猛禽類と風力発電・環境省資料など |
•猛禽類と風力発電・滋賀県の場合[ 2014-10-31 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/23215882/ の続き。
下は2011.1.7の環境省発表資料の添付資料「第03章」の4ページ目と5ページ目である。
4ページ目
2次メッシュにおけるイヌワシの生息分布(赤:生息確認、青:生息推定、緑:一時生息)と風力発電設備の分布(太字・ 黒枠)
5ページ目。
2次メッシュにおけるクマタカの生息分布(緑:生息確認)と風力発電設備の分布(太字黒枠)
これを見ただけでも、関ヶ原町-上石津町の山稜は「適正な」風力発電施設立地場所ではないことは明白だと思う。
★ 環境省 報道発表資料 2011.1.7(平成23年1月7日)
鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引きについて
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=13331
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環境省では、風力発電施設における鳥類等の衝突(バードストライク)について、施設の計画段階から鳥類等に与える影響を軽減できるよう、配慮すべき各種知見・資料、防止策等を「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」として取りまとめました。
主に風力発電事業者や風力発電事業に関わるコンサルタント会社の皆様が、風力発電施設の計画段階から利用することを想定し作成しましたので公表いたします。
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この資料は「立地適正化のための手引き」であって、国策としての風力発電事業を止めるものではない。
「風力発電事業者や風力発電事業に関わるコンサルタント会社の皆様が、風力発電施設の計画段階から利用することを想定し作成し」たものである。言い換えれば、事業者が「この手引きに則っている」と言いさえすれば、環境アセスは通ってしまう可能性が大きいのだ。
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そして、風力発電と鳥類の問題はバードストライクだけの問題ではない。
下は「BIRDER」*という雑誌の2007年3月号別冊の中のcolumnの一部である。
「…建設場所を誤ると『バードストライク(野鳥の衝突死)』や『野生生物の生息地破壊』など自然環境への悪影響が発生する。」「バードストライク以上に深刻な問題は、保全すべき自然を破壊してまで風力発電施設を建設する、本末転倒ともいえる計画の存在である。」
「イヌワシなどの生態系の頂点に立つ猛禽類は、餌動物となる多くの野生生物を育む自然環境に支えられている。猛禽類の生息は、その地に優れた自然があり、生物多様性が保全されて居ることの証である。」
一時期、「原子力発電は発電時にCO2を排出しないから、環境に優しいクリーンなエネルギーである」という宣伝がガンガン行われたときがある。今となっては、いかにトンデモない宣伝であったかは明らかだ。
原発は論外である。だが自然再生エネルギーと言われるものであっても、地球環境に少しも負荷をかけないといえるものがあるだろうか? 施設や送電設備などの資材を手にするのでも、何らかの負荷をかけていることは間違いない。
どこかの場所の(それは消費地から遠いことが多い。時には海外)住民に、そこの自然環境に犠牲を強いて得られる「経済成長」「繁栄」・・・311で、私たちは痛恨の思いで噛みしめたのではなかっただろうか。そんな豊かさはもう要らない。
*BIRDER 文一総合出版
http://www.bun-ichi.co.jp/magazine/tabid/89/Default.aspx
(2014年11月号は「イヌワシとクマタカ」)
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近所のおうちの庭の柿の木。