嘉田知事三選不出馬と流域治水 -2 |
嘉田知事三選不出馬と流域治水 -1
http://tokuyamad.exblog.jp/22198719/
の続き
改めて、滋賀県の流域治水条例。
滋賀県庁ーム > まちづくり・防災 > 河川・砂防・ダム > 河川
> 滋賀県流域治水の推進に関する条例の検討過程
http://www.pref.shiga.lg.jp/h/ryuiki/jyourei/kentoujyoukyou.html
パンフレット 「流域治水条例」~どのような洪水にあっても命を守るため~
http://www.pref.shiga.lg.jp/h/ryuiki/jyourei/files/pamphlet20140407_1.pdf

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条例成立を報じた新聞記事
★ 京都新聞 【 2014年03月24日 23時40分 】
流域治水条例、修正案を可決 滋賀県会く
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20140324000178
滋賀県が開会中の2月定例議会に提案した流域治水推進条例案の修正案が、24日の最終本会議で賛成多数で可決され、成立した。大雨による浸水の危険度が高い区域を指定し、宅地かさ上げなどの建築規制を求める全国初の条例となる。当初案が昨年9月議会以降、異例の2度の継続審議となっていたが、修正案で規制に伴う罰則を当分適用しないなどとした。3月中にも施行される。
条例は200年に1度の大雨で3メートル以上の浸水が想定される区域を「浸水警戒区域」に指定し、宅地のかさ上げか避難所の整備を求める。県は対象戸数を1070戸と見込む。区域指定は行政と地域住民らでつくる協議会での合意が前提。建築規制は施行後1年後をめどに適用される。
当初案は、規制対象となる住民への説明不足などの批判から継続審議となっていた。自民党県議団が罰則見直しや河川整備に関する内容の充実を求め、県側は氾濫対策に「洪水調節施設(ダム等を含む)」の文言を追加する修正案をまとめた。
本会議では木沢成人県議(無所属)を除く全員が賛成した。また、大戸川ダムの中止を国に求めた2008年の滋賀、京都、大阪、三重の4府県知事合意の見直しを求める決議を自民県議団などが提案し、可決された。
流域治水を重点政策として進めてきた嘉田由紀子知事は取材に対し、「縦割りではできない総合行政。滋賀から日本全国に広げたい」と述べた。
★ 中日新聞滋賀版 2014年3月25日
知事「感無量」 流域治水条例案可決
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20140325/CK2014032502000017.html
昨年九月の提案から二度の継続審査と原案修正という曲折をたどった流域治水条例案が二十四日の県議会本会議で可決した。嘉田由紀子知事は閉会後の取材に「感無量」と感慨深げな表情を見せた。
自民県議団の吉田清一代表は「原案が出た時点で地元説明が一切されておらず、わが会派は地元合意を重視してやってきた。とがった部分をなくすよう県に修正案を出させたのは成果」と条例に対する会派の姿勢を強調。一方、民主会派の大井豊代表は「ようやく可決した。中身の基本線は変わっていない」と評した。
条例は今月中に施行される。県が河川整備などを計画的に進めて氾濫防止に努めることを前提に、住民らでつくる協議会で個別の避難対策などを話し合う。協議会の合意後に識者らによる審議会で「浸水警戒区域」に指定。
県は住民に建築制限を求めるとともにかさ上げ費用を補助、不動産業者への予測水位の情報提供などを求める。県は指定に前向きな県内の二カ所をモデル地域にし、取り組みを進める方針。
嘉田知事は、浸水の危険性が高い長浜市虎姫地域の住民が住民説明会の際に避難対策などを真剣に話し合おうとしていた姿勢に触れ、「条例の成立をきっかけに、さらに主体的に動いていただけると期待できる。行政もしっかり支援していきたい」と意欲を述べた。
(井上靖史、山内晴信)
◆大戸川ダム 国への意見再考を
自民県議団、自民颯新の会、公明の県議会三会派は二十四日の本会議で、滋賀県が二〇〇八年に三重県、大阪府、京都府とともに国に提出した「大戸川ダムを淀川水系河川整備計画に位置付ける必要はない」とした意見を見直すべきだとの決議案を提案し、可決された。
大戸川ダムは国が大津市内の大戸川で一九六八年から予備調査を開始。〇八年の知事意見を受けて国が事実上計画を凍結している。
提案理由で三会派は「大戸川流域は昨秋の台風18号で甚大な水害に見舞われ、知事意見を出した当時と事情は大きく異なっている」と強調。民主と対話の会は、ダムなどを含む「氾濫防止策を計画的に進める」と明記した流域治水条例を引き合いに反対した。
大戸川ダムは他府県も費用を負担するため、決議の影響力は不透明。嘉田知事は閉会後の取材で、かつて県議会の議決を受けて四知事合意に至ったことに触れながらも「簡単に決議一つで変えられるものではない」と述べた。 (井上靖史)
★ 毎日新聞 2014年03月24日 21時09分
滋賀県:「大雨で浸水区域に建築規制」流域治水条例が成立
http://mainichi.jp/select/news/20140325k0000m010093000c.html?inb=ra
◇罰則は「当分の間、適用しない」と修正
大雨で浸水が想定される区域に罰則付きの建築規制を課す滋賀県の流域治水推進条例が24日、県議会で可決、成立した。独自の被害想定に基づく建築規制を定めた治水条例は全国初。対象区域の住民や議会の反発を受け、県は罰則を「当分の間、適用しない」と修正した。
県は違反が相次いだ場合に罰則部分の条例改正を検討する。
条例は、「浸水警戒区域」を指定し、近くに避難場所がなく、地盤のかさ上げもしない場合、原則として区域内の住宅や福祉施設などの新築・増改築を許可しない。違反者には20万円以下の罰金などを科す。県はかさ上げなどの費用の一部を補助する予定だ。
嘉田由紀子知事が昨年9月議会に提案したが、対象区域の住民が「河川整備の遅れを住民に責任転嫁する内容だ」と反発。議会側も説明が不十分だとして、9、11月議会で継続審議にした。
県側は昨年10月以降、区域内の37自治会を対象に説明会を開催。今年2月に原案を撤回した上で、罰則を先送りし、浸水が予想される区域の名称を「浸水危険区域」から「浸水警戒区域」に変更するなどの修正案を提案していた。【加藤明子】
◇流域治水推進条例の骨子
・知事は、200年に1回の降雨で3メートル以上の浸水が見込まれ、建築を制限すべき浸水警戒区域を指定。区域内の新築や増改築は、想定水位以上の高さとなる居室や屋上を設けるか、近くに避難場所があれば許可する
・河道拡幅や堤防設置、河床掘削、洪水調節機能を持つ施設(ダム10+件等)の設置などを効果的に組み合わせる
・宅地建物取引業者は、売買時などに浸水想定区域の情報提供に努める
・違反した場合は20万円以下の罰金(付則で当分の間、適用しない)
★ 朝日新聞 2014年3月25日
治水条例可決 知事、実現に「感無量」
http://digital.asahi.com/articles/ASG3S3CMVG3SPTJB009.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG3S3CMVG3SPTJB009
水害に強い地域づくりを目指す流域治水推進条例の修正案が24日、県議会で可決された。ダムだけに頼らない治水の必要性を訴える嘉田由紀子知事の看板政策で、昨年9月の原案の提出から半年を経てようやく実を結んだ形だ。条例は今月中にも施行される。
修正案の採決では、無所属の議員1人を除く全員が賛成。嘉田知事は議会閉会後、記者団の取材に対し、「感無量だ。災害で命が失われる前に条例がつくれたことに大変大きな意義がある」と発言。
河川整備や建築規制、避難計画の整備といった複数の部署が絡む水害対策を網羅した条例制定について「縦割り行政ではできないものを、総合行政である自治体だからできた」とし、県外にも流域治水の考え方を広めることに意欲を示した。
条例の要は、水害の危険性が高い地域での建築規制だ。河川や用水路、下水道などの氾濫(はんらん)を加味して県が独自に浸水被害を予測した「地先の安全度マップ」をもとに、200年に一度の大雨で3メートル以上の浸水が見込まれる区域を指定し、
敷地のかさ上げか避難所の確保を義務づける。不動産業者に対しては宅地や建物の売買時に、マップに基づく想定浸水深を提供する努力義務を課す。区域の指定や建築規制の適用については、施行からさらに1年以内の住民周知の期間を設けた。
修正案では、区域指定をするには、有識者ら15人以内でつくる「流域治水推進審議会」や関係市町長の意見を踏まえるよう定めた。
県は、行政関係者や住民でつくる「水害に強い地域づくり協議会」が地域ごとの避難計画などを整備したうえで、協議会の合意を得ると説明しており、実際は区域指定のハードルは高い。
可決を受け、自民党県議団の吉田清一代表は「我々が出した条件はクリアしたと思っている」と評価。原案に賛成した民主党・県民ネットワークの大井豊代表は「基本的に中身は変わっていない。条例がしっかりと形作れるよう努力したい」と話した。
一方で、自民党県議団は同日、大津市の大戸川ダムについて「河川整備計画に位置づける必要はない」とした2008年の大阪、京都、三重、滋賀の4府県知事合意の見直しを求める決議案を提出。
公明などとの賛成多数で可決した。吉田代表は「ダムは必要だという考えはずっと変わっておらず、決議に至った」と説明。対する嘉田知事は「議会の議決を得た知事合意を意見書一つで簡単に変えられない」と突っぱねた。(伊藤舞虹)
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滋賀県流域治水条例成立までの紆余曲折に関して、「関ダム会」の野村さんが経緯をまとめて下さった。許可を得てリンクする。
滋賀県流域治水条例成立までの経緯(「関ダム会」野村さん作成)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota8/shigaryuuiki.pdf
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