政界再編の序章? 前田国交大臣のクビ問題 |
◇ ◇
16日0時15分 この部分のみ更新(追加)
15日23時台のNHKのテロップに「下呂市長選 野村氏初当選」と出ました。
石田氏、敗北です。もともと苦しい闘いに、国交相文書騒ぎが重なりました。
今回の「下呂市長選/前田国交大臣のクビ?」は、「向こう側」が仕掛けたことです。
「前田国交大臣、辞めろ」という形での攻勢は、強くなることはあっても、緩まないでしょう。
(もっとも「大飯原発再稼働」問題で、内閣そのものが吹っ飛ぶかもしれませんが)
「民の声」は、間違いなく脱原発です。
脱原発
リベラル =「平和・護憲、環境重視、福祉重視 etc」
VS
原発推進
新自由主義+超保守 =「軍事タカ派、経済優先、社会保障縮減、増税、TPPetc」
この闘いは、一層、激しさを増すでしょう。
態勢を整え直して、立ち向かわねばなりません。
浜岡原発が立地する静岡県御前崎市の市長選、15日投開票。。
原発をずっと容認してきた(原発と共にあった)現職が勝ちました。
でも、でも、民の声は、私たちの側にある。
大飯原発再稼働強行は、少し遠のきました。
「一時的原発ゼロはありだ」と枝野経産相が言ったそうです。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2012041500101
民衆の「闘い」が情勢を変えています。
We shall overcome , someday !!
◇ ◇
4月11日夜、ネットをあれこれいじっていたら、こんな産経新聞記事が目に飛びこんで来ました。
★ 産経新聞 4月11日(水)19時40分配信
前田国交相が「地位利用」 公選法抵触か、建設業協会に応援文書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120411-00000601-san-pol
前田武志国土交通相(74)が8日告示の岐阜県下呂市長選(15日投開票)を前に、特定の候補を応援する文書が地元建設業協会の幹部あてに郵送されていたことが11日、分かった。
文書は直筆のサイン入りで、国交省の公用封筒で送られた。公職選挙法では告示前の事前運動や、大臣など公務員の地位を利用した選挙運動を禁じており、抵触の恐れがある。
関係者によると、問題の文書は告示直前の2日の消印で建設業協会に届いた。特定の候補者を「年来の同志」「実力は折り紙付き」などと紹介し、「貴協会におかれましても、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)をよろしくお願いいたします」と結ばれていた。
日付は「3月吉日」。差出人は「国土交通大臣 前田武志」で名前の部分は手書きだった。前田国交相の名刺も同封されていた。
前田国交相はこの問題について、11日の衆院国土交通委員会で伊東良孝議員(自民)から追及を受け、「同僚議員に頼まれてサインした。不注意だった」などと弁明。
答弁によると、文書は同僚議員側が用意し、3月下旬ごろ、サインして渡したが、文面についてはよく覚えておらず、郵送先などについては「知らなかった」としている。
公選法は事前運動や公務員の地位利用を禁止し、違反すれば禁錮または罰金が科される。
元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)は「建設業界を所管する大臣が自らサインをし、建設業協会に支援を求めるやり方は不当な『地位利用』ととられても仕方がない。違法性が高く、配慮にかける行動だ」としている。
//////////////////////////////////////////
なんだかヘンだ、と感じました。
産経新聞の記事の調子と「本当のこと」はだいぶ違う、と。
//////////////////////////////////////////
こちらの記事のほうが、わかりやすい。
★ 岐阜新聞 2012年04月12日09:03
下呂市長選、国交相が候補者支援依頼 建設業協幹部らに
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20120411/201204111803_16745.shtml
15日投開票の下呂市長選をめぐり、前田武志国土交通相名で無所属新人の石田芳弘候補(66)の支援を求める文書が、告示直前に地元建設業協会幹部ら2人に届いていたことが11日分かった。前田氏は同日の衆院国土交通委員会で署名を認め、「同僚議員から頼まれた文書にサインした。不注意だった」と釈明した。告示前に特定候補への支援を呼び掛ける行為は、公選法が禁じる事前運動や公務員の地位利用に触れるおそれがある。
文書は「石田芳弘さんを中心に、新たな試みが生まれてくることを期待せずにはおれません。貴協会のご指導、ご鞭撻(べんたつ)をお願いします」と記されていた。今月2日付の消印があり、国土交通省の公用封筒で下呂建設業協会理事長らに送られた。
文案を作成、署名を依頼したのは、元下呂市長で石田氏を支援する民主党の山田良司衆院議員事務所。別の機会に受け取った前田氏の名刺も同封した。山田氏は取材に「投票お願いしますとは言っていないが、前田氏に迷惑を掛けて申し訳ない」と述べたが、石田候補や陣営は関わっていないと強調した。
委員会で追及した自民の伊東良孝氏は「所管業界に対する大臣の圧力」と指摘。前田氏は「中味は全く記憶にない」とする一方で、「大臣としての立場では不注意極まりなかった」と述べた。石田氏は取材に対し「山田氏はよかれと思ってやったのだろうが、腹立たしさを感じる。この件で事前事後とも報告はなかった」と答えた。
市長選は、石田氏と無所属現職野村誠氏(63)=自民、たちあがれ日本推薦=の一騎打ち。自民県連幹部は「大問題。民主党のやり方が汚い」と切り捨てた。
自民県連は同日、愛知県の自民県議ら2氏が石田氏陣営に応援に入ったとして、愛知県連に抗議文を送った。
/////////////////////////////////////////////
山田 VS 非山田 ドロドロの確執。
それでも全容を伝えていない。
下呂市長選を巡るベタベタの泥仕合が「事実」を巡る舞台であるには違いない。
しかし、急にローカル泥仕合が、国政問題に化けた。
下呂市長選はどこかにすっ飛んだ。(※)
国交大臣のクビを巡る政局だけで終わらない気がする。
※ 下呂市長選は4月15日投開票。
「石田氏は、実は山田良司とは親しくないんだ」という「安心感」から
選挙事務所を訪れる人もボチボチいるそうだ。
「悪影響は最小限に抑えられたのでは」という声も聞かれるが
ハナから苦しいのだから、全く楽観はできない。
13日と14日の中日新聞岐阜県版は、下呂市長選記事を載せているが、
この「前田国交大臣文書」には全く触れていない。
下呂地域では既に収束したこと、ということか?
すでに問題は「国政」に映り、岐阜新聞の取材範囲を超えてしまった。
◇ ◇
◇ ◇
「前田国交大臣のクビ」が政局になる前に、「前田国交大臣のクビ」問題をも超えた大きな「政治」の空間へと問題は移行(飛躍)してしまった。
そう感じていたら、4月14日の福井県庁への枝野経産大臣の訪問。
この福井県庁前の抗議行動をネット中継で見ていて(ネットで「参加」して)、
妙に納得した。
今は、「脱原発」こそが政治の軸なんだなぁ、と。
あるときは「9条改憲」が軸であったように。
この軸は、リベラル=「平和・護憲、環境重視、福祉重視 etc」と、
新自由主義+超保守=「軍事タカ派、経済優先、社会保障縮減、増税、TPPetc」
という対抗軸と重なっていく。
だから、今の支配階級(という呼び方には慣れない方もおられるでしょうけど)にとって、
「脱原発」こそが 「最も危険な存在」なんだぁ、と。
つまりは「歴史偽造右翼」=原発マフィアなんだぁ、と。
ときどき大阪方面の御仁のようなのが出てくるが、あれは「変化球」であって本流ではない。
(害悪性は本流以上かもしれないけど)
妙に納得しまくり。
要するに「脱原発勢力を潰せ」ってことか。
これが向こう(支配階級)勢力からの「政界再編闘争」の始まりで、
気が付かないのはお人好しの「リベラル」勢力のほうなのかも。
それではひねり潰されるぞ!!!
頑張れ!!! リベラル勢力!!!
◇ ◇
◇ ◇
<「下呂の政治」からみたこの問題>
下呂のローカルな事情に一定程度通じている人は、「今度の騒ぎは、みんな山田良司(元下呂市長。民主党衆議院議員-東海比例-)が悪い」と口を揃えています。
山田良司という人物は、多分、下呂地域の独裁者になりたかったのでしょう。
で、下呂市長になったはいいが、あまりの横暴に議会が反発して、辞職勧告決議が可決されたこともありました。
「横暴・横車」の類と、新聞記事を通してしか「下呂の政治」をよく知らない岐阜県民一般は思っています。
しかし、固い固い自民党層(※)の「旧来の政治の秩序」に挑戦した、という面も確かにあるようです。
※ 中選挙区制度が小選挙区制に変わったとき、同じ自民党の藤井孝男
と金子一義が「コスタリカ方式」の協定を結んだ。
しかし基盤が同じ(超保守・タカ派)なので、2陣営はしっくりしない。
ついに藤井孝男は自民党離党を離党して「たちあがれ日」の結党に参加した。
その面をとらえて「山田良司氏は、勇気ある人だ」と評価し、「下呂を変えてくれる
人だ」と期待する一群もあって、「山田 VS 非山田」の確執が長々と続いています。
このドロドロベタベタの「下呂」という場所の市長選に、石田芳弘さんが出馬することになった経緯は、あまりよくわかりません。
石田さんは、愛知県では、あるいは教育基本法改悪反対で闘った人には知られている
けど、この地域では全く無名。
石田さんを知る人ほど「なんで下呂なんだよぉ、やめておいたほうが良いのにぃ」と
思っていました。でも石田さんは出馬した。
<石田芳弘さんという人物>
石田さんは、愛知県犬山市を地盤に政治活動を行ってきた人です。ずっと前は自民党
だった、と聞きます。これは実際には「愛知民社ではない」「社会党ではない」「共産党
ではない」ということ以上の意味をもちません。
犬山市議を経て愛知県議会議員、そして犬山市長。
犬山市長時代、石田芳弘さんは、「全国一斉学テ強行」「教育基本法改悪」に対して、
すごく踏ん張りました。
全国でたった一つ「文科省の全国一斉学力テスト」を実施しない自治体として有名
になりました。相当な圧力がかかったようですが、石田さんは屈しなかった。
その後、石田さんは2007年2月投開票の愛知県知事選に出馬しました。
私が「河川政策レクチュア」に行くことになってしまった選挙です。
いろいろありまして・・・共産党支持者の多くは「石田さんでいきたい」ということ
でしたが、「政策協定」を締結するに至らず、共産党系は別の候補(阿部氏)を立て
ました。(※)
石田さんは、神田(自民、現職)に惜敗しました。「石田+阿部」票は、神田票を
上回っていました。とても残念な話です。
「もし」あのとき一本化ができてい「たら」、木曽川水系連絡導水路も、設楽ダム
も違った展開になっていたはずです。
※ このことで、共産党をあしざまに言う人もいますが、この件に関しては、
私は共産党に同情的です。かの世界的企業の労組が中心である連合愛知幹部が
「共産党と政策協定なぞ結ぼうものなら」と石田さんを恫喝して、面談の約束を
ドタキャンさせた、とか。大いにありうることだと思いました。
もっとも、私は共産党の幹部の一人に「今回の知事選は『寝る』べし。政策協定
は上手くいかない。ひたすら『寝る』ことで石田さんを応援して。そのほうが、
すぐに来る愛知県議会選挙にとっても有利なはず」と囁き続けました。
その後石田さんは2009年の総選挙に立って、民主党衆議院議員になりました。
「衆議院議員にならずに、次の愛知県知事選に向けて活動するべきなのに」と多くの
人が思いました。
結局、このために2011年の愛知県知事選の選考から外れてしまいました。民主党
内には、石田さんを快く思わない人々も、少なからず存在するのです。
2011年の愛知県知事選は、名古屋市議会のリコール問題と絡むことになり、
名古屋では、「名古屋市長選、名古屋市議選、愛知県知事選」のトリプル選挙になりました。
石田さんは、河村たかし市長の政治手法にガマンができず、名古屋市長選に立候補しました。
親しい人たちは「やめておけ、勝ち目がない、政治生命を危うくするだけだ」と止め
たのですけど・・・。
石田さんは、「この選挙は(たとえ敗北しても)自分が立たねばならない、立って
闘わなければならない」と考えてしまうタイプなんですね。
その一本気なところが、彼の長所でもあるのですけど。
◇ ◇
◇ ◇
<国政との絡み>
ステージは、すでに国政・政局に移ってしまいました。
山田良司が議員辞職したところで、自民党&たちあがれ日本が、前田国交大臣追及をやめる
はずがない。
で、「なぜ下呂の馬鹿馬鹿しいほどローカルな<山田 VS 非山田>の怪文書騒ぎ
だったはずの問題が、あっという間に(*)、国政・政局の問題に化けてしまったのか」
を考えないわけにはいかないのです。
* 地元に貼り付いて取材している記者は「24時間のうちに話が変わった」
と感じたそうです。
私の「歴史偽造右翼が、『石田だけは絶対に許せん!』ということで動いた」という「歴史偽
造右翼暗躍説」は、さてどうなんでしょう?
ものごとの多面的な要素のうちの一つではある、と私は確信しています。
同時に、「歴史偽造右翼」は今「原発推進勢力」の顔で立ち現れている、という面をもっとしっかりみなければならない、と思いつつあります。
政界再編: 脱原発・リベラル VS 歴史偽造・原発推進
ここ16年間、岐阜(大垣)に本拠を置きながら、「えぇ? 近藤さんって名古屋の
人だと思っていた」といまだに言われるくらいに名古屋・愛知の市民運動に出没してき
ました。(「出没」などというと「よく言うよ、デカイ面をして仕切りまくっているクセに」と言われそう)
そして、課題はほぼ全領域にわたる・・・「秘密保全法反対」「脱原発」「ダム・河川」「平和」「朝鮮高校無償化問題」「反貧困」「障害者裁判」 ・・・多分書き切れていない。
そしてこのほぼ全ての領域に「石田さん」が重なります。
石田さんと親しい愛知の民主党国会議員も。
教育基本法改悪問題のときに、石田芳弘さんと親しくなりました。
以後、「ダム・河川問題レクチュア」の機会もあり、「反貧困/越冬実」でもお目にかか
っています。
「選挙に出たがりすぎ(ちょっと政治的オッチョコチョイ)」という面はありますが、本質的に
信頼できる人です。
単にローカルな政治家で終わらせてはモッタイナイ人。
前田大臣のクビがどうこう、政局がどうこう、という話だけではで終わらないと感じています。
民主党内にも「原発推進/歴史偽造右翼」はいっぱいいます。
自民党やたちあがれ日本などと組もうとする動きもなくはない。
他方、石田さんのようなリベラルもおり、国政でリベラルの存在感を示そうと、必死に模索している国会議員が愛知にいる。
大きな意味での政界再編に確実にからんで来ます。
民主党は、今の民主党のままで、次の総選挙の後までもつはずがない。
どういう潮流がどういうふうに結集していくのか、という面に、この「事件」が、結構、
大きな影響をもたらすだろう、というのが私の見方です。
<政界再編: 脱原発・リベラル VS 歴史偽造・原発推進>
の歴史的な闘争の序章になるかもしれません。
◇ ◇
◇ ◇
こういうことを電話やメールで伝えていたら「山田って人は、そんな大きな構想を
もって、前田大臣をはめる陰謀を巡らしたのですか?その証拠は?」という質問が
出て、のけぞってしまいました。
始まりは下呂市長選泥仕合で、山田良司が「国交相のサイン入りのものを建設業界
に配ったら票になる」と考えた、という低レベルのこと。
「どちらの陣営もやっている」類で、地元情報通には知られた話だった。
だから、地方紙もローカル紙も記事にしなかった。
それがいきなり国会質問に出て、東京方面から「知っていたならなぜ記事にしない!」みたいな話になった。
下呂市長選泥仕合が、急に、大きな政界再編「闘争」の序章になってしまった。
およそ歴史上の大事件は、「始まりはほんの些細なことだった。たまたま偶然が重
なった。その状態を奇貨としてシナリオを描く奴が出てきた。とんでもない大事件に
発展した」ということの積み重ねではないですか!
政治っちゅうのは、「今はまだはっきりしない、証拠ない」ことを三歩も四歩も先
読みするってことでしょう?
「外れ」のリスクを負いながら走るのが「政治」です。
「確実なこと」を積み上げるだけなら、官僚の分際でやれることではないですか。
つまりは「政治の官僚化」が進んでいるということか。
マスコミが一番官僚化していないか・・・・。
多分、私は「政治」が三度もメシより好き、という類の人間。