11月15日 長良川河口堰県民調査団 参加 |
1992年から続き、今回で35回目となる岐阜県の長良川河口堰県民調査団に参加した。
(昨年参加したときの記事= http://tokuyamad.exblog.jp/16870276/
2012.9.18岐阜県発表
「平成24年度 長良川河口堰県民調査団の開催について 」
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長良川河口堰は、平成7年7月の運用開始から17年が経過し、その間、県民から治水・利水効果を期待する意見が寄せられる一方で、事業効果に対する疑問や環境保全に対する要望等の意見が寄せられてきました。
県では、長良川の治水対策と自然環境保全対策について、これらの機能が十分に果たされているかを調査・確認するため、長良川河口堰県民調査団を組織し、下記のとおり現地視察を行います。
皆様のご参加をお待ちしております。
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「応募者多数の場合は抽選となります」とあるが、インターネットでの公募に気づいてから、応募して外れたことはない。
15日の「公募」参加者は、結局は顔見知りの4名だった。「応募者多数につき抽選外れ」とならないのは、良いのか悪いのか。
今回、愛知県の長良川河口堰検証でホットな「高須輪中の地下水塩化物イオン濃度測定箇所」「城南沖人工干潟」を視る。
★ 高須輪中の地下水塩化物イオン濃度測定
わざわざ今回の調査団の視察の対象としたのだから、さぞや「長良川河口堰のゲートを上げると塩害が起こる」というストーリーに親和性のあるようなものかとおもいきや、そうでもなく・・・
他の地点の観測終了後も引き続き観測が行われている[NO18]地点。


写真の2つのサンプル(採取地点についてはよく聴き取れなかった)、電気伝導度からの塩化物イオン濃度に換算して、1000mg/l、2700mg/l という結構高い値。

グラフを見る限り、長良川河口堰の所為(河口堰による長良川本川の水位上昇の所為)で、No18地点の塩化物イオン濃度が上がった、といえなくもないような???
岐阜県はこの地域の「塩害」に高い関心をもっているはずだが、肝心の「塩害防止/浅層地下水の塩化物イオンと高須輪中の農業の関係」は、説明する人間がおらず、全くわからなかった。(「あんまり関係ないと思う」と岐阜県の農業部門の担当者の呟きもあり)
事業者のデータだけでも、矛盾だらけ、ツッコミどころ多々、という感じがする。
平成22年度(第1回)中部地方ダム等管理フォローアップ委員会(平成22年8月31日開催)での報告は以下に。
☆ 長良川河口堰 p30~41 4.塩害防止・地下水位の変動 http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/dam_followup/pdf/h22_nagaragawa.pdf
★ 城南沖人工干潟
干潮でなければ干潟は海面の下に潜ってしまって見えない。この日の全ての行程は「13時20分」の干潮時にこの地点に居ることを優先して組まれていた。
確かに干潟の姿は見えた。

だが、寒い、寒すぎる。この秋一番の冷え込み。養老山系の稜線には雪も見え、風が冷たい。
「長良川河口堰建設に伴う春雪土砂の有効利用としての人工干潟」ということのはずだが、木曽川下流河川事務所からの説明は、その辺りはボンヤリ。寒い中での現地調査の意味がよくわからなかった。「事業のPR」にもなっていないようだが?
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「長良川河口堰は、平成7年7月の運用開始から17年が経過し、その間、県民から治水・利水効果を期待する意見が寄せられる一方で、事業効果に対する疑問や環境保全に対する要望等の意見が寄せられてきました。」
岐阜県では、ず~っと「事業効果に対する疑問や環境保全に対する意見」が存在したのだ。愛知県の長良川河口堰検証を傍観する(もっと言えば「足を引っ張る)のではなく、岐阜県にとっての「最適な運用」を前向きに探っていく姿勢が欲しい。
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