ダムの話題3つ -(1) 夕張シューパロダム |
非常にバタバタと毎日追われていて、ブログ更新も怠っています。
ちょっと時間ができたので、あちこちのダム情報、3つ。
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3月10日、「苫小牧民報」の記事の情報を受け取った。
★ 苫小牧民報 2015年 3/9
千歳、恵庭市の水がめ 夕張シューパロダム完成
http://www.tomamin.co.jp/20150322983
夕張シューパロダムの竣工(しゅんこう)式が7日、夕張市のゆうばり文化スポーツセンターなどで開かれた。安全な運用を願うダムでの神事に続き、くす玉割りや万歳三唱で完成を祝った。

(写真)完成した夕張シューパロダム
道内では1981年に石狩川で観測史上最大規模の洪水が発生。既存の大夕張ダムはかんがいと発電を目的としていたことから、洪水被害軽減と生活用水の確保を目的に91年度にシューパロダムの実施計画調査を開始。2005年度に本体建設工事に着手した。今年1月に試験湛(たん)水を終了して安全を確認し、4月から運用を開始する。事業主体は国交省、農水省、石狩東部広域水道企業団、北海道。総事業費は1700億円。

(写真)くす玉を割ってダムの完成を祝った
総貯水容量は4億2700万立方メートル。ダム湖水の湛水面積は雨竜第一ダムに次ぐ全国2位。ダム湖貯水容量は全国第4位と国内有数の規模を誇る。治水と渇水防止のほか最大2万6600キロワットの発電を行う。千歳市と恵庭市は、かんがい用水(6市5町)と水道用水(4市3町)を補給する多目的ダムとして活用。両市が加盟する同水道企業団は1日2万9600立方メートルの水利権を得ている。
文化スポーツセンターを会場に行われた竣工式には行政、関係企業、ダム用地となった土地の地権者ら約300人が出席。札幌開発建設部の石田悦一部長が「産業の発展と地域住民の生活の安定に貢献すると確信しています」と式辞を述べ、本田勝国土交通事務次官も「新たな観光資源として地域の活性化につながれば」とあいさつした。
来賓の高井修道副知事は「ダムの完成が豊かさと安心を実感できるものとなることを祈念します」と祝辞。鈴木直道夕張市長もダム建設への謝辞を述べた後、関係者がくす玉を割って完成を祝福。万歳三唱で式を締めくくった。
竣工式には、山口幸太郎千歳市長、原田裕恵庭市長も出席した。
・・・・・・・・・・・・・・・ 記事引用終わり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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感傷的な言い方になるが…
夕張炭鉱の残酷な悲劇-「お命を頂戴したい」を水底に沈めて「なかったこと」にしてしまう歴史抹殺のダムだと感じている。
2010年秋、夕張シューパロダムに飲み込まれることになる大夕張ダムの畔に立つ石碑を見た。北海道開発局長の個人名が大きく刻まれていた…そんなの「あり」か?
弊ブログ
北海道ダメ・ダム見学珍道中-5
- 大夕張ダム・夕張シューパロダム- [2010-10-15 00:01]
http://tokuyamad.exblog.jp/14789874/
この石碑は沈められずに、夕張シューパロダムの畔に堂々と建て替えられたのではないだろうか。「強者の歴史」は都合良く刻みつけ、人々の苦しみは「なかったことにして忘れ去る」。
今年は「戦後70年」。
戦争も、フクシマ事故も、・・・ ずっと、そして今も繰り返されている
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地元(ミニコミ)紙は何の問題意識もなさげに、一生懸命に夕張シューパロダムを宣伝する。
★夕張新聞 遂に満水!夕張シューパロダム
http://yubari-news.jp/deep/3373 (さくら 調査 )
去る11月13日、かねてより試験湛水(本運用前に水位を上下させてみて安全性を確認する作業)を行っていた夕張シューパロダムが最高水位301.5mとなり、大きなダムのテッペンの窓のような開口部から水が溢れ出しました。



(写真:北海道開発局札幌開発建設部 2014年11月13日撮影)

(写真:北海道開発局札幌開発建設部 2014年11月14日撮影)

(写真:北海道開発局札幌開発建設部 2014年11月15日撮影)
こうした形での越流の様子は100年に1度くらいしか見ることができないということで、3日間のみダムの堤頂部が一般開放されました。300人ほどの見学者が訪れ、記念すべき瞬間を写真に納めていったそうです。

(写真:北海道開発局札幌開発建設部 2013年9月撮影)
夕張シューパロダムは、昭和37年に完成した大夕張ダムのすぐ隣に建設された非常に大きなダムで、その湛水面積は全国2位とのこと(全国1位は雨竜第一ダム)。
大夕張ダムとシューパロダムとではスケールの大きさが全く異なり、まるで大人と子供のようでした。
夕張シューパロダムと大夕張ダムを比較すると、夕張シューパロダムはダムの大きさで約1.5倍、総貯水量で約5倍もあるそうです。
そもそも、なぜこのような大きなダムを建設する必要があったのでしょう?
北海道開発局札幌開発建設部の担当者さんによると、大きく5つの目的があるそうです。
1.洪水調整
2.かんがい用水の補給
3.水道水の供給
4.発電
5.流水の正常な機能の維持

(北海道新聞 昭和56年8月6日)
昭和56年8月、石狩川・夕張川流域で記録的な大雨となり、総雨量が400㎜を超える地域が続出しました。これにより、石狩川流域全体で2万戸以上の住宅が洪水被害にあってしまったのです。こうした洪水被害が度々発生していたことから、一度に大量の水が下流に流れることを防ぐために、大きなダムを建設する必要があったそうです。
また、シューパロダムの流域にある市町村では、札幌のベットタウンとして人口が集中してきました。さらに、農業が盛んな地域でもあり農業用水を確保する必要性もある。
昭和37年の大夕張ダム完成以降、時代が変化する中で私たちの生活で使われるエネルギーも石炭から石油や電気にかわっていきました。夕張でも多くの炭鉱が稼動していた昭和30年代とは異なるエネルギーが求められるようになってしまったのです。
シューパロダムの水は水力発電にも活用されることになっており、現代や未来の生活を支える役割も担っていくのです。原子力発電が問題となっている昨今、水力発電は地球に優しいエネルギーですよね。


シューパロダムといえば、「ダムに沈む三弦橋」ですよね。
現在は、ダム湖の中に沈んでしまった三弦橋ですが、これから徐々に貯水位を下げてダムの安全性を確認するとのことで来年の1月には再び顔を出す予定になっているそうです。

(写真:北海道開発局札幌開発建設部 2013年10月24日撮影)
2015年4月からダムの本格的な運用が始まると、数年に1回夏場に顔を出すことが予想されているそうです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ブログ引用終わり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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ギョーカイの気分全面展開の建設通信新聞
★ 建設通信新聞 [ 2015-03-10 6面 面名:北海道・東北面]
洪水への安全度地域活性に期待/夕張シューパロダム竣工
http://www.kensetsunews.com/?p=45265
【札幌開建・最大級再開発】
北海道開発局札幌開発建設部が、石狩川水系夕張川の夕張市で建設を進めていた夕張シューパロダムが完成を迎え7日、夕張市のゆうばり文化スポーツセンターで竣工式が開かれた。関係自治体や地元選出国会議員、施工関係者、地域住民らが多数が参加し、待望の完成を祝った。施工は大成・岩田地崎・中山JVが担当した。
修ばつ式に続いて行われた竣工式で、石田悦一札幌開発建設部長は「洪水への安全度が高まり、安定した農業、生活用水の確保や電力の供給により地域の安定発展が図られることとなり、産業発展や生活の安定に大きく貢献するものと確信している。今後は、環境保全とともに周辺環境を生かした地域活性化に向け取り組んでいく」とあいさつした。
事業者を代表して本田勝国土交通省国土交通事務次官は「このダムは既存ストックを有効活用したダム再開発事業としてわが国最大級のダムとして生まれ変わる。水道用水の確保はもとより道央圏の発展を含め地域の活性化に貢献するものと期待している」と述べた。来賓のあいさつに続き、高井修北海道副知事らがくす玉開披を行い、鈴木直道夕張市長の音頭で参加者一同が万歳三唱し、喜びを分かち合った=写真。
夕張シューパロダムは、石狩川水系夕張川の夕張市南部地先に建設された多目的ダム。1961年に完成した大夕張ダムのかさ上げをする再開発事業で、治水機能も兼ねた夕張川総合開発事業を策定後に直下流155mに建設された。2006年6月からダム本体基礎掘削工事に着手。ことし1月に試験湛水を完了した。洪水調節のほか、流水の正常な機能の維持、かんがい用水および水道水の補給、発電を目的とした建設した。
ダム形式は重力式コンクリートダムで、堤高は110.6m、堤頂長は390m、湛水面積は15km2、総貯水容量は4億2700万m3。
・・・・・・・・・・・・・・・ 記事引用終わり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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3月30日 船町


