2011年 08月 23日
愛知県「長良川河口堰検証」 第4回専門委員会 |
愛知県「長良川河口堰検証」 第4回専門委員会

22日、愛知県の「長良川河口堰検証」、第4回専門委が開催されました。
資料は ↓
http://www.pref.aichi.jp/0000044419.html
資料からだけでは分からない激い「議論」もありました。
用意した資料を事務方が延々と説明することが大部分であるような各種委員会とは違って、生で傍聴することの意味は大きいです。
★ NHKニュース 08月22日 19時28分
河口ぜき検証委 治水で論議
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3004841651.html
長良川河口ぜきをめぐり、愛知県が設置した有識者による作業チームの会合が22日開かれ、流域での洪水などの被害を防ぐ「治水」の面で河口堰の設置が妥当だったかどうかについて議論が行われました。
この中で座長を務める京都大学の今本博健名誉教授は「河口ぜきを建設した際、洪水対策としてしゅんせつ工事が行われたが、上流などからの土砂の埋め戻しが進んでしまった。せきをいったん開門してあらためて治水対策を行うべきだ」と述べました。
一方、岐阜大学流域圏科学研究センターの藤田裕一郎センター長は「地形上ダムの建設が難しい長良川では、川幅を広げられずしゅんせつ工事しか対策が取れなかった。工事後、下流では洪水被害が起きておらず対策として十分だった」と反対の意見を述べました。
作業チームでは、今後も議論を進め、ゲートを開けて調査すべきかどうか早ければ来月末にも、大村知事に提言することにしています。
★ 中日新聞 2011.08.23

◇ ◇
長良川下流部では、河口堰建設に伴い、膨大な量の土砂を浚渫したことになっています。
しかし河口堰建設後数年を経ずして平均河床高は上がり、2004年10月の23号台風出水の時には、浚渫以前の高さに戻ってしまっています。河床高が浚渫時に比べて大きく上がってしまっていることは、議論の余地のない事実。
それでも8000m3/Sの水が流れたと言います。だったら「浚渫が必要だ、だから潮止めの河口堰が要る」としていた理屈は一体何だったのでしょう?本当に河床を下げる浚渫が必要なら、なぜ現在はそういう計画の片鱗もないのでしょうか?
1980年代後半、「河口堰は治水に必要だ」キャンペーンが張られたとき、岐阜の(私の周囲の)人々は、「感潮域上流端の遙か下流を浚渫することが川の水位を下げることなるのだろうか?」「川に横断工作物が出来れば洪水が流れにくくなるのでは?」と素朴に疑問を口にしていました。国も県も事業者もそうした素朴な疑問に答えることなく河口堰は建設を強行されました。
余りにも早く浚渫前の河床高に戻ってしまったので、「浚渫による洪水低減効果」は分からずじまいです。そして河床は上がっているのだから「塩害防止の潮止め堰」も要らないはずです。
◇ ◇
愛知県「長良川河口堰検証」
http://www.pref.aichi.jp/0000042436.html ↑
30日のリソースパーソンについては23日14時段階でまだ更新されていません。
30日は「盛り上がる」はずだけど・・・
傍聴申し込み ↓
http://www.pref.aichi.jp/0000044048.html
◇ ◇
2011.08.22近藤提出 第4回専門委員会への意見
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.長良川河口堰は「治水」を主目的とする施設か?
1) 長良川河口堰は、水資源開発促進法に基づき、水資源開発基本計画に位置づけられた水資源施設である。ゆえに水資源開発公団(現水資源機構)の事業となったのだ。
「治水」面の目的は、「特定施設」として付随的に存在するにすぎない。
2) 長良川河口ダム構想と呼ばれた1960年代から、岐阜県の市民の間には、長良川全体の自然生態系への悪影響の懸念が存在した(「長良川を自然教育河川に!」)。この頃、「河口ダム」は、ひたすら「都市用水を補給する水瓶」として説明されていた。
3) 1976年の安八決壊水害を契機に、長良川河口堰の「治水」効果が積極的に言われるようになった、と聞く。が、岐阜県に住む一般市民の感覚(記憶、印象)では、「治水」が盛んに喧伝されたのは、1980年代後半、河口堰反対運動がマスコミに積極的に採り上げられるようになってからである。「浚渫するから潮止め堰が必要」という理屈は、「後付け」「牽強付会」という印象を免れなかった。「感潮域上流端より遙か下流を浚渫することが洪水対策になるとは思えない」「下流に河川横断構造物を作ることはむしろ危険ではないか」という住民の素朴な疑問に対してきちんとした説明はなかった。
4)1989年、岐阜県知事となった梶原拓氏は、副知事時代から親しくしていた故K・K氏に「どんなことを言ってくれても良いけど、長良川河口堰に反対するようなことだけは口にしてくれるな」と言ったと聞いた。河口堰は「岐阜県最大のタブー」だったのだ。
こうした雰囲気の中、岐阜県民に対して河口堰の必要性に係る開かれた説明は行われてないままであった。情報公開制度もない時代、疑問は封じ込められた。
長良川河口堰の主目的が「治水」だ、というのは、岐阜県民の一般的感覚にはそぐわない。
2.長良川河口堰は「治水」に役立っているのか?
長良川河口堰建設の根拠とした議論はおよそ以下のようなものと理解している。
① 洪水を流下させる河道を確保するために浚渫する必要がある
② 浚渫により(15km付近の)マウンドがなくなるので塩水が上流まで遡上する
③ 水稲の耕作障害(塩害)の懸念がある
(④ 潮止め堰として河口堰が必要である)
長良川河口堰は洪水調節施設ではない。「治水」施設として役立っているとしたら「潮止め堰」としてであり、前提中の前提として「① 洪水を流下させる河道を確保するために浚渫する必要がある」が成り立たねばならない。しかし、この①部分がきちんと説明されていない。
河口堰建設の際に「浚渫が必要」とされた部分の河床は、2004年23号台風出水時点で、浚渫前と同程度に上がっている。「(浚渫後、今までに)河床が上がっているが、『治水』面で問題はないのか?」という沿河住民の疑問には応答がない。2004年23号台風出水で8000m3/S流れたというなら「浚渫は不要だ」ということではないのか? 浚渫による河積拡大(確保)が必要なら、上がってしまった河床に対する何らかの方策が必要になるはずだ。2008年の木曽川水系河川整備計画を見てもそれに相当する記述はない。
つまり、①は成り立たない、「治水」において河口堰は不要だ、ということと考える。
・・・・・・・・・・・・・・・
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22日、愛知県の「長良川河口堰検証」、第4回専門委が開催されました。
資料は ↓
http://www.pref.aichi.jp/0000044419.html
資料からだけでは分からない激い「議論」もありました。
用意した資料を事務方が延々と説明することが大部分であるような各種委員会とは違って、生で傍聴することの意味は大きいです。
★ NHKニュース 08月22日 19時28分
河口ぜき検証委 治水で論議
http://www.nhk.or.jp/lnews/nagoya/3004841651.html
長良川河口ぜきをめぐり、愛知県が設置した有識者による作業チームの会合が22日開かれ、流域での洪水などの被害を防ぐ「治水」の面で河口堰の設置が妥当だったかどうかについて議論が行われました。
この中で座長を務める京都大学の今本博健名誉教授は「河口ぜきを建設した際、洪水対策としてしゅんせつ工事が行われたが、上流などからの土砂の埋め戻しが進んでしまった。せきをいったん開門してあらためて治水対策を行うべきだ」と述べました。
一方、岐阜大学流域圏科学研究センターの藤田裕一郎センター長は「地形上ダムの建設が難しい長良川では、川幅を広げられずしゅんせつ工事しか対策が取れなかった。工事後、下流では洪水被害が起きておらず対策として十分だった」と反対の意見を述べました。
作業チームでは、今後も議論を進め、ゲートを開けて調査すべきかどうか早ければ来月末にも、大村知事に提言することにしています。
★ 中日新聞 2011.08.23

◇ ◇
長良川下流部では、河口堰建設に伴い、膨大な量の土砂を浚渫したことになっています。
しかし河口堰建設後数年を経ずして平均河床高は上がり、2004年10月の23号台風出水の時には、浚渫以前の高さに戻ってしまっています。河床高が浚渫時に比べて大きく上がってしまっていることは、議論の余地のない事実。
それでも8000m3/Sの水が流れたと言います。だったら「浚渫が必要だ、だから潮止めの河口堰が要る」としていた理屈は一体何だったのでしょう?本当に河床を下げる浚渫が必要なら、なぜ現在はそういう計画の片鱗もないのでしょうか?
1980年代後半、「河口堰は治水に必要だ」キャンペーンが張られたとき、岐阜の(私の周囲の)人々は、「感潮域上流端の遙か下流を浚渫することが川の水位を下げることなるのだろうか?」「川に横断工作物が出来れば洪水が流れにくくなるのでは?」と素朴に疑問を口にしていました。国も県も事業者もそうした素朴な疑問に答えることなく河口堰は建設を強行されました。
余りにも早く浚渫前の河床高に戻ってしまったので、「浚渫による洪水低減効果」は分からずじまいです。そして河床は上がっているのだから「塩害防止の潮止め堰」も要らないはずです。
◇ ◇
愛知県「長良川河口堰検証」
http://www.pref.aichi.jp/0000042436.html ↑
30日のリソースパーソンについては23日14時段階でまだ更新されていません。
30日は「盛り上がる」はずだけど・・・
傍聴申し込み ↓
http://www.pref.aichi.jp/0000044048.html
◇ ◇
2011.08.22近藤提出 第4回専門委員会への意見
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1.長良川河口堰は「治水」を主目的とする施設か?
1) 長良川河口堰は、水資源開発促進法に基づき、水資源開発基本計画に位置づけられた水資源施設である。ゆえに水資源開発公団(現水資源機構)の事業となったのだ。
「治水」面の目的は、「特定施設」として付随的に存在するにすぎない。
2) 長良川河口ダム構想と呼ばれた1960年代から、岐阜県の市民の間には、長良川全体の自然生態系への悪影響の懸念が存在した(「長良川を自然教育河川に!」)。この頃、「河口ダム」は、ひたすら「都市用水を補給する水瓶」として説明されていた。
3) 1976年の安八決壊水害を契機に、長良川河口堰の「治水」効果が積極的に言われるようになった、と聞く。が、岐阜県に住む一般市民の感覚(記憶、印象)では、「治水」が盛んに喧伝されたのは、1980年代後半、河口堰反対運動がマスコミに積極的に採り上げられるようになってからである。「浚渫するから潮止め堰が必要」という理屈は、「後付け」「牽強付会」という印象を免れなかった。「感潮域上流端より遙か下流を浚渫することが洪水対策になるとは思えない」「下流に河川横断構造物を作ることはむしろ危険ではないか」という住民の素朴な疑問に対してきちんとした説明はなかった。
4)1989年、岐阜県知事となった梶原拓氏は、副知事時代から親しくしていた故K・K氏に「どんなことを言ってくれても良いけど、長良川河口堰に反対するようなことだけは口にしてくれるな」と言ったと聞いた。河口堰は「岐阜県最大のタブー」だったのだ。
こうした雰囲気の中、岐阜県民に対して河口堰の必要性に係る開かれた説明は行われてないままであった。情報公開制度もない時代、疑問は封じ込められた。
長良川河口堰の主目的が「治水」だ、というのは、岐阜県民の一般的感覚にはそぐわない。
2.長良川河口堰は「治水」に役立っているのか?
長良川河口堰建設の根拠とした議論はおよそ以下のようなものと理解している。
① 洪水を流下させる河道を確保するために浚渫する必要がある
② 浚渫により(15km付近の)マウンドがなくなるので塩水が上流まで遡上する
③ 水稲の耕作障害(塩害)の懸念がある
(④ 潮止め堰として河口堰が必要である)
長良川河口堰は洪水調節施設ではない。「治水」施設として役立っているとしたら「潮止め堰」としてであり、前提中の前提として「① 洪水を流下させる河道を確保するために浚渫する必要がある」が成り立たねばならない。しかし、この①部分がきちんと説明されていない。
河口堰建設の際に「浚渫が必要」とされた部分の河床は、2004年23号台風出水時点で、浚渫前と同程度に上がっている。「(浚渫後、今までに)河床が上がっているが、『治水』面で問題はないのか?」という沿河住民の疑問には応答がない。2004年23号台風出水で8000m3/S流れたというなら「浚渫は不要だ」ということではないのか? 浚渫による河積拡大(確保)が必要なら、上がってしまった河床に対する何らかの方策が必要になるはずだ。2008年の木曽川水系河川整備計画を見てもそれに相当する記述はない。
つまり、①は成り立たない、「治水」において河口堰は不要だ、ということと考える。
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by tokuyamadam
| 2011-08-23 13:57
| 長良川の話題
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