2017年ベトナム行(4) |
<8月21日-1>

ジャングルの地下を縦横に地下トンネルが走り、村人と区別がつかない(実際に一体化)解放戦線兵士のゲリラ活動に米軍は苦しめられた。
海岸に近い地帯より若干標高が高く、地下が水に浸からなかったので、この地下壕要塞が堅持・発展できた、ということらしい。
最初は1層の地下壕がm後には3層にまでなり、全長は約200kmという長大なものとなった。
今は、一部を整備・公開して、観光名所として積極的に宣伝している。
日本人観光客向けのリーフレットも作られていた。
◇ ◇

だがその入口建物に入ると目の前にドンと、往時、米軍から捕獲した武器が積み上げられている。


目印があることを知っていなければ落ちる。北の正規軍もこの地帯に頻繁に来たそうだが、現地の案内人抜きでは移動できなかっただろう。



出るときは、胸の辺りの高さの地面に腕を合ってて身体を持ち上げなければならない。


この小さなな穴の底に小さな横穴がある、今は半分埋まってしまっているが当時はこの横穴から奥に入っていったのだった。
もし追っ手がかかっていてここに逃げ込んだのだったら、フタに爆薬をしかけ、自分は横穴に退避して待ち構える。
追っ手が侵入してきたら爆発させる。この穴は使えなくなるが、本体は無事、というわけだ。
◇ ◇
あとでこの横穴に入る体験をする場所があった。
20m、40m・・・・もっと先まで。大体20m位毎に外に出られる横道があるという。
立っては歩けない。
水平近くまで背を曲げるか、しゃがんだまま進むか。
最初の20mで大方の人がリタイア。
その先は一層狭くなり、照明もない(先頭で案内に建つ兵士は懐中電灯をもっているが、滅多に点灯させない)。
もうしゃがんで手探りで進むしかないが、逆に言えば、上も両脇も手で触れるから怖くない・・・と私は感じる。

私は「もっと先まで行きたい」と下手な英語で意思表示するが、案内の兵隊さんのお兄さんは否定的。
「腕で身体を持ち上げなければならない場所がある」と言われて諦めるしかなかった。
腕で身体を持ち上げられないことを大勢の面前で晒したばかりだったから。
◇ ◇
様々な落とし穴の展示。

しかし通気口から「人間の臭い」が漏れる、軍用犬に嗅ぎつけられる。
で、通気口の途中に米軍兵士から奪った衣類などを挟んで奥のだそうだ。
軍用犬は米軍兵士の臭いしか嗅ぐ音ができず、混乱して探索に至らない・・・凄い知恵。


従を構えた米軍兵士が侵入したら、吊したヒモを切る。
太い釘のようなものがたくさん刺してあるブランコのようなこれが米軍兵士を遅う。
上のほうは従で振り払うだろうが、下のほうは分離してヒモで繋げてある。上は止められてrも下半分の勢いは止まらず、米軍兵士の脚を刺す、というのである。
これまた凄い工夫。
◇ ◇
武器も食料も自給自足。
米軍の不発弾を手榴弾にするところの等身大のジオラマ。




廃タイヤから作られるサンダル。


人気土産物と見えて、決して安いとは言えない。
◇ ◇
侵略者(圧倒的に京大な帝国主義国)と何年も闘い、戦争が日常である長い日々を通って、ベトナムの今がある。
クチの地下トンネルがその威力を発揮しているとき、日本でも断片的にその情報を得て、ときに、胸が締め付けられる思いをし、ときに激しく勇気づけられた。
ベトナム人民の解放への闘いがあって、私たちの青春時代があった。
半世紀経って、それをどう捉え直せばいいのだろう。
◇ ◇
続く
