導水路裁判控訴審判決と長良川河口堰(1) |
9月17日、名古屋高裁で徳山ダム導水路裁判(対愛知県拘禁支出差し止め訴訟)の判決があった。想定通り以下の不当判決であった。
判決当日の中日新聞朝刊
★ 中日新聞 2015.9.17 朝刊

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名古屋高裁前

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★ 47ニュース 2015/09/17 16:55 【共同通信】
名古屋高裁も差し止め認めず 木曽川導水路の公金支出
http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015091701001316.html

木曽川導水路事業をめぐる訴訟の控訴審判決で請求が棄却され、「不当判決」の垂れ幕を掲げる原告団関係者=17日午後、名古屋高裁前
渇水対策のために岐阜県のダムの水を長良川、木曽川に流す木曽川水系連絡導水路の建設は不要として、愛知県の住民グループが大村秀章知事らに事業負担金約318億円の支出差し止めを求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は17日、住民側の請求を退けた一審名古屋地裁判決を支持、控訴を棄却した。
木下秀樹裁判長は判決理由で「木曽川は全国的に見ても渇水の頻度が高い。県民の生活に支障を来さないよう、愛知県には余裕を持って需要を想定することが許される」と指摘し「需要増を見込んだ想定は根拠がない」とする住民側の主張を退けた。
事業は渇水時の水道用水確保が狙い。
★ NHKニュース 09月17日 19時48分
導水路2審も支出差止認めず
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20150917/3631031.html
岐阜県の徳山ダムから木曽川に水を引く導水路の建設事業について、愛知県の住民グループが費用を負担しないよう愛知県側に求めた裁判で、名古屋高等裁判所は1審に続いて住民側の訴えを退けました。
木曽川導水路は水道用水の確保や木曽川の渇水対策などを目的に、水資源機構が国から引き継いだ建設事業で、岐阜県の徳山ダムから揖斐川と長良川を経由して木曽川までを全長が約40キロと1キロの2本の地下の導水路でつないで水を引きます。
費用は国のほか愛知、岐阜、三重の3県と名古屋市が計約890億円を負担することになっていますが、愛知県の負担分約318億円について愛知県の住民グループが木曽川の流域では想定するほどの水の需要はなく、導水路は不要だとして県側に対し費用を支出しないよう求めています。
去年7月、1審の名古屋地方裁判所が住民の訴えを退けたため住民側が控訴していました。
17日の2審の判決で名古屋高等裁判所の木下秀樹裁判長は「県には水道水を安定的に供給する責務があり、余裕を持って水の需要を想定することは許される。事業が著しく妥当性を欠くとはいえず、費用の負担が違法とはいえない」として1審に続いて住民側の訴えを退けました。
この事業は平成21年に凍結されて以降、着工されないままになっています。
判決を受けて、原告の住民グループは名古屋市内で記者会見を開きました。
住民グループの共同代表を務める小林収さんは「判決は不当なもので強く批判する。今後も愛知県や名古屋市に対して導水路事業からの撤退を強く求めていく」と話すとともに、上告する方針を示しました。
判決について愛知県の大村知事は、「県の主張が認められたことは極めて妥当だと考えている。事業については現在、国が検証作業を進めており、県としても当面はこの検証作業に取り組みたい」というコメントを発表しました。
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この項、続く。
