続 徳山ダムの水は「品質保証」されていない |
徳山ダムの水は「品質保証」されていない[ 2013-11-07 20:44 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/20794065/
の続きです。
徳山ダムの底、水温急上昇 鉄が溶け出し?(朝日新聞 2013年11月6日16時52分)
http://www.asahi.com/articles/CMTW1311062400004.html
この記事が出た直後の11月8日に、偶然にも(? 単なる偶然とは私は思っていない)、水資源機構木曽川水系連絡導水路建設所HPにお知らせが載った。
水資源機構木曽川水系連絡導水路建設所HP
http://www.water.go.jp/chubu/kisodo/index.html
水質調査データを更新しました
http://www.water.go.jp/chubu/kisodo/suisitutyousa.htm
◇ ◇
この件に関して、夏前から中部地整&水資源機構中部支社に何回もヒアリングをかけ、情報公開請求をかけていて、11月20日にやっと「徳山ダム水質調査結果報告書 ~ 貯水池内基準点底層調査~」が水資源機構から開示された。
CD-Rでの開示を求めたのだが、送られてきたPDFファイルは、たった14pなのに、重さが17.85MBもある。これではメールでやりとりできない。中味を瞥見して、その重さ分の情報価値はないと判断したので、全部を印字して、手書きで下に番号(ページ番号)を付け、スキャンしてPDFファイルにし、アップした。
20131120水資源機構開示 徳山ダム水質調査資料 PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/20131120tokuyamadamsuisitsu.pdf
この3p、「貯水池内基準点」の位置図。

◇ ◇
この開示資料を見ても「何がわかったのかわからない」
22日(金)のお昼過ぎから水資源機構中部支社に電話し、E氏にコールバックするように依頼していたが、こちらも別件の(石木ダムダム関係)情報公開の開示申し出手続きのために40分くらい自宅を留守にしたこともあって、うまく電話が繋がらない・・・繋がったのが、次の用件で外出するギリギリ(結局予定時間より大幅遅刻)
そんな状況なので、こちらも相当ツットンガっていたのも事実だし、最後に「時間が無い!」といきなり電話を切ったので、E氏はさぞやお腹立ちのことだろう。
22日、水資源機構中部支社の(この「調査」の実質的な責任者の)E氏に電話した。
”お腹立ち”以前の、まずは、PDFファイルの意味。
☆ p1~3 2013.9.6 打合せ簿
FU委員会での指摘に応えるべく、コンサルに発注をかけた、その中味と日付
☆ p4 2013.10.21 打合せ簿
コンサルから「調査結果」を受け取った旨の記録と日付
☆ p5~
「徳山ダム水質調査結果報告書 ~ 貯水池内基準点底層調査 ~」
報告のキモはp8の数値のようだ。
「このことから何が言えるか」についてはまだ何もわかっていないらしい。・・・というより、わかるための何事かもしていないらしい。
発注の時に関わった「専門の先生」1人には資料を渡したけど、(沖野さんも含めて)他の人には「報告書」を渡すこともしていないとか。
E氏=「温度が高いのは溶け込んだ結局金属の所為だろう、というふうなこと。金属の所為で比重が高いので温度が高くても底に溜まる。底のほうにだけ、分析のような水があることも確かめられた。有機物の働きなのか、硫酸イオン濃度が高く、それが中層斜面の岩盤の金属を溶かし、その金属が溶け込んだ比重の高い水が底のほうに入っていったのだろう・・・まだはっきりしたことはわからないが」

◇ ◇
「基準点底層」は、徳山ダムの底の一番深いEL280mの世界。
徳山ダムの水は、物理的にEL305mからしか外部に出ない。
だから何の影響もないのか?
徳山ダム導水路の主要な役割は、異常渇水時の「危機管理」、環境対策だ、と中部地整は言う。
異常渇水時には徳山ダムの水位は下がる、底の方の圧力も下がる、大量に溶け込んだ硫酸イオンその他が圧が下がることで気体になって、水を撹拌するという現象は起こらないのか?
そのシミュレーションはやっていないし、現状では、やるつもりもない、とのことである。
やりとりの途中経過の一部は後ほどに書くが、電話を切る直前に、私が「ンン?」と思ったのは:
近藤=「もうすぐ今年度のFU委員会が開催される。そのときに昨年の委員の指摘についてはは、何の答えも準備しない、というわけ? やっぱりFU委員会なんて嘗めきっているんだぁ」
E氏=「今年度の委員会にかけるかどうかは決まっていません。委員からのご指摘があったのは、5年ごとの『定期報告』に対してですから、次回に『定期報告』を行う(5年後の)委員会までに報告できれば良いと考えています・・」
近藤=「えぇ? あなた方が作ろうとしている導水路に流す徳山ダムの水の『品質保証』の問題でしょう?5年後云々??? ああ、『凍結』されているもんね、着工の見通しはないんだぁ」
E氏=「・・・・・」

「着工の見通しがない」のか?
それとも
「真っ当な説明などもするつもりはハナからない、予算がつけば着工を強行するのみ」
なのか?
その辺りの推理推測、揣摩憶測は、私の「趣味」ではあるが、それは大したことではない。
肝心なのは、「真っ当な説明なしに着工を強行することがでいない状況を市民側が作る」ことだ。
「品質保証」抜きで高額の商品を売りつけるという悪徳商法まがい事業者側、公金を支払いに充てるのに(公金「だから」か)何の品質保証も求めない地方自治体。両方ともに許してはならない。大きな環境破壊と大きな財政のツケを次の世代に残してはならない。
◇ ◇
途中経過の詳細は書ききれない、以下は一部だが:
近藤=「情報開示は重要だが、『情報を包み隠さず請求者に家事すれば良い』というものではない。”行政機関の保有する情報の公開に関する法律”及び”独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律”の第一条(目的)の『その諸活動を国民に説明する責務が全うされる』ことこが必要。その説明責任が果たされているかどうか担保する(チェックする)ものとして情報公開制度がある。」「だから全く説明のないこの資料を開示しただけではダメ、早くきちんと説明しなければいけない」
前段の『情報公開制度と説明責任』の大前提部分が全く通じなかったので、以後の全部の話が噛み合わず、こちらは苛つきっぱなし。
E氏にしてみると「自分は一生懸命にやっている。法に則って情報公開した。何が悪いのかわからない」。
共通認識に至るまでの距離は長い。

近藤=「10月21日にコンサルから報告を受け取って、その後、どこまで進んでいるのか」
E氏=「私どもは水質の専門家ではないので、まだわからない」
近藤=「あなた方が水質のシロウトなのはわかっている。あなた方の大好きな『専門家』に相談しているのではないか?」
E氏=「これから、専門家の方々にご相談しようと考えている」
近藤=「報告書を受け取ってから30日以上も経って、まだ相談の手筈も整えていない?情報というのは鮮度が大事。だから情報公開法でも期限を30日としている」
E氏=「情報公開の30日というのは、文書を特定して(途中手続きの縷々)決裁するのにかかる時間のことで、話が全く違う」
近藤=「情報公開制度についての説教を私にするかぁ? 今言っているのは、遅ればせながらでも入手した情報をいつまでも寝かせてしまって、市民・住民に説明するとば口にも至らない、そのことを問題にしている」
E氏=「こちらも、このことだけをやっているわけではない。(忙しい)」
近藤=「仕事としてやっている以上『それだけをやっているわけではない』などと言うな!!」
徳山ダム導水路問題に関わっている市民はヒマを持て余している、とでも?
多分、そこまで言うつもりではないのだろうけど、「秘密保護法」を巡る”非常時”にその手のことを口にするなよ~、も良いところ。
でもって私が、どんどん罵詈雑言モードになっていったサマは読者のご想像の通り。

E氏=「珍しい現象ではないし、徳山ダムの水は一番低くてEL305mからしか外部に出ないから、何か問題があるとも、特に要因を調べなければならないとも思っていなかった」
近藤=「へぇ。珍しくない。では、『こんなことは珍しくないから要因調査の必要もない』とか『要因はこれこれと思う、特に問題はない』とその場で答えなかったのは何故?」
E氏=「FU委員会の委員の発言は重いので」(この話の続きの一部は冒頭。「FU委員会の委員の発言は重い」のだけど、必ずしも今年度のFU委員会に報告する必要はない、『5年後までに』という暢気な話なんだと)
近藤=「重い重いFU委員会の委員の先生方の大部分がどんなふうだかは、あなた方はよく知っておいでよね。あなた方が一生懸命説明したことの片鱗も聴いていなかった、理解できなかった、ということ丸わかりの、トンチンカンで寝ぼけた発言がいっぱい。あれほど程度の低い発言が続出するのでは、議事録が作れない(議事要旨しか出さない)のも宜なるかな」
E氏=「近藤さんがそういうFU委員会に、早く報告しなけでばならないって言うのですか」
(あのね、Eさん、その手の揚げ足取りで、私がギャフンとなる?ありえね-)
近藤=「FU委員会だのモニタリング部会だの何だのかんだの、あなた方が選ぶ『有識者』『専門家』の程度ってどんなものなのだろう?全部が酷い、とまでは言わない、何にでも例外はあるから。」
E氏=「委員の先生方は、どなたもその分野の第一人者です」
わぁあああ。委員長のF氏、「河川工学の第一人者」・・・

◇ ◇
11月27日、12月7日に大垣で映画「ふるさと」を上映する企画を立てている人が、最近の徳山を見ていないとのことなので、一緒に行く。久しぶりだ。徳山ダム管理所の方にご案内して頂けるようだ。
