岐阜県警が中電子会社に住民運動潰し指南 その4 |
(承前)

上の写真は、「もし計画通りに風車が建設された場合の景観」を表す合成写真。
多良小学校は、この下の図でいえば、かなり南の方にある。

北方向は関ケ原町。
風車建設予定地は(大垣市)上石津町と関ヶ原町との境の尾根筋である。
下は (株) シーテックのHPに載っている図。

キャプションのようなところに「若狭湾から伊勢湾に抜ける風の通り道にあります。 年間にわたり平均風速7メートル以上の風が吹く風力発電に適した地域です。」とある。
はあぁ、若狭湾岸から年間を通じて風が通るってこと。つまりは若狭湾岸の原子力施設を何かがあれば、放射性物質が飛来してくるっとこと。可及的速やかに廃炉にして貰わなきゃタマラナイ。
中部電力は、警察から天下りを使って子会社シーテックに会査察に住民運動潰し指南を乞えなどと勧めている場合か? ユーザーである地域住民に愛される企業になりたければ、率先して浜岡原発を廃炉にし、お友達企業である関西電力にも原発からの脱却を促すのが先だろが。
◇ ◇
私は、5月22日の下の新聞記事でこの問題を知った。

記事中に名前の挙がった三輪唯夫さんは、1990年代にこの地域に乱立したゴルフ場の反対運動をしていた。そんな関係で、十数年前に、一度お宅を尋ねたことがある。
また、上鍛治屋といえば傳香寺住職の松島勢至さんがおられる。真宗大谷派の僧侶として、熱心に平和運動をされてきている。
知らん顔できないな、と思った。だが、このご両人は、「運動」という観点でもしっかりとした方々である。大して何もできない私が自分から口を出すこともない。必要な時には必要なことを「やれ」とおしゃって下さるだろう、と考えた。(資料だけは頂いた)
ところが・・・実に昨年段階から警察とシーテックは、「やっかい」な人物として私の名前を挙げて対策の対象としていたようだ。んたく!名誉なことで・・・。
◇ ◇
記事になっていたのは、上鍛治屋自治会が5月11日に出した以下のものである。
・2014.5.11 上鍛治屋自治会からシーテック&中部電力宛要望書
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140511ctechate.pdf
・2014.5.11 上鍛治屋自治会から県知事宛「嘆願書」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140511prefate.pdf
・2014.5.11 上鍛治屋自治会から大垣市長宛「嘆願書」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140511cityate.pdf
この後も、大垣市も岐阜県も特に動いていない。
◇ ◇
大垣警察署がシーテックに「上鍛治屋地区の住民運動潰し指南」が明らかになって、(当たり前だが)上鍛治屋地区住民はシーテックに対して怒っている。当然だ。
7月29日付で上鍛治屋自治会から、岐阜県警・岐阜県知事宛に公開質問状が出されている(回答期限は8月14日)
2014.7.29 上鍛治屋自治会から岐阜県警・岐阜県知事宛 公開質問状 PDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140729jichikai.pdf
(提出文書には記載されている個人名は消去した)
質問事項は5項目。
① (株)シーテックと大垣警察書が協議を開いた経緯と理由。
② 「大々的な市民運動へと展開すると御社の事業が進まないことになりかねない。」とあります。風力発電事業が認可されていない、まして許認可権がない大垣警察署が風力発電事業について進まないことに懸念した発言。この真意は。
③ 大垣警察署はいシーテックの発電事業が進まないことに懸念を示し、「情報をやり取りすることで、平穏な大垣市を維持したいので協力をお願いする」とあります。風力発電事業が進むことがなぜ大垣市の平穏につながるのか。その理由。
④ 公務員の給与は税金で支払われています。警察官の情報収集にかかる費用も税金です。その為に公務員の立場は常に中立で、守秘義務があります。しかし今回の大垣警察署は風力発電事業を進める(株)シーテックを応援しています。その理由。
⑤ 風力発電の勉強会、あるいは上鍛治屋の定期総会の後に大垣警察署は(株)シーテックと話し合いをしている。これは上鍛治屋自治会活動(会長個人名で主催する勉強会も自治会で承認された活動)への干渉である。なぜ干渉する必要があるのか。その理由。
◇ ◇
これまでは地区の総意としては「シーテックの地区への立ち入り調査拒否」までだったが、今は「事業そのものに反対する」へと踏み出している。
2014.8.5朝日新聞

以下 「観測」でもあり「情報」でもある話。
「シーテックは、上鍛治屋住民の同意取り付けは諦め、事業を進めるために上鍛治屋住民が権利をもっている土地を避けるルートを考えているのではないか」
ダムの取り付け道路。工期に間に合わせて土地を取得できなかった結果、グニャリと曲がった道路になった、なんて話はいくらでもある。
ある事業を「やる」と決めたら、何が何でもやってしまう。そのためにはどんな手も使う・・担当の一人一人が悪人かどうかではなく。
凡庸な悪。
◇ ◇
傳香寺住職の松島勢至さんにとっては、この問題は宗教的信念と切り離せない。
出席できなかった(なぜなら福島から子ども達の保養を受け入れている、その最中だったから)
2014.7.31の岐阜県政記者クラブでの記者会見に寄せた松島さんのコメントPDFファイル
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140731matsushimacomment.pdf
ここから一部を抜粋する。
「今から114年前に警察によりでっち上げられて大逆事件に連座させられた高木顕明という真宗大谷派の僧侶がおられます。今回の警察のやり方は大逆事件を思い起こさせ、怖さを感じました。また、垂井町には日中戦争当初に「戦争は罪悪である」と発言し逮捕された先輩がおられます。二人に言えることは「いのち」に向き合って出てきた言葉であり行動です。命をいただき、今ここに生きていることの尊さ、尊厳を訴えられた方です。私は二人のような生き方をしたいと願っています。」
秘密保護法が施行されようとし、憲法を「解釈」で壊して戦争に向かおうとするしまうような今、松島さんの宗教者としての信念はますます深まっている。
◇ ◇
続く。
