再び「長良川」-その3- |
(承前)
•再び「長良川」-その2-[ 2015-01-17 22:43 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/23569236/
1月16日に、文化審議会が、「長良川の鵜飼漁の技術」(岐阜市、岐阜県関市)など4件を重要無形民俗文化財とするよう答申した、と報じられた。
★ 共同ニュース 2015/01/16 17:53 【共同通信】
長良川鵜飼漁を民俗文化財指定へ 審議会答申
http://www.47news.jp/CN/201501/CN2015011601001537.html
写真: 岐阜市、岐阜県関市の「長良川の鵜飼漁の技術」(文化庁提供)
文化審議会(宮田亮平会長)は16日、1300年の歴史がある「長良川の鵜飼漁の技術」(岐阜市、岐阜県関市)など4件を重要無形民俗文化財とするよう下村博文文部科学相に答申した。重要有形民俗文化財には、のこぎり生産地だった滋賀県甲賀市で保存されている「近江甲賀の前挽鋸製造用具および製品」など2件の指定を求めた。
いずれも近く答申通り指定され、重要無形民俗文化財は290件、重要有形民俗文化財は216件となる。
長良川鵜飼漁は、鵜匠が操るのが10~12羽と他の地域に比べて多いのが特徴。舟に乗り、かがり火で川面を照らすなどの伝統的な手法も継承している。
★ 時事通信 2015/01/16-17:15
長良川鵜飼いなど指定へ=重要民俗文化財に6件答申-文化審
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015011600737
写真:重要無形民俗文化財に指定される長良川の鵜飼(うかい)漁
文化審議会(宮田亮平会長)は16日、岐阜県の「長良川の鵜飼(うかい)漁の技術」(岐阜市、関市)など4件を重要無形民俗文化財に、滋賀県甲賀市の「近江甲賀の前挽鋸(まえびきのこ)製造用具および製品」など2件を重要有形民俗文化財にそれぞれ新たに指定するよう、下村博文文部科学相に答申した。登録有形文化財には鳥取市の「鳥取の二十世紀梨栽培用具」など4件の指定を求めた。いずれも近く答申通り告示される。
長良川の鵜飼漁は、鵜を使う漁で最も発達した形とされ、厳格な鵜匠(うしょう)の継承や川面を照らすかがり火など地域的特色の価値が高く評価された。(2015/01/16-17:15)
★ 朝日新聞 2015年1月16日18時25分
長良川の鵜飼漁、重要無形民俗文化財に 文化審答申
http://www.asahi.com/articles/ASH1F51JSH1FUCVL014.htm
文化審議会は16日、香川県の「西日本の背負運搬具コレクション」など2件を重要有形民俗文化財に、岐阜市・岐阜県関市の「長良川の鵜飼(うかい)漁の技術」など4件を重要無形民俗文化財に指定することを文部科学相に答申した。鳥取県の「鳥取の二十世紀梨栽培用具」など4件の登録有形民俗文化財への登録も文科相に答申したほか、茨城・千葉両県の「東関東の盆綱」など8件を記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財に選択するよう文化庁長官に答申した。
他の指定などは次の通り。
【重要有形民俗文化財】近江甲賀の前挽鋸(まえびきのこ)製造用具及び製品(滋賀県甲賀市)
【重要無形民俗文化財】鵜鳥神楽(岩手県普代村)▽大垣祭の軕(やま)行事(岐阜県大垣市)▽那智の扇祭り(和歌山県那智勝浦町)
【登録有形民俗文化財】行田の足袋製造用具及び製品(埼玉県行田市)▽氷見及び周辺地域の漁撈(ぎょろう)用具(富山県氷見市)▽倉吉の千歯扱(こ)き及び関連資料(鳥取県倉吉市)
【記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財】会津の御田植(おたうえ)祭(福島県喜多方市・会津美里町)▽浄真寺の二十五菩薩(ぼさつ)練供養(東京都世田谷区)▽親沢の人形三番叟(さんばそう)(長野県小海町)▽小豆島農村歌舞伎(香川県土庄町・小豆島町)▽手熊・柿泊のモットモ(長崎市)▽八代・芦北の七夕綱(熊本県八代市・芦北町)▽野原八幡宮風流(熊本県荒尾市)
◇ ◇
★ 岐阜新聞 2015年01月17日09:30
長良川の鵜飼漁」「大垣祭のやま行事」国重文に
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20150117/201501170930_24132.shtml
写真:鵜飼開きで、漁のクライマックスの「総がらみ」を披露する鵜匠たち=昨年5月、岐阜市の長良川
文化審議会(宮田亮平会長)は16日、「長良川の鵜飼漁の技術」(岐阜市、関市)と「大垣祭のやま行事」(大垣市)など4件を重要無形民俗文化財に指定するよう下村博文文部科学相に答申した。いずれも答申通り指定される見込み。重要無形民俗文化財は290件、県関係では11件となる。
長良川鵜飼漁は1300年を超える歴史があり、岐阜市の長良川鵜飼と関市の小瀬鵜飼で継承される。伝統的な手法を受け継いでおり、「最も発達した鵜飼漁として、技術の変遷過程を示している」と評価された。県などによると、農林水産業の技術が重文に指定されるのは初めて。
1955年には鵜舟や鵜籠といった鵜飼漁に使う122点が「長良川鵜飼用具」として国重要有形民俗文化財に指定されたが、鵜飼漁自体は対象となる分野がなく、国重文の指定は受けていなかった。
岐阜市と関市は、2004年に設けられた「民俗技術」分野での指定を目指し、05年から学術調査や記録映像の作成に着手。08年には「長良川の鵜飼漁」として県重要無形文化財に指定された。
大垣祭のやま行事は城下町祭礼で、八幡神社周辺を巡行するみやびやかな13両のやまと奉芸、夜宮の行事などが見どころ。「大垣藩主が与えたやまと町衆のやまとが併存する形が全国的にも珍しい」「からくり人形には中京圏の山車行事、やま上での芸能には近畿圏の山車行事の影響がそれぞれ色濃く認められ、東西の祭礼文化の交わりがうかがわれる」と評された。
やま9両は1971年に県重要有形民俗文化財指定。さらに大垣市は2007年に祭やま行事を市重要無形民俗文化財に指定するとともに11年から本格的な調査に乗り出し、4年間をかけて報告書を作成した。
【長良川の鵜飼漁】
鵜匠と鵜、船頭が一体となって鮎を追う伝統漁法で1300年以上の歴史を持つ。鵜を使って鮎などの魚を捕る鵜飼漁は現在全国12カ所で続けられており、一つの河川で複数残るのは長良川のみ。岐阜市の長良川鵜飼は観覧船乗船客数日本一を誇る。宮内庁式部職鵜匠に長良川鵜飼で6人、小瀬鵜飼で3人が認定されている。鵜飼漁を含めた長良川の鮎漁を中心とした「清流長良川の鮎~里川における人と鮎のつながり」が国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産候補となっている。
【大垣祭】
大垣市の総鎮守である八幡神社の例大祭。美濃地方を代表する城下町祭礼で、毎年5月15日に近い土日に行われる。1648年に大垣藩主戸田氏鉄が、同神社を再建したのを祝って祭りを行ったのが起源とされ、360年以上の歴史があると言われる。戸田氏から下賜された3両のやまと旧城下10町のやまが市内中心部を巡行する。からくり人形や子どもによる舞踊などの多彩な奉芸が特色。夜はやまが一斉にちょうちんをともして夜宮の行事が行われる。
★ 中日新聞 2015年1月17日 朝刊
長良川鵜飼など指定へ 国の重要民俗文化財
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015011702000064.html
文化審議会(宮田亮平会長)は十六日、千三百年の歴史がある「長良川の鵜飼漁の技術」(岐阜市、岐阜県関市)など四件を重要無形民俗文化財とするよう下村博文文部科学相に答申した。重要有形民俗文化財には、のこぎり生産地だった滋賀県甲賀市で保存されている「近江甲賀の前挽鋸(まえびきのこ)製造用具および製品」など二件の指定を求めた。
いずれも近く答申通り指定され、重要無形民俗文化財は二百九十件、重要有形民俗文化財は二百十六件となる。
長良川鵜飼漁は、鵜匠が操るのが十~十二羽と他の地域に比べて多いのが特徴。舟に乗り、かがり火で川面を照らすなどの伝統的な手法も継承しており「最も発達した鵜飼漁として、技術の変遷過程を示している」と評価された。
このほか登録有形民俗文化財として、鳥取県で明治時代後期から栽培が続けられている梨の収穫道具や枝切りばさみといった「鳥取の二十世紀梨栽培用具」(鳥取市)など四件を答申した。
消滅の恐れがあるため記録を残すべき無形民俗文化財には「小豆島農村歌舞伎」(香川県土庄町、小豆島町)など八件を選ぶよう促した。
★ 毎日新聞 2015年01月17日 地方版
文化審答申:重要民俗文化財「長良川鵜飼漁」「大垣祭軕(やま)行事」指定へ 地元は歓迎一色に /岐阜
http://mainichi.jp/feature/news/20150117ddlk21040134000c.html
ぎふ長良川鵜飼(うかい)(岐阜市)と小瀬鵜飼(関市)を合わせた「長良川の鵜飼漁の技術」、「大垣祭の軕(やま)行事」(大垣市)の2件を国の重要無形民俗文化財に指定するよう国の文化審議会が答申したのを受け、地元は歓迎ムードに包まれた。県内の重要無形民俗文化財は11件。伝統を受け継いできた関係者は「地域を盛り上げ、伝統を後世に伝えたい」などと喜んだ。【道永竜命、梶原遊、立松勝、山盛均】
■ぎふ長良川鵜飼
長良川の鵜飼漁は「つなぎ鵜飼」で、鵜匠(うしょう)が「手縄(たなわ)」と呼ばれる縄で10〜12羽の鵜を巧みに操る。1300年以上前から続くと伝えられ、戦国時代には織田信長が見物したとされる。ぎふ長良川鵜飼の鵜匠6人と小瀬鵜飼の鵜匠3人は世襲制で「宮内庁式部職」の職位を与えられる。
ぎふ長良川鵜飼の鵜匠代表、山下純司さん(75)は「鵜飼とは、鵜匠と鵜が心を一つにして働き、アユを取る昔から続く営み。これからも伝統を守っていきたい」と顔をほころばせ、「命の営み、鵜の気持ち、魚が生きる川。見に来られる方に何かを感じてほしい」と話した。
■小瀬鵜飼
小瀬鵜飼は岩佐昌秋さん(70)、足立陽一郎さん(39)、足立太一さん(60)の3人が鵜匠を受け継ぐ。岩佐さんは市立関商工高で体育教師を務めながら1993年に鵜匠になった。室町時代から続く鵜匠家を世襲する陽一郎さんは27歳で鵜匠を継ぎ、料理旅館業の板前を兼務する。太一さんは32歳で鵜匠になり、現在市議会事務局長を兼務している。
鵜匠代表の岩佐さんは「小瀬は暗い川で鵜の水しぶきとかがり火の熱さが感じられる素朴な鵜飼が見どころ。多くの方に見に来ていただけるよう頑張っていきたい」と話した。
■大垣祭の軕行事
大垣祭の軕行事は毎年5月15日直前の土日に実施される大垣城下の祭礼行事。大垣藩主から下賜(かし)された山車と町衆の山車が併存する形態は全国的にも希少だ。また、からくりを有する軕は中京圏、舞踊を演ずる軕は近畿圏の影響が色濃く、東西の祭礼文化の交渉を伺うことができ、国内の山、鉾(ほこ)、屋台行事の広がりや変遷を理解する上で重要であることなどが評価された。
大垣まつり保存会の渡辺彰会長は「大変喜んでいる。終わるとすぐ翌年に向けての練習が始まり、祭りが生活の一部になっている。少子化のなかで祭りを守り、受け継ぐのは大変な作業だが、後世に残すよう責任を感じている」と喜びと決意を語った。
◇ ◇
大垣祭の軕行事については弊ブログにも
•5月13日 祭りの終わり[ 2012-05-14 17:49 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/17746789/
•ウチの傍の大垣まつり 2012年5月12日[ 2012-05-12 22:10 ]
http://tokuyamad.exblog.jp/17533273/
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さて、国の重要無形民俗文化財として指定される「長良川の鵜飼漁」の舞台・長良川。
巨大な人工釣り堀としてしまうのか、それとも伝統に相応しい自然な河川に戻していくのか。
河口堰開門、どうする?わざわざ徳山ダムに貯めた問題ある水を流す導水路を作る?源流部の自然を壊して内ヶ谷ダムを作る?
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