イタイイタイ病とフクシマ、そして徳山ダム審 |
3月17日の中日新聞夕刊に以下の記事が載った。
毎日新聞が何本もの記事で詳しく報じている(が、上手く記事を取り出せない)。
★ 毎日新聞
◆ イタイイタイ病:カドミウム土壌復元完了 開始から33年
トップ>フォトニュース>アーカイブ> 2012年3月17日 11時06分
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2012/03/17/20120317k0000e040178000c.html
◆ イタイイタイ病:再発防止決意新た 農地復元事業で感謝状--富山で完工式 /富山
http://mainichi.jp/area/toyama/news/20120318ddlk16040386000c.html
◆ イタイイタイ病:農家のプライド支えに 福島にエール
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120317k0000e040202000c.html
イタイイタイ病の原因物質・カドミウムに汚染された田が復元されるまで、富山市の神通川流域では多くの農家が人の口には入らないコメを作り続けた。同市の兼業農家、吉田清さん(80)も心が折れそうになりながら、「もう一度おいしいコメを作る」という信念で、田を守り続けた。汚染された土壌の復元事業は17日、33年をかけてようやく終わった。今は、東京電力福島第1原発事故で被災した農家を気遣い、励ます。
(以下略)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
汚染された大地。
まさに「今」の福島の問題だ。
◇ ◇
同時に、この記事を見ると、どうしても言及しておかねばならないことがある、と思う。
「有識者」の責任。
1995年に徳山ダム事業審議委員会が設置された。
<参考>
徳山ダム建設事業審議委員会「意見」と導水路裁判 [2010-03-02]
http://tokuyamad.exblog.jp/12987293/
1996年10月10日「徳山ダム 建設省との対話」[2010-02-26 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/12957129/
徳山ダム建設中止を求める会 14年目に [2008-12-30 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/10019331/
そもそも徳山ダム審の委員の構成が、関係自治体(首長、議会)が半数以上で、「学識者」は関係県知事が選んだ(建設省中部地方建設局は「間接民主制ですから」とおっしゃった)。
関係自治体すべてが「徳山ダム建設推進」なのだから、結論は最初から見えている。
仕切った委員長は館正知という人(元岐阜大学長、公衆衛生学,2003年に死去).。
梶原拓・岐阜県知事(元建設官僚)とは親密な間柄で、どうやらそれは道路公害裁判でこの館氏が建設省側の証人として立つのどうの、ということから始まったらしいが、詳しくは知らない(館正知氏が、川崎の道路公害裁判で建設省側の証人に立った、ということは事実)。
「館正知という人物はイタイイタイ病裁判で『役割』を果たしたそうだよ」という情報を得て、現地に問い合わせた。
即刻、館氏の意見書(被告三井金属の依頼による)のコピーが送られてきた(残念だが、コピーの画質が悪くて読みにくい)。
その素早さに「恨みの深さ」を感じた。
館正知氏は、1997年に、岐阜県が「御嵩町の産廃住民投票潰し」のために設置した産廃問題の委員会の委員長も務めた。
つくづくと罪な御仁である。
自分がどんなに人を苦しめているのか、全く分かっていない、分かろうとしない。
イタイイタイ病裁判で負けた側の意見書を書いたのだが、「学問的に公平に書いただけ」なのだろう、少しも反省もしないし、少しの責任も感じていない。
◇ ◇
今「原子力ムラ」の御用学者の面々の何の反省もない様子に、「国民一同」呆れている。
だが、「学問の世界」なるものは、ずっとそうしたものだった。
恥ずかしながら、薬事審議会委員のときに複数の製薬会社から多額の寄付を受け取っていたヤツが親類に居る・・・「個人的に消費したわけではない、研究費に充てた」からそれ良いのだと最後まで思っていた(あれだけ薬害を出しても全く反省なし)。
つける薬のないこうしたご連中に対して、一体どうしたら良いのだろう???
やっぱり地道に運動をして、地道に変えていくしかないのだろうな・・・。
◇ ◇
ひょっとしてこれを読んでいる「官僚」さん。
私は「徳山ダム審のとき、委員長をはじめとする『結論は決まってるのだからさっさと終われ』の圧力に対して、とにかく13回の開催を粘ったのは、少しでも『透明性』を確保したかった官僚サイドの頑張り」だと思っているんですよ・・・館さんよりは官僚さんのほうが大分マシな人々だ、と。
(少しは私のこの「片思い」に応えて下さいな-笑-)
いえ、館さんは「結論は決まっているのだから別にゆっくりでも構わない」とおっしゃったかもしれませんけどね。 今となっては闇の中。
結局「有識者」って何?
◇ ◇
3月12日の明け方。一面の雪。