日本魚類学会 河口堰開門調査を支持 |
日本魚類学会 http://www.fish-isj.jp/ が、長良川河口堰開門調査支持の意見をまとめ、12月26日に愛知・岐阜・三重3県知事、名古屋市長、国土交通大臣、環境大臣、水資源機構の理事長宛てに開門実現への要請書を郵送したとの報道。
★ 中日新聞12月26日夕刊1面
長良川河口堰の開門調査を支持 魚類学会
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011122690160239.html
愛知県の有識者会議が長良川河口堰(ぜき)の開門調査の是非を検討する中、日本魚類学会(会長=後藤晃・北海道教育大特任教授)が「生物多様性の著しい回復が見込める」として、調査を支持する意見書をまとめた。学会は、1400人でつくる国内最大の魚類研究者の集まりで、開門調査への態度を表明するのは初めて。
26日に愛知、岐阜、三重の3県の知事と名古屋市長、国土交通相、環境相、水資源機構の理事長宛てに意見書を郵送した。
意見書では、海水と淡水が混じる汽水域に河口堰が設けられ、「川と海を回遊する魚類の生息環境を著しく変化させた」と指摘。堰上流は淡水化され、「ヨシ帯やカニ、ゴカイ類などが激減し、汽水性の魚類も多くの生息場を失った」としている。
その上で、開門調査を「自然再生の重要な試み」と評価。自然の保全と復元の責務を定めた生物多様性条約に触れ、「後世代に残すべき貴重な自然を認識し、条約の責務を果たすことで国際社会に誇れる」として調査実施を求めている。
意見書の提出は学会に、評議員の向井貴彦・岐阜大准教授が提案した。
向井准教授は「開門調査で汽水域が回復すれば、伊勢湾全体の環境改善にもつながる」と話している。
★ NHKニュース 12月26日 19時30分
魚類学会 開門調査の実現要望
http://www.nhk.or.jp/lnews/gifu/3006457861.html
長良川河口ぜきをめぐり、愛知県の専門家による委員会が5年以上の開門調査を求める報告書をまとめましたが、魚類の専門家などでつくる日本魚類学会は、「魚類の生息環境が改善し、生物多様性の著しい回復が見込める」として開門調査の実現を強く求める要請書を26日、愛知、岐阜、三重の知事や名古屋市長、それに国などに送りました。
日本魚類学会によりますと、開門調査によって、河口ぜきの建設で失われた真水と塩水が混ざり合う汽水域が復元され、激減したスズキやマハゼの増加が見込まれるほか、川と海を回遊するアユなどの魚も、遡上の障害がなくなるため増加が期待できるなどとしています。日本魚類学会では「開門調査は世界に類を見ない試みであり、国際社会に誇れる事業が実現するよう強く要望したい」と話しています。
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11月14日に開催された中部地整の「平成23年度 第1回中部地方ダム等管理フォローアップ委員会」
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/dam_followup/h23.htm で、
【愛知県の「長良川河口堰検証専門委員会報告書(案)」について】という議題が設定され(このこと自体がヘン)、毎度お馴染みの「有識者」の面々が随分勝手な「感想」を述べている。
「魚類の専門家」としてフォローアップ委員を委嘱されているK氏は、この日は欠席でコメントのペーパーを出している。
<議事要旨> p5~
(3)愛知県の「長良川河口堰検証専門員会報告書(案)」について
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/dam_followup/pdf/h23_gijiyoushi.pdf
別紙―2(p9)
K氏によれば、「今回の愛知県専門委員会の報告書」は「単純で、非科学的な評価や結論」なのだそうだ。K氏は、このスゴイ評価を維持して、気鋭の専門家との論争に挑む覚悟はあるのだろうか?
長良川河口堰検証PTで、「専門委員会には魚類の専門家はいなかった」ことをもって専門委員会報告書の内容を否定しようとしたM委員の議論はどうなるのかな?
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