「不完全な堤防 20ヵ所超」という記事 |
台風一過-大雨台風21号-[ 2017-10 -23 ]の続きでもあります。
10月27日の朝日新聞に以下の記事が載りました。
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全国の河川改修事業による堤防の整備状況を会計検査院が調べたところ、途切れていたり高さが不足していたりして堤防の役割を十分に果たせない恐れのある場所が、計二十数カ所あることが分かった。豪雨の際に水害が発生する危険性が高いとして、検査院は国土交通省に事態を早めに解消するよう指摘する。(以下略)
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http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota12/20171027asahi.pdf
朝日デジタル版では以下
堤防、不完全20カ所超 豪雨時、水害の恐れ 途切れや高さ不足 検査院調べ
http://digital.asahi.com/articles/DA3S13200382.html?rm=150
デジタル版は、東京本社版が元。私がみた名古屋本社版とは見出しや使用されている写真も違います。名古屋本社版の見出しのほうが良いような気がしまた。
20カ所超というのは「会計検査院が調べたうちの」ということでしょうが、どのくらいの河川堤防をどう調べたのか(まさに「どのような数え方をしているのか」)がよくわかりません。
この記事だけだと「全国でたった20箇所ほど不完全な堤防があった」かのように受け取られかねないのが気になります。
「不完全な堤防」は、全国で少なくとも数百箇所はあるはずです。
例えば、国土交通省中部地方整備局木曽川上流河川事務所のHPの中に「重要水防箇所」
http://www.cbr.mlit.go.jp/kisojyo/important/index.html
というページがあり、木曽3川の堤防の「堤防高不足」「堤防断面不足」「漏水」がたくさん示されています。
木曽3川のうちでも、”揖斐川”は酷くて、赤色の「重要度A」だけでも29箇所が表示されています。(「B」を入れると数えきれません。図が文字でいっぱいになるくらいたくさん)。
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実に有り難くも勿体なくも(!!)、揖斐川最上流に徳山ダムという超巨大でご立派な「治水」施設(ウソ、実は「水資源開発」施設)を作って頂いたおかげで、揖斐川の堤防は長い間放置され続けています。
2004年の徳山ダム建設費増額のときの予算のありよう(「項の間の移用」※1)といい、「ダムを作れば必要な治水事業費は削られる」ことを身にしみて知る羽目になりました。
実のところ、河川行政の担当者は、そのことを感じています。(※2)
(感じているのに、岐阜県は「内ヶ谷ダム」なんてシロモノをまたぞろ作っている。役人には「やめる」という選択をする能力が不足しているようです。)
※1:2004年度当初予算では、旧事業実施計画の「事業費2540億円」の枠内での予算しかつけられず、そのままでは本体工事が止まってしまうところまで追い詰められていた。7月にフルプラン全部変更、9月に事業実施計画変更を行い、年度途中で徳山ダム建設費を大幅に増やすこととした。そのため、木曽川水系、とりわけ揖斐川の治水事業費予算がカットされた-岐阜県が県として予算を組んだ箇所も補助金がカットされて中止に追い込まれた-)
参照:「地域住民の悲願を裏切って」
http://www.tokuyamadam-chushi.net/sonota/arasaki-tisuitokkai.pdf
※2:今年度 http://tokuyamad.exblog.jp/27903042/
昨年度 http://tokuyamad.exblog.jp/25285597/
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