堤防をなんとかするのが先でしょ? |
国土交通省九州地方整備局発表(2012.7.26)
梅雨前線に伴う平成24年7月13・14日出水について(速報版第2報)【矢部川水系、筑後川水系、山国川水系、遠賀川水系、六角川水系】 【PDF】
http://www.qsr.mlit.go.jp/bousai_joho/saigai_news/pdf/h24/20120726_01.pdf
矢部川の破堤は、越流ではなく、浸透決壊であった。
【浸透決壊】 関東地整HPより
堤防は決壊することもあります!!
http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/edogawa00069.html
浸透による堤防決壊のメカニズム
http://www.ktr.mlit.go.jp/takasaki/kawa_bousai_03.html
★ 東京新聞 2012年9月18日 朝刊
荒川堤防75%整備不足 9キロ 水浸透で決壊恐れ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012091802000111.html
河川管理者は、ダム等の洪水調節施設で、洪水のピーク水位をHWL以下に下げることこそが治水対策のキモであるかのように描き出す。
が、実際には、もっと低い水位でも破堤してしまうメカニズムを認めている。
さすがにこの九州豪雨災害を契機に各地整で堤防の緊急点検を行い、2012.9.4に発表した。
全てを詳細に比べたわけではないが、大きな河川としては「要対策延長」(つまり危険箇所ということ)木曽川水系は自慢できてしまうようだ・・・ワーストのほうで。
★ 【平成24年7月の九州の豪雨災害等を踏まえた堤防の緊急点検結果】
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/kinkyutenken.html
木曽川下流
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/pdf/KisoRiver_down_kinkyutenken.pdf
木曽川上流 http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/pdf/KisoRiver_up_kinkyutenken.pdf
ざっと図を見ただけで、とりわけ揖斐川の堤防が、どこもかしこも危なっかしい(*)ことがよくわかる。「徳山ダムさえできれば枕を高くして寝られる」というのが大嘘であることは一目瞭然。
*堤防が脆弱であれば、いかに上流のダムで流量のピークカットをしても、「想定外」の低水位で破堤の危険がある。
もっとも、このことは、徳山ダム建設工事のさいちゅうも国交省は隠してはいない。木曽川上流河川事務所のHPにも「問題箇所だらけの堤防」の図は何度か載っていた。
「徳山ダム建設工事も急いでいますが、堤防の改修も順次やっています」。
何せ「要対策延長」が、木曽川下流河川事務所管内で68.5km 木曽川上流河川事務所管内で39.4kmもあるのだから「順次やっていても」遅々として進まない。危険箇所は何年も(何十年も)放置されている。
河川施設の維持管理に使えるお金もどんどん細っている現状。その状況で「治水」費用で、木曽川水系連絡導水路890億円の65.5%を充てるというのか?
「動植物(ヤマトシジミ)の生育のための正常流量確保」
ヤマトシジミには、徳山ダムからの緊急水などいらない。むしろ異常渇水時にダムの底水を流すことによる、長良川・木曽川の環境破壊が懸念される。
木曽川水系では、水道水も工業用水も余っている。
導水路は要らない。
限られた予算は、本当に必要なところに優先配分して欲しい、
「人命が大事か、環境が大事か」?!?!
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10月3日、岐阜県は以下の発表をした。
★ 平成24年9月洪水における徳山ダム・横山ダムの連携した防災操作、河川改修の効果について
http://www.pref.gifu.lg.jp/kendo/michi-kawa-sabo/kasen/anshin/kasen-kaisyu/24-9kaisyu-koka.html
単に「徳山ダムは役に立っている!」と宣伝したいのか、もっと他の意味があるのか?意図はわからない。
岐阜県河川課として、大被害があったとはいえない一つの洪水についてこういうふうに詳しく(?)発表したことがあったのかどうか・・・・記憶にない。
9月19日には、中部地方整備局木曽川上流河川事務所が2つの発表をしている。
☆ 徳山ダム・横山ダム連携による洪水調節を行いました。(速報)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/prevention_backnumber/pdf/120919shusui_00.pdf
☆ 西濃地方の豪雨による揖斐川流域の出水状況(第1報)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/prevention_backnumber/pdf/120919shusui_01.pdf
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岐阜県の治水関係事業費推移。 H24年度当初まで。
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