続・「謝罪」なんていけないよ |
本日(26日)の中日新聞朝刊。
これを読むと、真っ当な「記者会見」の中で、本人が動揺しきっている状態での「謝罪」があった、ということらしい。それならわかる。
ひどいバッシングに遭っている本人が、ついつい「ごめんなさい、全部私が悪いんです」みたいなことを口走ることはよくあることで、それはつまりバッシングとはイジメだ、ということを証明しているにすぎない。
ただ、最初(25日昼)のウェブ記事は、まるでヘンだし、産経あたりは「極悪非道。鬼畜のごとき河本が涙の謝罪」みたいな雰囲気だった(全部は読んでいない、読むに耐えないものだった)。
産経が浮きまくって特別なわけではない、だからコワイ。
まず、25日中に私の周囲で(メール栂なりを含む)おきたことの補充。
「5月25日12:55 発信」とは、つまりいわゆる反貧困系MLに多重投稿した、
こんなコメントもつけて発信した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんなことが当たり前になってしまったら、憲法25条も生活保護法もメタメタじゃない。
この河本とかいうタレント、扶養義務を果たし、その不足分を生活保護で補っていた。
何が悪いの?何が問題なの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
病院に検査にいって戻ってPCを開いた。私の発信へのレスは一つ。派遣村関係MLに入ったもの。
曰く:。
【「扶養義務を果たし」ていたといわれるその金額を福祉事務所に報告せず、収入認定を受けていなかったとすれば、それは法的にも、社会的にも認めがたいと思われます。】
ブッたまげた。まさに言葉尻であれこれ言っている。
「扶養義務を果たし」た。
少なくとも福祉事務所がそれでいい、という程度には母親に仕送り(援助)をしたのだ。河本氏が、福祉事務所に本当の収入を全部いっていなかったかどうかは、ここでは全く関係ない。「税務署には税金対策でかなり実際と違う額を所得として申告したよなぁ。福祉事務所に全部本当のことをいうと、税金が大変だ」と考えたとしても全然不思議ではない。
その程度の「道義的責任」は、記者会見までして「謝罪」することか?本当に法的責任まで追及される事項か?せいぜい行政処分だろう。
名だたる大手企業が、何十億円、何百億円という税金を誤魔化すのはよくあること。
税務当局に指摘され=バレて、修正申告をして一見落着。謝罪なんてしない。
「税務当局とは見解が異なるが、ここでは修正申告に応じた」 それだけである。
本当は、意図的脱法だけど法的責任は問われない、税務当局もこれで打ち止めにする。
「自分らは間違ったとは思っていないが、揉めたくないから、払ってやったのよね」と堂々と宣う。まるで税務当局のほうが、ケンリョクを嵩に着てゴリ押ししている、と主張しているようにみえなくもない。税務当局が無茶なゴリ押しをしている、というなら、ちゃんと裁判で闘え、仄めかしで終わるな。
あのたくさんの公認会計士・税理士が、よってたかってボンクラなわけか。税務当局に文句を言われないようにするのが彼らの仕事。
企業はたくさんの公認会計士・税理士を、「節税」と称する組織的大々的な脱税行為を「うまく」やるために雇っている。バレても「税務当局とは見解が異なる」でいくらか課徴金を払ってチャラにできるように「うまく」。なに、20回とか30回とか同様なことをして、そのうち1回バレたって、まる儲けだ。
法的責任を免れるように公認会計士・税理士の他に弁護士も雇っている。
道義的には無茶苦茶。「税金なんて払ってやるもんか!」っつうことだよね。でもそんなの知らん顔。知らん顔すれば済んでしまう。マスコミも「修正申告に応じた」以上は報道しない。
企業の国際競争力だの日本の産業発展のためだのとゴタクを並べて、大企業はたくさんの補助金(優遇税制による「事実上の補助金」というのもある)を受け取っている。受け取るほうはしっかり受け取って、払うほうは「バレなきゃ良い」とばかりケチる、誤魔化す。
そんなの企業の日常風景。これが全部「謝罪記者会見」などやられたら大変だ。毎日毎日数十社の似たような「謝罪記者会見」がずっとずっと続くことになる。面倒だから取材もしなくなる・・・・
そうか、本当は「謝罪記者会見」をすべきだけど、マスコミが取り上げてくれないからやらないだけか???
いやいや、「実はウチの企業は、今回税務当局に指摘されただけではなく、こんなグレーな節税対策をこんなにたくさん行ってきました」という記者会見をやったら、大きく報道されると思うよ。
ね、派遣村で頑張ってきたはずの人の「それは法的にも、社会的にも認めがたいと思われます」は、ピントがずれている。
「ピントがずれる」で済んでいれば良いけど、5月25日という日におけるこのピントずれは「片山さつきの応援団」ものだ。
そっけない文章からして、あんまり考えていない、ナニゲに「収入認定」が気になったのだろう。 もしかするとド素人の近藤ゆり子に「収入認定」なる概念と用語を教えてやらなくてはならない、と思ったのかもしれない。
そんなのご親切すぎて邪魔だ。
なんならその用語の定義や由来のひとくさりを述べましょうか?
全領域でド素人のクセにそれぞれの領域のある部分はド詳しかったりする、それが私・・・
まあ河川なら、水資源・国土保全局(舌噛む、河川局に戻せ)の局のご一同さまに「講演」をしてあげられるね。何、どうせ「キ-ワ-ドつなげ」だけでお仕事をしている皆々様、薄っぺらさには気づかない。(脱線! 戻して)
定義や由来のひとくさりは、くだらないヒマ潰しすぎるからパス。
★ 毎日新聞 5月25日(金)21時17分配信
<生活保護費>支給水準引き下げを検討 小宮山厚労相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120525-00000108-mai-pol
★ 中日新聞 2012年5月25日 18時11分
生活保護支給引き下げ検討 厚労相が表明
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012052501001911.html
最初から出来レース。要するに「生活保護バッシングの世論盛り上げ」をやる、最高潮に達したときに一気に「やる」
生活保護の根幹をどうにかしてしまう。
憲法の社会権を「プログラム規定/劣等処遇」に落とし込む。
やっぱりケンリョクは、組織的戦略的だ。
秘密保全法制もそうだもの・・・・わあああ。また原稿を書き損なった。
風媒社さん、ちょっと待っててね。今残っている10枚分くらいは、1時間半で書きますから(普段の400字/10分を、400字/8分にスピードを上げて一気に片づけます SOMEDAY)
続きの話があるのですが、これから3つの「別件」で外出。
続き分をアップできるのかどうか、いつできるのか、わからない。