内ヶ谷ダムの2回目意見募集に応じて |
岐阜県が募集中の「内ヶ谷ダム建設事業の検証に係る意見」、明日5月6日が締め切りである。

・内ヶ谷ダム建設事業の検証に係るご意見を募集します(平成23年3月15日)
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/dam-jigyo/uchigatani-ikenbosyu2.html
やっとの思いで書いて送った。
内ヶ谷ダム建設事業の検証に係る意見-2回目-(近藤)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota4/uchigataniiken2kaime.pdf
内ヶ谷ダム別添資料(ハイエト・ハイドログラフ)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota4/uchigatanibetten.pdf
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内ヶ谷ダム建設事業の検証に係る意見(第2回)
~ 目次 ~
Ⅰ 何のための「再検証」なのか
Ⅱ 「要領細目」との関係-1
1.「要領細目」の法的位置づけ
2.「要領細目」に至る過程と記述の遊離
Ⅲ 「要領細目」との関係-2
Ⅳ 現在の内ヶ谷ダム再検証作業の欠陥
1. 未だ明らかにならない「内ヶ谷ダムの洪水対策効果」
(1)意味不明な「内ヶ谷ダムの水位低減効果」
(2)内ヶ谷ダムの効果はわずか
(3)「直轄・指定区間境界で内ヶ谷効果分200m3/S」は本当か?
(4)データが十分に検討されていない
2.ダム案の治水効果発現は平成39年までお預け
3.現行河川整備計画との関係
4.費用対効果を検討していない
5.自然環境の検討資料すらない
Ⅴ 各対策案について
1.遊水地(国施工)「+約206億円」は納得できない
2.遊水地は用地取得が前提か
3.水田貯留案の高コスト
4.効果発現を段階的に見込むこと
5.地域開発と土地利用
6.「流水の正常な機能の維持」(不特定)対策案は笑止
(1)不特定容量の根拠が明らかでない
(2)河道外貯留施設をダム位置に作る?
(3)堆砂容量が有効貯水量の4倍!
(4)不特定補給単独目的ダムはありうるか?
7.洪水対策ダム案は安く見せかけられている
Ⅵ 治水のあり方の根本的転換を長良川で実現しよう
1.拙速な結論・報告を避けるべき
(1)検証作業は出来ていない
(2)長良川河川整備計画は根本的に見直されるべき
(3)「当面実施せず」と報告を
2.「311以後」の社会情勢
3.長良川の治水を考える視点
(1)「長良川は岐阜県の宝」
(2)水田と森林の保全
(3)堤防の整備・補強を急げ
(4)多様な方策の組み合わせ
4.流域住民の叡智を結集する
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「長いばかりで面白くない」と自分でも思う。
内ヶ谷ダムに限らず、全国で行われている「再検証」の方向が面白くない。
この半年余り、岐阜県河川課とかわしたやりとりでの(想定内ではあるが)「国からそう言われたから」「要領細目にそう書いてあるから」に終始する出先機関意識が面白くない。
もろもろの「面白くない」の集積みたいなものになってしまって「面白くない」。
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2009年の「政権交代」。
一時期は、ダム依存から脱却する河川政策の転換が実現するかのような幻想も一部にはあったようだ。
だが、今回の「再検証」作業を縛る(それほど権威あるものか?)「2010.9.28施行 ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目」にある「検証対象ダムを含まない方法による治水対策案を立案する場合は、河川整備計画において想定している目標と同程度の目標を達成するために、当該ダムに代替する効果を有する方策の組み合わせの案を検討することを基本とする」で、「ダム主体案が最良」に舞い戻るようなレールが敷かれてしまっている。
この要領細目の土台となった「中間とりまとめ」を出した「有識者」、この要領細目の文章を書いた官僚さんは「ダムによる洪水調節量の数値をきっちり他の方策で代替しなければならない、と述べたのではない」ということだろう。「検討主体の側がそのように(=ダムによる洪水調節量をどう代替するか)と考えたのだ」と。
1995年、ダム等審議委員会を設置したとき、建設省河川局はさかんに「透明性・公開性を高める」「説明責任を果たす」と言った。そのときにウソをついたとは思っていないが、いまだに実現はされていない。
川と向き合って暮らしてきた流域住民は、実はよく知っている。ずっと上流部のダムで洪水を防御するなんて無理だ、ということを。そして川を「○○m3/Sを流す用水路」と当時よりはっきりとモノを言うようになってきている。この流域住民の声を河川行政に活かすには、どうしたらいいのだろう?
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