よみがえれ長良川実行委員会 岐阜県要請 |
6月10日、よみがえれ長良川実行委員会 http://nagaragawa.jimdo.com/
として、岐阜県に要請書をもっていきました。
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要 請 書
2015年6月10日
岐阜県知事 古田肇さま
よみがえれ長良川 実行委員会
共同代表 粕谷志郎 亀井浩次
平素から岐阜県政へのご尽力感謝いたします。
私たちは、長良川を愛し、自然な長良川を取り戻して未来に手渡したいと願う者の集まりです。
人口や資産が集積しながらもなお自然の姿を残す長良川とその流域は、県外、国外の多くの人々を魅了しています。
昨年夏、岐阜県は「清流長良川の鮎 ~里川における人と鮎のつながり~」の世界農業遺産登録を目指して活動を開始されました。世界の人たちから公式に長良川の価値を認めて頂きたいと私たちも思います。
今年3月、岐阜市長良と関市小瀬の「長良川の鵜飼漁の技術」が、国の重要無形民俗文化財に指定されました。長良川とその自然と伝統文化を愛する私たちにとっても慶事であり、これが世界農業遺産の登録へも大きなはずみとなることを願っています。
同時に、大きな気懸かりもあります。
一つは、今年が運用開始から20年の節目にあたる長良川河口堰の存在です。水生生物、水質、自然環境のどの指標からも、河口堰が海との連続性を絶ち長良川にマイナスの影響を与えているのではないか、という懸念は拭えません。川は海と繋がっているのが自然であり、生き物にとって川と海の連続性はとても大切です。このままでは、長良川のアユは人の手を借りないでは生息が維持できないかもしれません。岐阜市は長良川のアユを準絶滅危惧種としました。
幸か不幸か長良川河口堰で新規に開発された水は16%しか使われておらず、他の水源からの振り替えも可能です。
愛知県では河口堰検証プロジェクトチームを設けて河口堰の検証に取り組み、2012年1月に開門調査に関する報告書をまとめて愛知県知事に提言しました。それを受けて、愛知県では庁内検討チームを設置するとともに有識者による河口堰最適運用検討委員会を設置して、河口堰の開門調査実現の道を探っています。
岐阜県としても、是非、長良川河口堰の開門調査に向けて取り組んで頂きたいと存じます。
二つめは、木曽川水系連絡導水路のことです。異常渇水時に徳山ダムの冷たい水を長良川に流し込むことは、水生生物に大きなダメージを与えます。しかもその地点は岐阜市の鵜飼にとってはとても重要な“御料場”古津です。鵜飼への悪影響も心配です。岐阜県は一滴も使わない徳山ダムの開発水のために、岐阜県にとって大切な長良川を単なる用水路として利用させてしまって良いのでしょうか。
三つめは、長良川の支流・亀尾島川最上流に建設されようとしている内ヶ谷ダムです。長良川の水は、源流部の自然豊かな森からもたらされます。貴重な源流部を壊してしまっては、長良川の豊かな自然は喪われてしまうかもしれません。
私たちは長良川を本当に世界に誇れる豊かな清流とすることを願い、次のことを要望いたします。
記
1.世界農業遺産に相応しい長良川とするために、岐阜県としても是非、長良川河口堰の開門調査実現に取り組んで下さい。
具体的な時期や調査内容などは、漁業関係者や研究者、環境団体関係者、法律家などを委員とする透明性・公開性のある委員会を設置し、広汎な市民の意見が反映できるようにして下さい。
2.木曽川水系連絡導水路事業は、現在、凍結され、国土交通省中部整備局等で検証中です。岐阜県は環境分野でさまざまな懸念を示し、国に回答を求めてきていますが、いまだに十分に納得できる回答はありません。この際、岐阜県にとっては要らない施設であるということを明らかにして下さい。
3.長良川をこれ以上人工構造物によって悪化させてはなりません。内ヶ谷ダムについては工事の中断も検討して下さい。洪水防御に関しては、里川の考えにのっとり、流域治水の考え方を採り入れ、伝統的防災施設を活かす方向で、流域住民と十分に話し合って下さい。
以上
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今年4月に国交省からおいでになった県土整備部長兼河川課長のMさん。物腰は柔らかで、「県土整備部次長兼」を強調せずに*河川課長とだけ名乗ったのは良いのですが・・・
完全に「勉強不足」。せいぜいA4版1枚のペラペラの資料だけで済ませたのね、と感じました。せっかく真面目そうな好印象で登場したのですから、次回以降は勉強不足が目につくようなことにならないように必要なおさらいをしてきて下さいな。「つまり市民を嘗めているのだな。不誠実だ」と思われてしまいますよ-。
* 前任のIさんは、いちいち「県土整備部次長兼」に拘ったことと、彼特有の”無愛想”の所為で、私の周囲での評判はあまり良くはありませんでした。でも私はあの”無愛想”は、結構「好き」でした。2012年に最初にお目にかかったときも、今回のMさんよりはしっかり知識を仕込んでいらした。ある意味、ゼロ回答は織り込み済み。市民側がぶつけてきた疑問、疑念に対して、どの程度”向き合ってきた”かは、やりとりの中で見えてしまいます。責任者なのですから「着任したばかりでわかりません」では済まない。数十年にわたって、岐阜県が何を言い、何をしてきたかをきちんと「知っている」必要があります。私はそういう面は気になるのです。
★ 6月11日 岐阜新聞
★ 6月11日 毎日新聞
★ 6月11日 中日新聞
要請行動の後、記者室に寄って「よみがえれ実行委員会」のPRをしてきました。
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