石木ダム「弁明書」への反論書提出 |
7月終わりに「9月30日締め切り」といってきた「反論書」を、2ヶ月かかって、やっときょう9月29日に投函した。
石木ダム 事業認定処分庁の「弁明書」への反論 (2014.9.29 加藤・近藤・武藤)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/140929hanron.pdf
7月末、、国土交通大臣から(担当課:総合政策局総務課土地収用管理室)から、「弁明書の副本の送付及び反論書等の提出について」(7月28日付)という書類が送られてきた。
これに同封された処分庁・九州地方整備局長の「弁明書](3月20日付)
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/20140320benmei.pdf
◇ ◇
昨年10月4日付で、石木ダム事業認定に対する審査請求書を出していた。
石木ダム事業認定に対する審査請求書(加藤、近藤、武藤)「審査請求の理由」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/ishikishinsariyu20131004.pdf
•石木ダム事業認定に対して審査請求しました[ 2013-10-05 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/20518367/
•石木ダムの過去記事、今の運動[ 2013-10-20 23:25 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/20646470/
3月20日付の処分庁(九州地方整備局長)の「弁明書」を4ヶ月も経ってから送付してきて、反論があるなら9月30日までに出せ、とは、よく言うよ!このクソ忙しいときに・・・。
◇ ◇
地権者と世論も声に押されて、ようやく長崎県知事と佐世保市長が川原地区に足を運んだ、(7月11日)
以下、◆印は 石木川まもり隊ブログ http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011
◆ 知事、反対派と面談!(2014年07月11日 | 県市の対応)
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/e/1a887a83728166a67e1780af656fdc84
動画
https://www.youtube.com/watch?v=7vHcEJL4cms&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=IvyApLZEztQ&feature=youtu.be
しかし、事業認定を錦の御旗にしつつ、裁決申請に向かう姿勢は崩さなかった。
悪く言えば、上記の面談も「話し合った」というアリバイづくり。
さらにSLAPP訴訟にまで及び、地権者との溝は深まるばかり。
•石木ダム反対運動に対してSLAPP訴訟![ 2014-08-09 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/22711023/
そして9月5日、とうとう一部の場所とはいえ、収用委員会に裁決申請を出した。
◆ ついに、収用裁決申請!(2014年09月05日 | 強制収用)
http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011/d/20140905
その後の地権者の、そして市民のアクションの状況も
石木川まもり隊ブログ http://blog.goo.ne.jp/hotaru392011
に詳しい。 是非ご覧あれ。
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石木川まもり隊ブログ から拝借。
2014年9月10日。「ダム小屋」の中で。
このダム小屋で見張り続けて30有余年。川原の女性はいつも元気。
(右のダム小屋の写真は、2013年11月の水源連総会のエクスカーションで撮ったもの)
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あまりの忙しさに「9月30日」を念頭におきつつ、後回しにしていた。
最初のページを見る限り、他の審査請求人への弁明書とほぼ同じなのではないか、そうだとしたらその人たちの「反論」をコピペ利用できるのではないか、と考えていた・・・
が、この「弁明書」、2ページ目からは、当方の審査請求書を長々と引用する形式。 なので、パクリは不可能、とわかったのが9月15日。 9月後半にも、いくつもアクションが重なっていて、反論書を書くことにに専念できる状況にないので、かなり慌てた。
「弁明書」はあまり真面目に書かれていない。場当たりにあれこれ述べている。(ゆえに論旨不明な部分が多い)
ぞのいい加減さで、全体として腹立たしいものであるが、特にその中で気になった(憤慨した)こと、5つ。
1) 2013.6.11の社会資本整備審議会公共用地分科会で九州地方整備局長の判断を相当と認める」との意見が議決されている、という論
2) 事業認定の適法性判断の基準時は事業認定時であるから水需要の将来予測は関係ない(ということらしい)論
3) 「移転対象者の意向に応じた集団移転地の造成などを行い、また、石木ダム地域振興対策基金において住宅資金利子助成、合併浄化槽設置助成等を行っていることから、移転対象者への配慮がなされていると認められる」なる暴論
4) 審査請求人が石木ダムの新規利水を「想定外の異常渇水に対する対応」と誤解している、という処分庁の大誤解(というより意図的な曲解であろう)
5) 「石木ダム建設促進佐世保市民の会等から本件事業に関する強い要望が出ている」ことを事業認定の理由にしていること
◇ ◇
1)について
2013.6.11の社会資本整備審議会公共用地分科会の議論の内容を、利害関係者である私たちも知ることができない。
公共用地分科会議事録(石木ダム20130607)黒塗り
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/kokyoyochibunkakaigijiroku20130607.pdf
目を塞いでおいて「議決があったのだから正当だ」とい言い募るのでは話にならない。
2013.12.13 異議申立書・別紙「理由」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota7/igi131213riyu.pdf
2014.4.23 内閣府情報公開・個人情報保護審査会宛「意見書」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota8/naikakufushinsakaiikensho.pdf
この件の弊ブログ記事
・ 石木ダム「黒塗り」 やっと異議申立書を出しました (1)(2)
http://tokuyamad.exblog.jp/21087061/
http://tokuyamad.exblog.jp/21090226/
2)について
「弁明書」は全体に曖昧で論旨不明なのであるが、ここに徳山ダム事業認定取消訴訟の「平成18年7月6日名古屋高裁判決」を持ち出されたのでは噛みつかざるを得ない。
確かに敗訴判決であるが、「将来予測は関係ない」とまで酷い話はしていない、「事業認定時における将来予測の合理性」に言及しているのだ(公金支出差止訴訟-住民訴訟-では「公金支出の時点(財務会計行為の時点)の実績」を問題にしたのを意識してであろうか)。
新規利水において将来予測が関係なかったら、何を基に事業の合理性を判断するのだ?
処分庁が、佐世保市長の言辞に幻惑されて「想定外の異常渇水に対する対応」と思い込んでいる?? → 4)
3)について
これは酷い。
川原地区13世帯60人の人々の「この場所で皆と一緒に住み続けたい」という思いが「石木ダム地域振興対策基金において住宅資金利子助成、合併浄化槽設置助成等を行っている」から配慮されている、というのである。「最後は金目でしょ」感覚丸出しだが、それにしてもあまりにも矮小化していないか。
よくもまあ。
全国で20の訴訟が闘われている福島原発事故被害賠償訴訟で、「原住地に固有で、代替性のない要素」「土地を含む自然資源、景観、コミュニティなど」「コミュニティとともに、そのなかで継承されてきた伝統や文化なども失われてしまう(こと)」を問うている裁判があることは知っていた(ふるさと喪失訴訟)。
そして9月26日、愛知と岐阜に避難してきている原告による第1回口頭弁論が開かれた。そのときの資料から「住み慣れた環境での平穏で安全な生活を維持継続する権利」「住み慣れた環境に住むことを自ら選択する権利」「住み慣れた環境で築き上げられてきた生活基盤で社会生活をする権利」「そのような生活基盤の中で成長発達し、自己実現をはかる権利」という言葉を引かせて頂いた。
「住宅資金利子助成、合併浄化槽設置助成等」で補償・代替できるようなことではないのだ。そんなことで代替・補償ができると考えているらしい処分庁の感覚は一体なんだ?
4)について
佐世保市が石木ダム事業の起業者となる目的が「想定外の異常渇水に対する対応」と思い込んでいる(少なくとも市民に向かってそう説明している)のが佐世保市長である。
処分庁・九州地方整備局長も一緒にそう思い込んでいるのか?
目的がどうであろうと関係ない、事業認定ありき・・・いやはや、酷い話である。
佐世保市の方が、佐世保市議会ホームページから、石木ダムに関する市長答弁を拾って下さった。
佐世保市長答弁 (事業認定申請直前~201年3月議会まで)
2009.6.18、2009.9.14、2010.6.17、2011.3.3、2011.6.23、
2012.3.2、2014.3.4 2014.3.5
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota9/saseboshicyoutouben.pdf
5)について
「石木ダム建設促進佐世保市民の会」は、起業者・佐世保市が作り、運営している丸抱えカッコ付き「市民団体」である。
佐世保市公式HP http://www.city.sasebo.lg.jp/index.html
ホーム > 水道局 > 水道局施策 > 重点施策 > 水源確保対策(石木ダム)
>再評価 > 石木ダム建設促進佐世保市民の会 平成24年度までの活動状況(概要)
http://www.city.sasebo.lg.jp/kikaku/seisak/h24gaiyo.html
こういう団体から「強い要望が出ている」ことが、事業認定の理由になる?水戸黄門の印籠のごとく持ち出す「事業認定申請マニュアル」のどこに書いてある?
◇ ◇
この項、続く。
珍しいピンク色の曼珠沙華が自生していた。