに何の躊躇いもないのは当たり前か?
歴史的使命を終えた水資源機構という組織の延命のために貴重な血税が失われ続けている。
◇ ◇
現行フルプラン(水資源開発基本計画)を確認すべく国交省水資源部のHPを見ていて、木曽川水系フルプランの中間評価のチェックをしていなかったことに気づいた。
昨年6月に、「導水路はいらない!愛知の会」として2回にわたって意見書を出したが、結果をチェックしていなかった。
- - - - - - 提出した意見書- - - - - - - -
導水路はいらない!愛知の会
http://www.dousuiro-aichi.org/
□2010/06/15 「国土審議会水資源開発分科会木曽川部会」への意見書(pdf-1.8MB)
□2010/06/28 「国土審議会水資源開発分科会木曽川部会」への意見書2
「木曽川水系フルプランエリアにおける愛知県の水需給状況について」(pdf-1.68MB)
2010年6月15日 意見書
2010.06.15意見書 富樫
http://www.tokuyamadam-chushi.net/youbouseimei/20100615togashi.pdf
2010.06.15意見書 在間
http://www.tokuyamadam-chushi.net/youbouseimei/20100615zaima.pdf
2010.06.15意見書 近藤
http://www.tokuyamadam-chushi.net/youbouseimei/20100615kondo.pdf
2010.06.15意見書 伊藤本
http://www.tokuyamadam-chushi.net/youbouseimei/201006ito-hon.pdf
2010年6月28日意見書-2(部会宛)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/youbouseimei/20100628ikenbukai.pdf
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国交省水資源部HP
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/index.html
木曽川水系における水資源開発基本計画 定期点検とりまとめ(2010/09/29)
http://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/d_plan/ch_03/kiso.htm
↑ さすがに「水が足りなくなりそうだ。渇水が怖い。早く導水路を作るべきだ」とは言っていない。
需要及び最大取水量の減少傾向、負荷率の上昇傾向、未利用水の存在などに言及している。
「新たな水資源開発の計画は見込まれないという現状を踏まえれば、今後、過去からの水利用等について把握した上で、限りある水資源を有効に活用するため、既存施設の長寿命化・効率的な運用、水利用の円滑化・効率化など総合的・広域的に
水資源をマネジメントするための検討が必要である。」
新規に導水路を建設する必要はない、と述べているようにも読めないでもない。
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東日本大震災で、ますます不要(かつ有害な)施設建設をする余裕などなくなった-木曽川水系連絡導水路などにお金を使うのは犯罪的ですらある-。
早く正式中止とさせたい。
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