岐阜県の新年度予算案-県債残高膨らむ- |
岐阜県は、2月17日、来年度予算案を発表した。
岐阜県HP
http://www.pref.gifu.lg.jp/
トップ > 県政の運営 > 財政・予算・決算 > 予算 > 予算の概要 > 平成24年度当初予算
http://www.pref.gifu.lg.jp/kensei-unei/zaisei-yosan/yosan/yosan-gaiyo/24yosan-z-tousho.html
まだ予算「案」(しかも議会への提出前)なのに、HP上では「当初予算」となっている。
県議会は100%修正なしで通る、という自信の表れか・・・知事側にも議会側にも緊張感がなさすぎるのではないか、と思う。
中日新聞は、岐阜県版に大きな記事を載せた。
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★ 中日新聞 岐阜県版 2012年2月18日
改革総決算も減らぬ「借金」 新年度県予算案
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20120218/CK2012021802000105.html
【写真】2012年度予算案を発表する古田肇知事=県庁で
県が17日に発表した新年度予算案には3つの柱がある。1つは大規模災害に備える防災、2つ目は国体を通じた地域づくり、3つ目は円高などに左右されない産業育成だ。「安全、活力、安心の政策を展開する。筆頭が防災の強化だ」と古田肇知事。二期目、そして3年計画の行財政改革の最終年度が重なる新年度を「総仕上げの時期」と位置付ける。だが、使い道を特定しない一般会計のうち2割弱は借金の県債で賄い、残高は1兆4000億円に膨らむ。 (山本真嗣、石井宏樹)
行財政改革で出費を切り詰める中、古田知事は道路や河川整備などの公共事業費を11年ぶりに増やした。防災対策のためだが、依然として借金と積立金の取り崩しに頼る綱渡りの予算編成に変わりはない。
借金に当たる県債は1兆4260億円と過去最高。県民1人当たり68万6722円に上る。積立金に当たる基金の残高は20年前の10分の1以下の152億円まで減る見通しだ。
バブル崩壊後、景気対策を名目に、基金はハコモノに消え、県債は膨らんだ。その結果、財源の多くを借金返済に充てざるを得ず、新たな借金に国の許可が必要な状態にまで陥った。
職員給与や補助金がカットされた行財政改革。「意図したところは実行しつつある」。古田知事は改革達成に自信を示した。11年連続で減り続け、20年前の規模になった予算案を「身の丈」とも言った。
足元を見続けなければ、また、身の丈を外れるおそれがある。 (山本真嗣)
◆グラフ内の用語
【歳入】
▽諸収入 宝くじ収入や県税の延滞金など
▽地方消費税清算金 自治体に配分される消費税の一部
▽地方交付税 国が税収の少ない自治体に配る仕送り。使い道は自由
▽県債 歳入不足を補うために発行する債券。県の借金
▽国庫支出金 国が使い道を決めて地方自治体に配る補助金
▽自主財源 地方税や使用料など県独自の収入
▽依存財源 県債や国庫支出金など県独自で集められない財源
【歳出】
▽公債費 県債の返済に充てる
▽民生費 高齢者福祉や子育て支援など暮らし関連全般
▽土木費 道路やダム、堤防などの建設・整備
▽諸支出金 地方税法に基づき、県税の一定割合を市町村に交付する
▽総務費 公務員給与や庁舎管理など。国体の経費も含まれる
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「 バブル崩壊後、景気対策を名目に、基金はハコモノに消え、県債は膨らんだ。」
私としては、ハコモノだけでなく「徳山ダム」に言及せざるをえない。
不要な水の水源費を償還している(何と「一般会計」から! 地方財政法違反だ)。
本来単年度で決済すべき治水負担分を県債で補填したために、今も一般会計を圧迫し続けている。
何度目かだが、徳山ダム岐阜県負担額の表。
数字は、岐阜県河川課から貰ったエクセル表から。
岐阜県発表の徳山ダム建設費負担(支払い)についてのエクセル表(岐阜県河川課作成)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota2/gifukenhutan.XLS
まさに梶原県政のツケである。岐阜県民のとっては、重すぎるツケだ。
梶原は、一時期「(中央集権と)闘う知事」を自称し、マスコミもそのように扱ったことがある。
一体何のため誰のために「闘った」というのだろう?
ハコモノや土建公共事業に湯水のようにお金を使うために、大いに”リダーシップ”を発揮し”闘った”。
国から事業をとってきた=連動して岐阜県の負担金も増えて基金を取り崩し、借金を重ね・・・ さらには裏金づくり、裏金隠しまでやってくれた。
けれどご本人は、「岐阜県のために頑張った、功績大だ」と思っているらしい。
原子力ムラのOBたちも同じ感覚か。
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他のメディアの記事。
毎日新聞も大きい記事を出した。「清流国体」に触れ、
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自由に借金することを親から禁止されて2年。13年度には禁止が解かれる見込みだが、貯金(財政調整基金)は15万円まで減った。一方で、治療費は年間4万~6万円増えると見込まれ、厳しい台所事情は変わらない。12年度は祭りの年だが、高価な「飾り」を張り込むと、子どもの世代につけを回すことになりかねない。
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と警告している。
★ 毎日新聞 2012年2月18日 岐阜版
県:12年度当初予算案(その1) 11年連続で減少 一般会計、0.5%減7424億円 /岐阜
http://mainichi.jp/area/gifu/news/20120218ddlk21010038000c.html
県は17日、総額8541億5740万円となる12年度当初予算案を発表した。一般会計は前年当初比0・5%減の7424億4000万円で、11年連続で減少した。12年度は、財政再建を目指して10年から進めている「行財政改革アクションプラン」の最終年度。厳しい財政状況は変わらないが、一方で東日本大震災を受けた防災対策や歴史的な円高への対応は待ったなし。古田肇知事肝煎りの国体の本大会も開催される。「やらなければいけないことに対応しつつ、身の丈にあった予算案」(古田知事)となった。予算案は24日開会の県議会に提出される。【石山絵歩】
◇県債依存率16・7%
■歳入
4月から県独自の「森林・環境税」を導入することや、年少扶養控除の廃止、エコカー減税の見直しで税収は前年比2・4%、45億円増の1950億円の見込み。法人2税は今年度当初予算を2・4%上回ったが、東日本大震災や歴史的円高を受けて企業の収益は減少しており、11年度の決算見込み額は下回るとみられる。
一方、地方特例交付金は、児童手当と子ども手当の廃止で17億円減の8億円。地方交付税も、県税収入が増加する見込みのため14億円減の1754億円となった。
■歳出
東日本大震災や台風などの自然災害を受けて、防災関連の公共事業は同32億円増の592億円。県単事業も同17億円増の210億円となり、大幅に増加した。一方、国の補正予算でできた基金を使った普通建設事業は減少した。
社会保障関係費は年々増加しており、12年度は同18億円増の900億円を見込む。国の補正予算で設けられた基金を活用した事業が同31億円減少した一方、介護保険事業の県負担は要介護者の増加で11億円増加した。
また本大会が開催される「ぎふ清流国体」予算は59億円増の93億4372万円を計上した。
■県債
地方交付税の不足分を県自らの地方債で補う臨時財政対策債が増加を続けている。12年度は、同19・6%増の670億円分を発行する。県債全体は7・1%増の1237億円で、県債依存率は16・7%となる。
返済にあたる公債費は1279億9500万円。12年度末の県債残高は1兆4260億9800万円の見込みで、県民1人当たり68万6722円となる。古田知事は「臨時財政対策債は、交付税を優先的にもらえるが、本来の借金より増えており、どこに歯止めがあるのか。国との協議が必要だ」としている。
◇これも思い出作り? 国体に93億円 市町村から疑問の声も
12年度に本大会を迎える「ぎふ清流国体」と「ぎふ清流大会」。2カ年の開催経費は165億円で、12年度は93億4372万円を計上した。ほかにも環境整備やイベントなど関連経費が少なくとも1億7880万円に上り、財政負担は重くのしかかっている。
国体予算は、開閉会式、競技会運営のほか、会場のバリアフリー化に19億8843万円が使われる。また開催前の炬火(きょか)リレーのため、案内看板や警備などに約2億円が計上された。
炬火リレーは、簡素化の流れの中で近年は実施されないことが多いが、前回の岐阜大会で炬火リレーの最終ランナーを務めた古田知事の思いは強い。「前回大会との違いは、42市町村全部で競技が行われること。『県民総参加』で盛り上げるという目標に沿うだけでなく、思い出作りにもつながる」と説明する。
市町村からは「国体全体の簡素化を目指すなら省略できる」などと疑問の声も上がっている。知事は各市町村に説得を続ける方針で、今後も協議が続きそうだ。
◇防災対策33・9%増 震災で最重要方針に
東日本大震災や福島第1原発事故を受けて、国民の防災に対する意識は大きく変わった。県内に原発はないが、近隣県に立地する原発事故で影響を受けると想定し、県は地域防災計画を修正。12年度の予算でも、防災対策を最重要方針の一つとし、昨年多発した台風などの災害復旧も含め218億5270万円の防災対策費を計上した。11年度当初より33・9%、163億1910万円増えた。
震災対策としては、大規模災害で固定電話や携帯電話が不通になる場合に備え防災情報通信システムを更新。県と市町村のテレビ会議を可能にする。また災害直後の医療体制強化のため「災害医療コーディネート体制」を構築する。
原発対策としては、原子力防災室を設置。緊急時迅速放射能影響予測システム・SPEED1を導入する。敦賀原発(福井県)などの30キロ圏内に入る揖斐川町にモニタリングポストを設置する。
防災関連事業62のうち11事業が原子力防災関連となった。
◇家計にたとえると 親の仕送りに依存、借金は年収の倍以上
県の12年度の一般会計予算案を家計に置き換えて考えてみると、相変わらず親(国)からの仕送りに依存しながら年収の倍以上に膨らんだローン返済に追われる厳しい現実が見えてくる。12年度は、災害に備えた家(道路、建物)の改修補強の出費があるほか、47年に一度の祭り(国体)の年。しっかりやりくりしなければ、本来お金を使うべきところに使えなくなってしまう可能性がある。
◆収入
額を10万分の1にして年収は742万円とする。自分の給与(県税)は195万円のみ。親の仕送り(地方交付税、国庫支出金、地方譲与税など)の278万円が頼りだ。ただ親も借金地獄に苦しんでいる。仕送りの一部(地方交付税)の不足分を補うため、67万円の借金の肩代わりをする(臨時財政対策費)。肩代わりも含め新たに123万円の借金をせざるを得ない状況だ。
◆支出
ローン返済(公債費)は新たに借金する額とほぼ同じ128万円。食費(人件費)は3万4000円も切り詰めて223万円としたが、薬代や治療費(生活保護費)は同1万8000円増の90万円となった。
◆展望
自由に借金することを親から禁止されて2年。13年度には禁止が解かれる見込みだが、貯金(財政調整基金)は15万円まで減った。一方で、治療費は年間4万~6万円増えると見込まれ、厳しい台所事情は変わらない。12年度は祭りの年だが、高価な「飾り」を張り込むと、子どもの世代につけを回すことになりかねない。
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◆東日本大震災・原発事故を受けた主な事業◆
県防災情報通信システム実施設計・工事委託費 2億4390万円
医療機関等災害時通信確保事業費補助 6448万円
放射性物質拡散想定図業務委託費 2478万円
原子力施設周辺の放射線監視の強化 2億 940万円
SPEED1ネットワークシステム端末運営 1694万円
道の駅防災機能強化推進費 5000万円
警察施設耐震改修 3520万円
災害時における警察検視活動の資機材の整備 907万円
総合防災訓練の実施 180万円
★ 岐阜新聞 2012年02月18日10:02
県一般会計7424億円 新年度予算案、11年連続減
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120218/201202181002_16290.shtml
県は17日、総額8541億5740万円の2012(平成24)年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比0.5%減の7424億4000万円で11年連続減。財政再建を推し進めた行財政改革アクションプランの最終年で、東日本大震災を教訓に防災対策など安全づくりを最重点とした。本番を迎えるぎふ清流国体・ぎふ清流大会は県が未来づくりの方向性として掲げる「『清流の国ぎふ』づくり」の中核に位置付ける。古田肇知事は「アクションプラン総仕上げの年。新しい課題には安全・活力・安心の観点から積極的に対応した」としている。
重点方針の筆頭に掲げる防災対策強化は、震災対策検証委員会の110項目の提言や多発する局地的豪雨などを受け、原子力災害対策や耐震化、集中豪雨災害対策など主要62事業に同33.9%増の218億円を盛った。うち原子力防災体制強化は1億3833万円。
農地防災や緊急輸送道路整備、基幹河川改修などを進め、県が事業費の一部を負担する国直轄事業と国補助事業を合わせた公共事業は同32億円、県単独事業も同17億円、それぞれ増加する。公共事業の増加は11年ぶり。
国体・大会の開催経費には84億5500万円を計上。開・閉会式には7億6633万円を計上し、全国に「清流の国ぎふ」を発信すると同時に、被災地の復興と日本再生へのメッセージを送る。「活力」の創出として、中小企業中心の県内産業が超円高など激変する経済情勢に対応するため、円高を逆に活用した海外事業展開など攻めの体制構築に注力する。
財源となる歳入は、森林・環境税の新設などで県税は同2.4%増の1950億円を見込む。借金に当たる県債は同7.1%増の1237億円。後に交付税措置される臨時財政対策債が同19.6%と伸びたため。
アクションプランでは、県事業や補助金見直しの継続などで280億円の財源不足を補った。公債費は同1.4%減と3年連続で減らし、13年度決算で起債許可団体から脱却できる見込み。予算案は24日開会の県議会定例会に提出される。
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参照
•重い重い岐阜県の徳山ダム建設費負担-シツコク-[ 2010-11-17 00:13 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/14992153/
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