言ったモノ勝ちか?! 中部地方整備局のケチづけ |
2011年6月22日、国交省中部地整河川部は、河川保全管理官(笹森伸博氏)の名前で、驚くような記者発表を行った。
愛知県が開催した「長良川河口堰公開ヒアリング」の場に出された富樫幸一・岐阜大学教授の資料が「事実誤認」だ、間違っているから中部地整・水資源機構の言い分のように正されるべきだ、というのだ。
長良川河口堰検証第1回公開ヒアリング
http://www.pref.aichi.jp/0000042262.html
★ 平成23年 6月22日
国土交通省中部地整河川部・独立行政法人水資源機構中部支社 発表
平成23年6月8日に愛知県が開催した「長良川河口堰検証公開ヒアリング」の資料について
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2011/06/0628.html
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2011/06/0628.pdf

事実関係の確認作業も経ず、いきなり「事実誤認」と決めつける・・・どうみても、国とは独立の位置にある他の行政機関に「介入」する行為であり、中立性・公正性・客観性を欠いている。
たとえばこの「発表資料」の13枚目の「赤ペン添削」を見ると:

「専用施設がなければ水利権は生じない」というのは誤りなき「事実」である。現に水利権を許可する立場にある中部地整河川部がそんなことを間違うはずはない。「~振り替えることになっている」から水利権は生じる、と言いたいのか? どちらが「事実誤認」か? 滅茶苦茶な話。
それにしても「~振り替えることになっている」ということ自体、根拠はどこにあるのか?と情報開示請求を行った。
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<経過>
(1) 2011.7.7に
<水利権許可量の「振り替え」を予定する文書>の開示請求をしました。
(2) 2011.8.4付けで開示決定がありました。
開示されたのはすでにホームページに出ているもの2枚でした。
→ 開示請求の内容と、このとき開示された2枚については
2012.3.26異議申し立て(審査請求)「経緯」参照
(8) 2012.3.26異議申し立て(審査請求)PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota5/shinsa2.pdf
(3)「開示された文書は、開示請求した文書に該当しない&すでにホームページに載せているものはその旨を告げることになっているはず」と異議申し立て(審査請求)をしました(国交省本省へ)
2011.8.15異議申し立て(審査請求)PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota5/shinsa1.pdf
(4)2012.2.14付けで新たな開示決定通知書が送られてきました。「本省の指導」ということで。
主なものは
「H22.2.24付け 名古屋市長から中部地整局長への許可申請書」です。
→名古屋市・水利権許可申請書(2010年2月) PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota5/kyokasahinsei10.2.24.pdf
(5)これは 全くもって≪ 水利権許可量の「振り替え」を予定する文書≫にあたりません。むしろ「長良川河口堰及び徳山ダムへ振り替えを留保する」という河村市長の意思表明です。
富樫さんが「需要と予測の低下 → 水利権削減へ 河口堰、ダム、専用施設がなければ水利権は生じない」としたことを裏付ける資料です。
(6)さらにオマヌケな話。
中部地整の「赤字添削」の「安定供給可能量は13.2m3/sであり、差分の2.29m3/sは」の部分は、正しくは「安定供給可能量は13.23m3/sであり、差分の2.26m3/sは」なのだそうです。誰かが小数第2位を書き落としたために、引き算した結果の数字が間違ってしまった・・・・。「添削」が必要なのは、中部地整の側なのです。
(7)もう一度2011.6.22の中部地整発表資料の表題を見ます。
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平成23年6月8日(水)に愛知県が開催しました
「長良川河口堰検証公開ヒアリング」の資料が愛知県のホーム
ページにおいて公表されていますが、その内容の一部に
事実誤認がありましたので、お知らせします。
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記者クラブを使って、何の根拠もないのに(それどころかむしろ反対側の根拠があるのに)、研究者の発表を「事実誤認」と決めつける。
反論も許さない言いたい放題を言ったもの勝ちか!
(8)また審査請求を行いました。
2012.3.26異議申し立て(審査請求)PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota5/shinsa2.pdf
情報公開制度の枠組みをはみ出した「場外乱闘」とされるであろうことは予測していますが、中立性・公正性を求められている行政が「何の根拠もない言いたい放題のケチづけ」などするべきではない、とクギを刺す効果はある(あった)と考えています。
(9)国土交通省は 2つの審査請求を併合して内閣府情報公開・個人情報保護審査会に諮問しました。
10月17日、内閣府情報公開・個人情報保護審査会から、諮問庁(国土交通省)の「理由説明書」が届きました。
国土交通省「理由説明書」PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota5/riyuusetumeisho.pdf
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