番外・「秘密保全法」と韓国のこと・・・・ |
前の記事
番外・「秘密保全法」パブコメ〆切最終日のことなど
http://tokuyamad.exblog.jp/20423472/
で
これでわかる!「秘密保全法」ほんとうのヒミツ ~ 風媒社 ~
http://www.fubaisha.com/search.cgi?mode=close_up&isbn=1099-0を紹介した。
このブックレットでは韓国での「北のスパイ「事件デッチ上げのことに触れている。
日本の植民地支配から「解放」された朝鮮半島は、南北に分断され、全土が戦場(民間人殺戮の場)となる厳しい歴史を経て現在に至っている。
38度線の南、韓国の人々は多くの犠牲を払いながら、民主化を勝ち取ってきた。
だが、途上である。
今現在も、国会情報院(KCIAの後身)による選挙介入、それを知った韓国の人々の全国各地でのろうそくデモ。集会、それに危機感を覚える国家情報院や大統領府によえう(と想われる)”維新時代”=朴正煕時代さながらの、デッチ上げ「内乱陰謀罪」事件、国会議員の身柄拘束・・・
前の記事で載せた
「特定秘密の保護に関する法律案の概要」に対する意見書(近藤)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/kondopubcom.pdf
最後のほうで「杞憂に終われば良いが・・・」と書いた。
多くの日本人は、「国家の秘密を保全する」という法律や制度が、実際はどういう運用をされているか知らない、無邪気に「大事な秘密を保護しているのだよね」と信じてしまっている。「大事な秘密」の中味は隠されたままだから。
◇ ◇
あえて、日本で今現在、法的根拠も不明架空なまま、公然と行われている、公務員の無断身辺調査や、陸上自衛隊情報保全隊の「活動」については、ここでは触れない。
・ 自衛隊の国民監視差止訴訟を支援するブログ http://blog.canpan.info/kanshi/
・ 秘密保全法に反対する愛知の会ブログ http://nohimityu.exblog.jp にも記事多数
日本の ”戦前”、元CIA職員のE・スノーデン氏の(現在進行形の)事件、そして現在、韓国で起こっていることを少しなりとも知って欲しい。
”戦前”の悪法といえば、すぐ頭に浮かぶのが「治安維持法」。 そのことは間違っていない。
ただ「治安維持法で処罰された(あるいは拷問で殺された)事件」というと、「酷い目に遭ったのは、しっかりとした「」主義主張をもった思想堅固なエライ人」というイメージで、何となく自分達とは縁遠いようにおもわれがちだ。
同じく”戦前”の悪法である軍機保護法や国防保安法。、「防諜関係犯罪」「外諜害鳥関係犯罪」「諜報関係犯罪」で検挙された、何百人という市井に暮らす普通の人々のことは、歴史の彼方に忘れ去られようとしている。これらに人々は、警察に呼ばれ、取り調べを受けた。結果、ほとんどは起訴に至らず、釈放された。
「泰山鳴動して鼠一匹も出ず」
だが、検挙さrてた人々は、十分すぎる社会的制裁を受け、それがモノ言えぬ軍部独裁、破滅的戦争への道を加速させた。
韓国 - 韓ドラの国、楽しい買い物、美味しい食べ物のの国、観光で訪れたい国- で、現在、起こっていることが、頭をよぎる。
私の言葉で説明することはとてもできそうもない。
「NPO法人 三千里鐵道」のブログ http://blog.goo.ne.jp/sanzenri2010
を是非ご覧になって欲しい。
どの記事も、非常に参考になるが
再考、イ・ソッキ議員の「内乱陰謀」罪
http://blog.goo.ne.jp/sanzenri2010/e/33094acc8e73bc71936fe0aa182a8d40
に引用されているアン・ヨンミン氏の『オーマイニュース』への投稿。
「『秘密保全法』によって(日本版)中央情報部ができたときの日本社会」を暗示しているよう。怖い。
<あなたも「イ・ソッキ(李石基)」にされる、私もそうだったから...。 アン・ヨンミン
北朝鮮の体制宣伝活動をした容疑-「『民族21』スパイ事件」被害者の訴え>
今度は内乱陰謀だ。銃器を奪取、基幹施設の破壊、人命殺傷という話まで出てくる。凄じい。イ・ソッキ統合進歩党議員に掛けられた容疑だ。これだけでも十分過ぎる衝撃だろう。政局を一瞬にしてマヒさせ、大統領選挙に違法介入した国家情報院への国民的糾弾まで冷却させた。進歩的な人々さえも、容疑内容への反論を躊躇するほどだ。「事実関係の把握が優先」として自らの保身を図るしかない。すでに民主党は、ロウソク・デモ政局から一歩引いている。
(中略)
こうした反応を見守りながら、私は2年前の悪夢が思い返されてきた。いや、今も裁判を通じて続いている、私の心身を根こそぎ蝕んでいる悪夢だ。
悪夢のデジャビュ
(中略)
しかし、国情院よりも辛かったのは周囲の反応だった。進歩的な人々さえ「まさか」と反応した。「まさか『民族21』がスパイ活動をするだろうか?」ではなく、「まさか国家情報院が根拠もなしに捜査するか?」というのだった。
(中略)
当初は妻でさえ、「スパイじゃないと言ったのは本当なんでしょうね」と私に尋ねるほどだったから、他の人々は言わずもがなである。当時、市民運動のある幹部は「この際、ウミを全部出してしまったらどうだ」と忠告もした。「今回の事件をアン・ヨンミン編集主幹の個人的な問題として処理し、『民族21』は大々的な革新宣言を出すことで存続を図るべきではないのか」という忠告だった。
(中略)
もっと皮肉だったのは『民族21』の編集局長だ。私とともにスパイ容疑を掛けられた編集局長は、3~4回の国家情報院出頭後に、起訴さえされなかった。韓国社会をひっくり返し『民族21』を社会と断絶させた「偵察総局の指令」は影も形もなかった。そして私に残ったのは、傷だらけになった体と心だ。
再び「泰山鳴動鼠一匹」になるのか
(中略)
ところが「泰山鳴動」に幻惑された世論は、後日の「鼠一匹」には関心を持たない。龍の頭だけを見る視線は、蛇の尻尾まで追わないのだ。頭の中にはただ「龍頭」だけが残る。そして同じような状況が起きれば、例の言葉をつぶやくのだ。「まさか」と...。
これは進歩的な人々も同じだ。『民族21』と私を指して「まさか」と言った人々は今日、イ・ソッキ議員と統合進歩党に対して再び「まさか」と疑う。国家情報院が流し保守言論が書きなぐる、一面的な「ファクト(事実)」にだけ関心を持つようになる。国情院が大々的な「魔女狩り」を通じて、自分たちの生存権固守に乗り出したという本来のファクトからは目を逸らしている。現政権が、大統領選挙の不正を糾弾するロウソク・デモを消火ために総攻勢に出たという、真の実体を見ようとしないのだ。
(中略)
イ・ソッキ議員と統合進歩党が気に入らないという人が、進歩陣営内でも結構いる。その人々の考えを批難するつもりはない。また、イ・ソッキ議員と統合進歩党に肩入れするつもりもない。ただ忠告したいのは、感情が先んじれば理性が曇るという点だ。理性が曇り始めた瞬間、主客は転倒する。
今、私たちに必要なのは理性だ。私たちの理性をただ、醜悪な書き込みで世論を誤導し、その実体が暴かれるや大々的な逆攻勢で危機脱出を図る、史上最大の非理性的集団に向かって集中しなければならない。そうでなければ、次はあなたも「イ・ソッキ」にされるからだ。
(中略)
◇ ◇
符合するかのように、9月11日、中日新聞夕刊「平壌ウォッチ」に、イ・ソッキ議員が本当に「内乱陰謀」を企てた「朝鮮労働党の工作員」であるかのように読める記事が載った。
中日新聞社HPから、意見を送った。
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中日新聞の記事について/9月11日 「平壌ウォッチ」記事について
中日新聞の憲法問題・原発問題に対する真摯な報道姿勢に敬意を表します。
特に9月13日付け社説
「秘密保護法案 軍事国家への入り口だ」
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2013091302000098.html
には大変共感を覚え、また「秘密保全法に反対する愛知の会」のメンバーとして、心強く感じました。
それだけに、9月11日夕刊の「平壌ウォッチ」記事は少々残念に感じます。
呉小元氏の考えを掲載する欄であり、呉氏の主観が反映されるのはやむをえない、けれど、朝鮮半島の現在と歴史に疎い「日本人」は、呉氏の主観をまじえた考えを、そのまま事実と受け取ることでしょう。
呉氏は「そうだ」と断定しては言っていませんが、今般逮捕(拘束)された統合進歩党国会議員が、朝鮮労働党の指令を受けて「内乱陰謀」を企んだかのように読めてしまいます。
しかし、例えば、ハンギョレ新聞やオーマイニュースを追っていくと、随分「話が違う」。
愛知県に中心がある「NPO法人三千里鐵道」のコラムは、そのあたりを纏めて解説しています。
☆ 2013年09月09日 | 三千里コラム 再考、イ・ソッキ議員の「内乱陰謀」罪
http://blog.goo.ne.jp/sanzenri2010/e/33094acc8e73bc71936fe0aa182a8d40
9月7日、私が世話人を務める「9条の会・おおがき」は9周年総会を行い、記念講演に、かつて韓国で「政治犯/死刑囚」であった康宗憲氏をお招きしました。
9条の会おおがき 9周年記念講演レジュメ
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/20130907kouen.pdf
9条の会おおがき 9周年記念講演資料
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/20130124asahi.pdf
9月11日「平壌ウォッチ」記事の目線で見れば、私たちまでも「従北勢力」を日本で支援する朝鮮労働党の工作員???
上述のように、この記事は”呉小元氏の考え”であり、直接、中日新聞社が記事の文言をどうこうではないのでしょう。
ただ、「中日新聞」という新聞の全体のバランスをとるという意味で、上記『再考、イ・ソッキ議員の「内乱陰謀」罪』のような視点からの「現在、韓国で起こっていること」の記事をお考え頂けないでしょうか。
ときあたかも「秘密保全法」パブコメ締め切り間近(17日)。
「秘密保全法」が成立すればそれを所管する部署ができます。
警察庁内なのかそれとも他の省庁内か、どういう名称かはわかりませんが、要するに「中央情報部-CIA」。
そうした機関はどんなことをするのかの典型例が、韓国の情報機関。
(日本の公安・外事は、緊密な連携をとり続けてきた)
<参考> 在日韓国良心囚同友会
http://www.e-sora.net/korea/
そしてCIAといえば、世界中を追い回されているスノーデン氏。
国家の違法な行為を内部告発すれば命の危険にさらされる。
国家の行為の違法性(人権侵害の程度)が高ければ高いほど「罪は重い」ことにされる。
まだこれから実行委員会を立ち上げますが(準備会を9月24日に行う予定)、
「スノーデン事件から見える米国と秘密保全法(仮)」
というような講演会を10月27日に行う予定で講師・会場の確保を始めています。
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返信があった。
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近藤様
いつも中日新聞を愛読いただきありがとうございます。
13日朝刊の社説と11日夕刊の「平壌ウオッチ」へのご意見をいただきありがとうございます。
編集局内に伝え、参考にさせていただきます。
今後ともよろしくお願いいたします。
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この文面それ自身は機械的なものだ。「誰にでも、どんな意見に対してでも、こうした返信をする」だろう。
過剰な期待はしていないが、しかし、何らかの形で「意見」は活きると感じている。
<追記 2013.9.22>
上記の中日新聞HPからの「お客様対応」の件とは直接の関係ないが、昨日(2013.9.21)中日新聞西濃版に、9月7日の講演会の記事が載った。「9条の会・おおがき」のスタッフの一人が見つけてくれた。2週間も経っているので、危うく見落とすところだった。
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